退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

幸不幸

2007-11-11 01:04:27 | Weblog
くもりときどき雨。

読めばわかる内容を話される「研修」。
「会社ごっこ」をやっている余裕があるらしい。

その後少しだけ飲む。
駅前はすでにクリスマス気分。

成瀬巳喜男「稲妻」を観る。

はとバスのガイドをしている主人公は
家族にうんざりしている。

店を出すのと交換条件で自分をパン屋の嫁にやろうとする水商売な長姉。
やがて彼女はパン屋と関係を持ってうだつの上がらない夫を見捨てる。

夫は昼間からやけ酒をくらって店で暴れる。
おまけに借金を断られてパン屋に殴りかかり、博打で母親の身ぐるみをはぐ。

夫の死に泣き暮らし、神様や占いや男にすがるダメな次姉。
愛人に「供養のつもりで」5万円渡し、彼女もパン屋に店を出してもらう。

「娘が捨てたんだから」と長姉の夫を世話する母。
子どもの父親は「南方ボケ」の兄も含めてみんな違う。

主人公は家を出て下宿する。
主人は老婦人で感じがよく、隣家の兄妹は仲良く清々しい。

布団を運んでもらった兄と互いに好感を持ち合った主人公。
ところがその「幸せ」を中断するのが母の来訪。

長姉と次姉がパン屋を巡って大ゲンカし、次姉が行方不明だと言う。
「山の手」に逃げ出した彼女を「下町」がしつこく追いかけてくる。

「生まれてから一度も幸福だなんて思ったことないわよ」と泣く主人公。
「子どもを不幸にしようと思って生みゃしないよ」と泣く母。

「もうよそうよ」「浴衣一枚買ったげるわ、売れ残りの安いの」
「やだよぅ、売れ残りなんて」

笑い合った後で家路を歩く母娘の後姿に
思わず幸福を祈らずにはいられない87分の秀作を是非。
コメント
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