音楽・詞・脚本・オーケストレーション:デイブ・マロイ
訳詞・演出:小林 香
原作:レフ・トルストイ(「戦争と平和」より)
出演
ピエール:井上芳雄
ナターシャ:生田絵梨花
エレン:霧矢大夢
アナトール:小西遼生
ソーニャ:松原凜子
ドロホフ:水田航生
マリア:はいだしょうこ
バラガ:メイリー・ムー
マーリャ D.:原田 薫
アンドレイ/ボルコンスキー老公爵:武田真治
亜久里夏代 会田桃子 木暮真一郎 森山大輔 村松ハンナ 大嶺巧
大月さゆ 酒井翔子 菅谷真理恵 武田桃子 塚本直 山田元 山野靖博
【あらすじ】
19世紀初頭、モスクワ。貴族の私生児として生まれたピエールは、莫大な財産を相続したが愛のない結婚をし、その人生にどこか虚しさを抱えながら、酒と思索に耽る毎日を送っていた。ピエールと親交のある、若く美しい伯爵令嬢ナターシャは、婚約者のアンドレイが戦争に従軍し寂しさを募らせていた。そんなある日、美しく魅力的な男アナトールと出会ったナターシャ。その誘惑に抗えず遂には駆落ちを計画する。だがそれは失敗に終わり、アンドレイとの婚約も解消されてしまう。
一方、ピエールは妻エレンの不倫を知り、不倫相手のドロホフに決闘を申し込む。かろうじて勝利するものの、意味の無い命を賭けた闘いに、ますます鬱屈した気持ちを募らせていく。
虚しく生きる男と全てを失った少女、2人の運命はやがて重なり―。
早速行ってきました。グレート・コメット いやー、評判はもれ聞こえてきていましたが、「100分de名著」などで予習したかぎりではほんと果てしない物語ですが、この作品は「戦争と平和」全4巻中の第2巻、1806年からナポレオンがロシアに侵攻する直前の1812年まで描かれています。なので、お話は案外シンプルだと思って大丈夫です。
ま~ものすごいのは劇場。プレイハウスがあんなになるなんて!もう、劇場内に足を踏み入れただけでちょっとわくわくしちゃうキラキラ感です今回私は普通の席でしたが、ステージ上に設置されたコメットシートには、テーブルや飾り物もろいろあり、そこの方々は着席前に厳重なお荷物チェックがあります。金属探知機のような物も使っていましたよ
役者さんたちは、いつものようなフラットな舞台ではなく、渡り廊下のようになった場所や大階段で演じたり踊ったりします。開演前には役者さんたちが客席をあおったり、エッグシェイカーやピロシキを配ったりしています。このあたりからもうわくわく感MAX
お芝居は99%歌で構成されていますが、冒頭に歌われる曲で、この物語の登場人物の人となりが全て語られます。「入口で配られる人物相関図を頭に入れて!」という師匠のアドバイスもあったので、そこはしっかり。
今回、井上ピエールは日ごろの華やかさを捨て、地味に演じていますが、もう、歌い出すと圧巻!心を揺さぶられます 華やか担当はアナトール小西遼生さんとピエールの妻エレン、霧矢大夢さん。アナトールは本当に女殺しのイケメンチャラ男そのもの。でも、ナターシャへの愛は結構本気モードな感じもしました。エレンがド派手な分、ナターシャの清らかな感じが強調され、今回の生田さんすごく頑張っていました。駆け落ちに失敗し、絶望し立ち尽くすナターシャは本当に時が止まったような空虚さが感じられました。一幕は正直もう、どこ見たらよいかわからないくらいあちこちでいろいろなことが起きて追うのに精一杯でしたが、20分の休憩をはさんで二幕は、こちらも事態が飲み込めてきたせいか、ピエールやナターシャの親友ソーニャのソロが心にしみました。そしてナターシャとピエールの心の回復・再生を象徴する大きな彗星が輝くラストは本当に美しかったです
世の中の小娘の皆さん 美しいだけのろくでもないチャラ男にひかかってはいけませんよ!ナターシャみたいに痛い目に合います!そして、小娘のみなさんを心から心配する同性の意見はきちんと聞きましょう。最後の味方は同性ですよ!
通路脇の席の方はキャストにお手紙もらえたり場所によってはお隣の空席にキャストが座ったりと、お楽しみいっぱいです。コメットシートの方々はボルコンスキー伯爵にナンパされそうになったり、イケメンアナトールが差し伸べた手にキスしてくれたりもします。ピエールもお客さんの隣に座って話しかけてました
さて、来週はそのコメットシートに座ります。また違った風景が見えるかも。
おなかすいたのでロシア名物ピロシキ買いましたわりと普通のお味です
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