出 演 |
松たか子、石丸幹二、りょう、荻野目慶子、大森博史、真那胡敬二、 小西康久、酒向芳、内田紳一郎、片岡正二郎、目黒陽介、小春、 つのだたかし、飯塚直子、片岡亀蔵、串田和美、笹野高史 |
作:W.シェイクスピア 翻訳:松岡和子 潤色/演出/美術/衣装:串田和美
ストーリー:
双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラ(松さん2役)は、船旅のさなか嵐に遭遇し遭難した。奇跡的に助かったヴァイオラは、男装してシザーリオと名を変え、その土地の領主オーシーノ公爵(石丸)に仕えることに。いつしかヴァイオラは公爵に恋してしまうが、公爵は伯爵令嬢のオリヴィア(りょう)を愛していた。が、オリヴィアは男装のヴァイオラを女性とは知らずに恋してしまう。一方ヴァイオラと離れ離れになったセバスチャンはアントーニオに救われ、偶然イリリアの地を踏む。男装したヴァイオラとセバスチャンは見分けがつかず。。。。
以下ネタバレあります
「潮風の中で朽ちた、祭用仮設舞台」における海原の恋物語、難破船の記憶~ということで、原作では19末世紀イタリアですが、この舞台ではイリリアという国。青い空に砂浜、座礁したらしい難破船。そのまわりを楽器を持った人々が結婚式とも葬列ともわからないパレードをしています。砂浜には「潮風の中で朽ちた、祭用仮設舞台」があり、そこを中心にヴァイオラ→オーシーノ→オリヴィア→シザーリオ(ヴァイオラ)という片想いのぐるぐるまきの物語がくりひろげられます。片想いと勘違い、人違いに思い違いにちょっとした悪戯などなどでひっちゃかめっちゃかドタバタ喜劇。でもシェイクスピアらしいウィットやちょっとした皮肉もピリっと効いています。
このイメージはどこかで・・・そうだ、ガブリエル ガルシア・マルケスの「エレンディラ」のあの南米のイメージです。イタリアのはずなのに何故?と思いきや、この作品のほとんどは串田和美さんのイメージの世界だそうで、ゆえに「潤色」となっているらしいです。
すごく楽しい作品です。松さんは本当に可愛らしいし、りょうさんは美しい石丸さんはかっこいい!こんなに「大人の男」を感じさせる石丸さんは初めてかも。サックスを抱えた吟遊詩人の後は、なんと入浴する公爵!眼福かもサックスを吹きまくり、ハープ片手に歌いあげ、深紅のバラを掲げて微笑む石丸さんに、もうハート持っていかれました!あの笑顔、あの美声!四季退団後、いろんな作品に立て続けにご出演(もうすぐこまつ座「日本人のへそ」にも!)ですが、こんなに魅力爆発で楽しそうな石丸さんは「オペラ座の怪人」ラウル以来かも。ちょっと我を忘れるウキウキモードに入ってしまいました
そして、笹野高史さんの狂言回しのような「老道化」が本当に素晴らしいです。自由劇場からずっと串田さんと組んでいらっしゃるせいか、その世界観をよくわかっていらっしゃるんでしょうね。上海バンスキングも観ておけばよかったな~!
シザーリオ(実はヴァイオラ)とセバスチャンは双子の兄妹で松さん二役ですが、最後にふたりが再会を喜び合う場面もあります。松さん、すごいです。ちゃんとふたりに見えるもの。最初から最後まで、本当に楽しい作品でした。音楽やジャグリングなどもとっても素敵で楽しく効果的。美術もとても心惹かれました。後ろの席に業界っぽい人たちがいましたが、「すごい。Well madeでしたね。」と言い合っていました。私も同感。新年初観劇がこの作品で本当に良かったです。
上演時間は2時間50分。休憩は15分。プログラムには「十二夜」をイメージしたいろんな方のイラストが満載です。物販では、小さなスケッチブックが素敵でした。もう一回行きたいな~上手前方は結構おいしいです。
楽しむポイントがたくさんありそうで、観てみたくなります。
舞台ではひとり二役って結構あります。ミュージカル・ジキル&ハイドでは、鹿賀丈史さんがひとりでジキルとハイドの真っ向対決を歌い分けます。
役者の力と観客の想像力がすごい化学変化をおこして、見えないはずのものが見えてくる。だから観劇はやめられません。
ブログを読んでますます楽しみになりました。
今年もよろしくお願いします。
どこかで、知らない間にすれ違っているかもしれませんね(笑)
こちらこそよろしくお願いいたします
私ももう一度いけることになりましたしかも志の輔パルコとマチソワなんで、その日はおにぎりくわえて渋谷の町をひた走ります