POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 昨日、発熱した健人を連れて病院に行ってきたのが疲れたのでしょうか、宿泊ホテル「喜瑞飯店(AMBIENCE HOTEL」で朝食をとった後に急に眠気がさしてきました。「ちょっと、15分くらい寝るわね。」と言って、ベッドに入りました。ところが、目覚めたのは12時過ぎ。きょうは、「基隆(キールン)」観光に出かける予定です。「起こしてくれなかったの。」「疲れを取りに出かけてきたのだから、眠いときは寝てなくっちゃね。」

 健人の熱は、きのう「台安医院」でもらった解熱剤「アセトアミノフェン」が効いたのでしょうか、平熱に戻っています。それでも無理はさせられないので、いつもなら街を目的地まで歩くことが多いのです(夫は歩くのが尋常じゃなく好き!)が、今回はホテルの前からタクシーを拾うことにしました。長安東路と新生北路の交差点のすぐ脇にあるホテルから忠孝西路と重慶北路の交差点のすぐ脇にある国光客運の「台北西站」までです。しかし、元気をすっかり取り戻している健人が発した一言、「お昼どうするの?」

 そうです。昼食のことを忘れていました。さっき朝食を食べたばかりの気持ちでいたのは、朝食後寝てしまった私だけのようです。しかし、これから昼食に時間をかけると、ますます基隆に行くのが遅くなります。台北駅(「台北車站」)の向かいに新光三越があります。そこの地下にフードコートがあったはずです。タクシーの目的地を台北駅の前にしてもらいました。

 健人にメニューを選ばせたのですが、あれこれ見て回って、「日本で食べられるようなものは食べたくないよね。でしょ。何がいいかな。」「チキンライスは?」「それって、シンガポールでしょ。」「じゃ、これ。」「それは、タイ料理!」「健人、マックがある。」「だめ。」「オムライスの店もあるわよ。」「日本にもある。」「ケンタッキーもあるわよ。」「しばらく、脂っこいものはだめなんでしょ。」確かにお医者さんにそう言われました。「お父さんはラーメンがいいな。」「ぼく、いらない。」

 そんなことを話しているうちにお店巡りは2周めに入ります。いつまで経っても決まりません。「どんどん遅くなるから、お母さんが決めるからね。」 夫は「富士鉄板で、お肉もいいな。ちょっと高いけど。」とふざけ始めます。食べ物にこだわりのない夫は何でもいいのです。2人を座席に座らせて適当に買ってきました。

 新光三越から国光客運の「台北西站」までは徒歩数分です。前日に国光客運のサイトで「基隆」行きのバスが出るのは「台北東站」から「台北西站」に変更になっているのを確認していました。最新の情報の入手には、パソコンが手放せません。私のホテル選びの条件の一つに「インターネットができること、できれば無料で」ということはしっかりと入っています。



 基隆行きのバスは1時間に数本と頻発していて、出発時刻を気にする必要はありません。基隆までの所要時間も40~50分程度と午後からでも十分に日帰りできます。料金は大人で(「全票」)55元、往復切符(「来回票」)を買うと100元です。300円程度で、行って帰ってこられるのです。宿泊ホテルから台北駅まで85元かかりましたから、それよりもわずかにかかる程度です。

 「台北西站」の重慶北路に面した乗り場から13時50分に出発したバスは、道路が混雑する時間帯でないのか、スイスイと走り続けます。その心地よさにまた眠気に誘われウトウトとしてしまいました。乗り物好きの健人と夫は一番前の座席に陣取り、カメラを構えています。興奮していて何かを話し合っている2人を前に見ながら、私は夢の世界に、、、

 「え、もう着くの。」(夫)「そうだよ、もうキールンだよ。」(健人)。2人の声で夢の世界から引き戻されました。14時20分頃。なんと30分ほどで着いてしまいました。目を開けると、目の前に港が広がっています。降車場が港のすぐ脇です。バスを降りるとそこがすぐ港です。沖縄に旅行したときに、夫が「沖縄から台湾に行くのも面白いね。基隆という港町に着くんだよ。」と言ったのを思い出しました。





 基隆観光、まずは 基隆市仁三路90号にある、パイナップルケーキ(「鳳梨酥」)の老舗「李鵠餅店」です。基隆は鳳梨酥発祥の地で、ここ「李鵠餅店(リーホウ・ケーキ・ストア、Lee Hou Cake Store)」は、台北には支店がないそうで、台北からわざわざ買いに来る人もいるのだそう。「李製餅家」という店も基隆にはあり(台北にも支店がある)、こちらの方はさっぱりとした味で日本人好みなのだそうですが、台湾人には圧倒的に李鵠餅店のものが好まれているらしいので、いくつか買うことにしました。



 つぎは、愛三路と仁三路の交差点付近にひろがる常設の屋台街である「基隆廟口夜市」です。日没してからが盛況を迎える夜市ですが、昼頃から店は開いているのだそうです。開漳聖王を祀る「奠濟宮」を中心にしたそう大きくない屋台街でした。健人は基隆発祥の、泡のようなふわふわしたカキ氷である「泡泡冰 (パオパオビン)」を食べたいと言い出します。でも、かわいそうだとは思うのですが、病み上がりの身にはリスクがあるので、屋台のカキ氷は遠慮してもらうことにしました。





 台北と比べて、蒸し暑かった基隆で、カキ氷を食べたい気持ちもわかるので、さきほど目に留めておいた夜市の入り口付近にあった「鮮芋仙」でカキ氷を食べることにしました。この店は台北にもあちこちにあり、前回の台湾旅行で夫が「入ってみたいね。」と言っていたお店でした。夫にそのことを言うと、「そんなことを言ったかな。だいたいロゴにすら記憶がないね。」との返事。無責任男の夫は、自分の言ったことを覚えていません。



 私が栄養士の資格をとるために短大に行くという進路を決めたのも、当時近所に住んでいた夫の「これからは、資格の時代だから、ただ大学に行くというよりは資格の取得を目指した方がいいよ。」という言葉でした。それを言うと、「そんなことをアドバイスしたかな。覚えていないな。」だって。自分の言葉に無責任な男には、私の夫になるという試練を与えてやってます。

 「鮮芋仙」のカキ氷は実にいろいろな種類があって、どんぶりに盛られて出てきます。これがそれほど甘くなくておいしい。普段、冷たいものは胃にトラブルを起こすといって口にしない夫ですが、気に入って、私たちの残したのも平らげてしまいました。知らないよ、あとでお腹の調子が悪いと言い出しても、、、



 「鮮芋仙」は正しくはカキ氷のお店ではなく、豆花(豆腐のデザート)や芋圓(イモでできたお餅)などの台湾の伝統的なスイーツを食べさせるお店。それが「熱」ではなく、「冷」を注文すると、カキ氷の上に乗って出てくるのです。日本の小豆より甘さ控えめの「紅豆」、ハスの実の「蓮子」、プチプチ食感の「珍珠」もおいしい。夫が気に入るのも十分理解できます。

 健人のカキ氷が食べたいという要望をかなえて、「夜市」に戻ります。お店の数は少ないが、まともな料理が並んでいます。私がさっき歩いたときに食べてみたいと思ったのは、店舗番号5番の「呉記」の「蟹のみぞれあんスープ」。早速「おこわ」(油飯)と一緒に注文していただきました。



 「蟹のみぞれあんスープ」は、50元で、海藻らしいもの(黒い糸のよう)、いか(?)、しいたけ、たけのこの千切り、かに(申し訳程度、健人に食べられてしまったよう)が入っていて、あっさりしたしょうゆ味のスープで、油を多く使う台湾料理に抵抗のある日本人の私たちにもなじむ味です。「みぞれ」というのは、日本では大根おろしをさすのですが、それは入ってはいず、台湾では片栗粉のとろみをいうのかも知れません。



 基隆は漁港ですから、海鮮料理が有名です。他の夜市では、食べられない「旗魚焿」を買い求めてみました。「旗魚焿」は、かじきまぐろの身を何かのすりみに混ぜて込んだものが入っているスープです。ホテルでの夕食にするつもりで、持ち帰りにしました。これもくどくなく食べやすかったのですが、多分かじきの臭みを消すためににんにくが入っていました。健人は、にんにくが効きすぎと言って、一口だけで食べるのを止め、夫も冷たい物の食べすぎでダウンしてたので、結局私がほとんど食べることになりました。おいしかったのですが、仕事、仕事の毎日で痩せたのにまた太ってしまいそう。あ~あ。

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