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 グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)社の新型インフルエンザ・ワクチンに製造上のトラブルが発生したようです。カナダの保健当局は11月24日、ワクチン接種で深刻なアレルギー反応である、アナフィラキシー・ショックが6例起こったと発表しました。

 アナフィラキシーショックでは、喉の腫れや痛みなどを伴って気道が塞がれ、重篤な酸素欠乏状態、不整脈による心停止、血圧低下等が現れます。それが原因になって、死に至ることもあります。ワクチン接種によるアナフィラキシー・ショックはほぼ即時に現われるので、ワクチン接種後15分前後は接種を受けた医療機関にいることが必要だと言われています。

 アナフィラキシーは、症状の発現を速やかに察知し、一刻も早く治療をする必要があります。医療機関では症状を緩和する目的で、アドレナリンという薬が使われます。特にアナフィラキシーショックを引き起こしている時には、アドレナリン注射が行われるようです。アドレナリンは、気管支や血管に働いて呼吸困難や血圧低下等のアナフィラキシー症状を改善します。

 ワクチン接種でアナフィラキシー・ショックを起こしたケースのすべてが、11月2日に配布されたグラクソ・スミスクライン社のワクチン「Arepanrix」(製品名)の特定のロット(17万2千人分)で起こったようです。6つの州へワクチンは配布されており、ブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州、オンタリオ州、プリンスエドワードアイランド州では、直ちに接種が中止されました。

 先行する11月20日の報道では、カナダ中部のマニトバ州で、イギリスの大手医薬品メーカー、グラクソ・スミスクライン社の製造した10月出荷分の一部のワクチンに通常とは異なる頻度で重い副反応(serious and immediate anaphylactic reactions、アナフィラキシー・ショック)が発生したので、グラクソ・スミスクライン社は接種を中止するように要請したとなっていました。アナフィラキシー・ショックの発生率が通常は10万件に1件ほどのものが、その10月出荷分は2万件に1件ほどと発生率が5倍になっているようです。

 厚生労働省は10月6日、欧州の製薬大手、イギリスのグラクソ・スミスクライン社とスイスのノバルティスファーマ社(Novartis Pharma)の2社とおよそ5,000万人分の新型インフルエンザワクチンについて、購入契約を締結しました。グラクソ・スミスクライン社のワクチンは従来の鶏卵を用いるワクチン(製品名:Arepanrix)であり、ノバルティス社のワクチン(製品名:Celtura)は、細胞培養法によるワクチンです。この輸入ワクチンは、高校生と高齢者(65歳以上)への接種が予定されています。

 今のところ、原因は分かっておりませんが、鶏卵を使ってワクチンを製造することから、卵の成分が十分に除去されていなかったのかも知れません。発生率が5倍になったとしても2万件に1件ということから、アレルギー体質が発生に関係していることが疑われます。欧州のワクチンに使われている「アジュバント」という成分が関係しているのかも知れません。

 韓国ではすばやく反応し、グラクソ・スミスクライン社との購入計画(年内に300万人分)を破棄する方向で動き始めているようです。

 カナダの保健当局が11月25日にさらに発表したところによると、新型インフルエンザワクチンの接種後に、「アナフィラキシー・ショック」を起こしたケースが24例あり、そのうちの1人が死亡したそうです。死亡したのはケベック州の80代男性で、死亡がワクチン接種と関係があるのか、他の健康上の問題によるものなのかは不明だとされているようです。

           (この項 健人のパパ)

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