退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

行方も知らぬ「故意」の道かな

2009-03-13 02:41:19 | Weblog
晴れ。風はないもののやや冷たし。

キャロル・リード「邪魔者は殺せ」(’47)を再見。

脱獄後仲間の家に隠れていたIRAの支部長は
組織の資金調達のため仲間の制止を振り切って工場襲撃に参加するが逃げ遅れて、というお話。

長いムショ暮らしのせいで武装闘争に疑問を持ち始めているジョニー・マックイーン。
彼を愛するキャスリーンと仲間のデニスはそれに気付き参加しないように言うものの。

もみ合ううちに警備員を殺し自らも左肩を撃たれたジョニーは
逃走する車に乗り込もうとして振り落とされ、フラフラと防空壕へ。

彼を助けようとする者も追う者も
関わりたい者も関わりたくない者も結局彼を路頭に迷わせる役割は同じ。

決着はロマンチックだけれど
主人公の「行き場の無さ」をピンボールに例えたくなるアイリッシュ・ロマンの魅力を是非。

城繁幸「若者はなぜ3年で辞めるのか?」をようやく読む。

「世間的に有名な会社で定年まで勤め上げる」という「昭和的価値観」が
21世紀になっても「現実」を見る目を曇らせているということ。

「年功序列」という制度が実は若者に大きな負担を強いる制度であり
不景気な現在ではさらにその負担を増やすことにしかならないのだということ。

新卒のみを重視する採用は「下働きの元気な若者」を取るためのものであり
「年功序列」の維持が不可能になった現在、その若者たちの仕事内容や給料が「豊か」になることはないこと。

現在年金をもらっている世代が一番経済的に余裕があり
そこからすると「後期高齢者医療制度」は実は必要なこともよくわかる。

かつて「大人はわかってくれない」とジェームス・ディーンは嘆いた。
けれども「大人はズルイ」のだということを若者はもっと知るべきだろう。

余談だが著者の名前は「若さま侍」シリーズを書いた城昌幸に似ている。
おそらくその関係者だと思われるのだが、どこにも書いてないので一応。
コメント
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