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85. 星座 (アル・ブルージュ)【3】

2008年02月23日 | ジュズ・アンマ解説
 アッラーは、先代の信者たちが迫害された原因を解明しています:

 「かれらがかれら(信者)を迫害したのは,偉力ある御方,讃美されるべき御方アッラーを,かれら(信者)が信仰したために外ならない。かれに,天と地の大権は属する。アッラーは凡てのことの立証者であられる。

 迫害された彼らには、「偉力ある御方」つまり何者も敵わない力強い勝者、「讃美されるべき御方」創造物への慈しみに対し賞賛されるお方であるアッラーを信仰した意外に罪はありませんでした。そのため、彼ら罪業者たちは、主の権力から逃れられないでしょう。「アッラーは凡てのことの立証者であられる」かれは創造物の行いを見ておられるので、彼らの行き過ぎた行いを見逃すことはありません。

 アーヤ中の「立証者شهيد」という言葉は、苦しみにある信者たちに安堵感をもたらします。アッラーが、自分たちの苦しみを見ておられることを知ることにより、彼らはすべての苦しみを忘れます。アッラーがいつか報いてくださるため、彼らの目にはすべての迫害が容易に感じられるようになります。同時に、苦しめている側に神の罰があるであろうことの約束にもなります。

 このアーヤを読むことにより、アッラーの道のために自分たちの命を捧げ、そして苦しめられてきた信者たちへの同情心が私たちの心に起こり、彼らが存在した状況が深刻に感じられます。同時に、罪業者たちへの憎しみで私たちの心はいっぱいになりました。この事件がここで終わったのではなく、来世に公正な清算があることを、アーヤは説明します。

 二つに分けられた集団は、公正なる清算を受けます:

 「本当に信仰する男と女を迫害して,それから悔悟しなかった者には地獄の懲罰があり,またかれらには炎火の懲罰があろう。

 信仰する男と女を苦しめ、彼らの宗教から離れさせるために彼らを火であぶり、そして不信仰から悔悟しなかった者たちには来世で地獄の罰と、そこでの炎の罰があるだろう。

 アッラーの道のために苦しめられた信者たちの報酬について、アッラーはおっしゃります:

 「信仰して善行に勤しんだ者には,川が下を流れる楽園があろう。これは偉大な幸福の成就である。

 アッラーの唯一性を認めて、かれにお仕えし、かれの命令に従った者には、来世のアッラーの許で、川が下を流れる楽園があるだろう、これは偉大な幸福の成就である。

 アーヤがこれら全体的な意味に独立した後、信者たちの心をいたわり、罪深い不信仰者たちへの警告が登場します:「本当にあなたの主の捕え方(懲罰)は強烈である。かれこそは創造をなされ,またそれを繰り返される御方である。かれは,寛容にして博愛ならびない御方。栄光に満ちた,至高の玉座の主。かれは御望みのことを,遂行なされる。

 「バトシュ(捕らえ方)」:暴力的に捕らえる様子です。アッラーの捕らえ方は強烈であり、ときにそれは繰り返されたり、さらに大きくなったりします。この捕らえ方は、高慢者、加害者に対して向けられるものです。アッラーは彼らを苦しみと厳しい復讐によって捕えます。そしてアッラーは、「創造をなされ,またそれを繰り返される御方である。」つまり、アッラーは創造物を最初からお創りになり、審判の日の清算のために、彼らを死から生へ蘇らせます。そしてアッラーは、「博愛ならびない御方。」つまり、仕える者にとって、愛される存在です。そのため、人間がもしアッラーの愛を得られたのであれば、最上級の幸福を得たことになります。そしてアッラーは、「玉座の主。」つまりかれは、誰も横取りできない王権の持ち主ということです。この玉座は、「栄光に満ち」ています。そしてかれは、「御望みのことを,遂行なされる。」つまりかれは、望むものを選び、大地において望むことを実行します。そのため、信者に起きた迫害は、彼らの信仰心を試す機会の他にありませんでした。もし彼らの援助を望まれた場合は、かれのお力の前に立ちはだかるものなど何もなかったでしょう。

 続いてクルアーンは、不信仰者と罪業者の現世における結末について、アッラーが滅ぼしたフィルアウンの民と、大きな音で滅ぼされたサムードの民を例にして言及します:「軍勢の物語が,あなたに達したか,フィルアウンとサムード(の民の)。

 つまり、ムハンマドよ、あなたに先代の罪深い集団の知らせが届いたか?彼らは、使徒と預言者たちとの戦いのために軍を作りました。彼らはフィルアウンとその一族、そしてサムード族でしたが、彼らは犯した罪と不信仰のため滅ぼされました。

 そしてアッラーは、ムハンマド(アッラーの平安と祝福がありますように)の預言者性を嘘とした、マッカの不信仰者たちについての話でこの章を終わらせます:

 「いや,信じない者は(なお真理を)嘘であるとしている。だがアッラーは,背後からかれらをとり囲まれる。いやこれは,栄光に満ちたクルアーンで,守護された碑板に(銘記されている)。

 マッカの不信後者たちは、先代の不信仰者たちに起こった出来事で訓戒を得ないだけでなく、真実を認めない姿勢を貫き続けましたが、アッラーは彼らを包囲しています。つまり彼らはアッラーの手中にあり、丁度取り囲まれた人が、逃げ場を見つけられないのと同じです。「いやこれは,栄光に満ちたクルアーン」つまり、それには多くの現世と来世で有益なことが含まれていて、構造と意味において、他の書物の上を行くということです。「守護された碑板に(銘記されている)。」つまり、クルアーンは天の中にある守護された碑板に、アッラーの許で証明されているということです。守護された碑板とは、アッラーが知りそして運命付けた、起こったこと、起きることが保管されているものです。その真の姿は、人類の知る域を超えています。

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