こまつ座の評伝劇。蟹工船で最近また注目されている「小林多喜二」をプリンス・井上芳雄くんが演じるということで、恐ろしさ半分興味半分で出かけて行きました。
・・・が、「虐殺」というおどろおどろしい感じは前面に出さず、多喜二のまっすぐな生き方と彼をとりまく温かい人々との心のやりとりが丁寧に描かれていました。
芳雄くんはソロが何曲もあり、前半の心情吐露のあたりは「モーツアルト!」を思わせるような場面もありでしたが、この作品で「ミュージカル界のプリンス」から「舞台俳優」として、大きく飛躍したと思います。
残虐で悲惨なはずの最期は、軽やかにまるで踊るように逝くイメージで締めくくられました。変装シーンなどで笑いがおきる場面もあり(必見!)「むずかしいことはやさしく。やさしいことは深く。深いことは愉快に」という井上ひさしさんの言葉そのものの作品でした。
カーテンコール。井上くんも、多喜二を最期までささえた同志の神野美鈴さんも泣いていたのがなお印象的でした。
pippiさんのブログを読んで、行けばよかった~~と後悔。時すでに遅し・・・・でした・・。
暗い時代に正しいことに向かってまっしぐらに走ったひとたちがいたこと、忘れてはいけないなあと思わされました。
「特高のひとたちの思い」という切り口も新鮮でした。みんな苦しい時代だったんだなあと。
こまつ座ファン、芳雄くんファン必見です!