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魂、現世

2008年04月27日 | 花嫁の冠【自我浄化】
 仕事に手を抜いたり、甘美を選ぶことがないよう、気を付けたまえ!(訳者注:すべてのものには、最良・良・不良などと位付けが出来、選択肢が与えられたなら、最良を選ぶのではなく、あえてそうでないものを選ぶようにとの忠告。レベルが低くてもそれで満足することにより、修行が達成されるという考え方。)

 あなた自身の魂(ナフス)にも気をつけなさい。魂があなたを破滅に導こうとし、しかも死ぬまでその主(あるじ)から離れないのだから。ラマダーン月になると悪魔は縛られる(ため、悪さを出来ない)(*)。だがあなたはラマダーン月に人を殺し、または盗みを働く人を見かけるかもしれないが、これらの悪行は、”魂”が原因であるためである。そのため、もし魂が罪に傾いたら、アッラーの罰(があろうであること)と、魂の行いのせいでアッラーとのつながりが切れてしまうことを思い出させなさい。

 毒入りの蜂蜜があるとしよう。これは甘いと知られていながら、害があるため放棄される。預言者(平安と祝福がありますように)は言われている:《現世は、甘美で青々としているものだ。》(**)そして次のようにも言われている:《(現世は)汚い死体捨て場である。》(***)

 不注意者たちにとっての現世は、甘く青々とした魅力的なもの。理性ある者たちにとっては、汚れた死体捨て場(のようである)。

 現世は魂(ナフス)にとって、青々としており、心の鏡にとって、腐った死体置き場である。

 ”甘美で青々としている”は、警告の言葉であり、”腐った死体置き場”は、それ(現世)から逃げるように、という意味である。だからこそあなたたちは現世の甘さに騙されてしまわないように気をつけなさい。現世の(甘い部分にとらわれてしまった場合の)結果は苦いのだから。

(*)アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)は言われた:《ラマダーンがやって来ると、天国の門は開かれ、業火の門は閉ざされ、悪魔たちは縛られる。》(アル・ブハーリーとムスリム出典)

(**)アッラー使徒(アッラーの祝福と平安がありますように)は言われた:《本当に現世は甘く青々としている。そしてアッラーはあなたたちをそれ(現世)を治める代理者とされた。かれはあなたたちがどのように動くか見ておられる。だから、現世をおそれなさい。女性もおそれなさい。》(ムスリム出典)

(***)アル・ヒンディーが『カンズ・ル・ウンマール』内で、アリーより伝わる言葉を紹介している。《現世は死体置き場である。誰でもそれを求める者は、野犬たちと交わることに忍耐するがよい。》(8564)
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