柳家喬之進「替り目」
柳家さん喬「そば清」
柳家喬太郎「錦の袈裟」
~仲入り~
柳家喬太郎「夜の慣用句」
柳家さん喬「中村仲蔵」(お囃子:恩田えり)
夏の圓朝まつりで一目ぼれしたさん喬さんと、大好きな喬太郎さんの親子会。
会場で配られたパンフでは、一席目は喬太郎さんになっていましたが、前座の後に登場したのはさん喬師匠。
喬太郎さんは他の仕事の後にかけつけたので交代したとのことでしたが、本当に急遽だったらしく、階段を駆けあがってきたらしいさん喬さんの息があがっていました。
さん喬さん「そば清」は、かなりシュールなお話ながら、ソフトで品の良い語り口で、しかも「赤い草」を食べた大食いの清さんが何故「そばが着物を着た姿」になってしまったのかがくっきり分かる構成でした。いいですか、アルマイトの弁当箱に梅干しを入れると金属であるアルマイトは溶けてぼこっとへこむのに、ご飯は溶けないでしょう。いいですか、ここのところをよく覚えていてくださいよ。」この感じ。どこかで・・・そうだ、理科の授業。「いいですか、このポイント、ここが大事ですからよく覚えていてください!」そして、噺に入るとそのポイントがくっきりと浮かび上がって合点がいく。すっごくわかりやすいです。
続く喬太郎さんは、師匠と一緒のせいか、ちょっといたずらっぽい登場。今後は学校公演が多くなり、あまり下ネタ噺はできないから今日は思いっきりいっちゃうよ~ということで錦の袈裟。長屋の若い衆で吉原に繰り出すのになんとか目立とうと、こともあろうに錦のフンドシでみんなで踊っちゃおう!というハジけた噺。しかも一枚足りなくて自分で錦を調達してこいと言われた与太郎が、お坊さんの袈裟を借りてフンドシにしちゃうという滑稽噺。こりゃ、学校じゃできないかもね~
仲入りはさんだ喬太郎さんの2席目も、「いざ!キャバクラ!」がキーワードのキャバクラ噺はじけすぎでしょう!でも、いるいる。飲み会の席で説教はじめたり「座右の銘」とか聞いてくるおじさん。
そして、トリはさん喬師匠「中村仲蔵」。この噺は志の輔さんで何度か聴いていましたが、さん喬さんの「中村仲蔵」は、仲蔵が仮名手本忠臣蔵「五段目」の斧定九郎を新演出で演じるにあたって裏方の方々としっかり打ち合わせをするエピソードがあったり、鳴り物がはいったり。また、さん喬さんは日舞の名取でもあるそうで、歌舞伎の所作を美しく再現されて、うっとりとその世界に入り込むことがっできました。不思議ですね。志の輔さんの定九郎とさん喬さんの定九郎。まったく違う役者に見えました。もちろん、どちらも本当に素晴らしいです。
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