退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「『退行の時代を生きる』ことと『すれ違い』がいろんな『ずれ』によって描かれる映画」について

2024-03-29 03:11:38 | Weblog
くもりのち雨。夕方から降り始め風雨は結構激しく。。

ジグムント・バウマン「退行の時代を生きる」を読む。

副題に「人びとはなぜレトロトピアに魅せられるのか」。
将来不安が「レトロトピア=ありもしない過去」への憧憬をもたらすのだと。

ホッブス「リヴァイアサン」の「万人の万人に対する闘争」が再び。
「われわれと彼ら」という対立軸によって集団の統合を図ろうとし。

「格差」は「われわれと彼ら」のような「社会的分断」を生み出し。
「孤立無援」な個人は「子宮への回帰」を求めるのだと。

なるほど「フィルターバブル=子宮」か。
となればそもそもの原因である「将来不安」を消すしかなく。

「ベーシック・インカム」も採り上げられているものの。
その実行はなかなかに難しいようで。

ロシアは「昔の大ロシア」を「取り戻そう」とし。
イスラエルがパレスチナを「滅ぼそう」としている現在。

アメリカでの「トランプ人気」も「レトロトピア」で。
わが国では「説明にならない官僚答弁」を続ける首相がいて。

「退行の時代」のリアルが世界中に。
「絶望ゆえの希望」が各地でもっと生まれますように。

パク・チャヌク「別れる決心」(’22)を観る。

「被疑者と刑事の恋」の行方は如何にというお話。
「崩壊しました」が「愛してる」になるのを覚えておこう。

もっとも刑事はその後、妻との生活に戻り。
被疑者の愛がそこから始まる「すれ違い」がなかなか。

おそらくこれは現実には「よくあること」で。
本作では「中国語を韓国語に翻訳する」というのもポイントか。

「互いに憎み合ってもセックスはする」という夫婦の在り様も同様に。
「夫の心ここにあらず」を「最中」に知る妻の思いたるや。

「子ども」が一切出て来ない設定も忘れずに。
「スッポン」で笑いを狙うのはいささか「下世話」だけれど。

「あなたの未解決事件になりたい」という被疑者の台詞よ。
もちろんこれも「愛してる」に他ならず。

「覗き」や「殺人」は「恋の味付け」。
何とも「奇妙な愛情の姿」を確認したいもの。
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