クリスマスのにぎわいも終わった頃、思いもかけない訃報が届きました。
22歳。希望に満ちているはずの青年がひとり、亡くなりました。病気でも事故でもなく。
何があったのかはもはやわかりません。ご両親のお気持ちを考えればそっとご冥福をお祈りするよりほかありません。
私が彼とかかわったのは、彼がまだ低学年の頃でした。小柄でシャイで目立たず、自己主張の少ない子だったけれど、妹思いのとても優しい男の子でした。サッカーが好きだったなあ。。。お通夜には、その頃のお写真も飾られていたそうです。何気なく交わした言葉や、ふとしたしぐさが思い出されます。
訃報が届いた日、あの頃の彼と同じ年頃の子どもたちが無邪気に笑いながら戯れているのを見て、涙が止まらなくなってしまいました。辛いことはいっぱいあるけれど、過ぎていく時間や周りの人々や癒してくれる動物や小説や自分の心の持ち方で、いつかやり過ごすことができるということに気づくには、彼にはもう少し時間が必要だったのかもしれません。「大丈夫だよ、怖くないよ。生きていくのは大変だけど、辛いことはいつか頭の上を過ぎていくよ。」と言ってあげたかったです。
若い人の死は本当につらいです。今は何にもとらわれず、大空を旅しているのでしょう。
そう考えるだけでも胸がしめつけられます。
「大丈夫だよ。いつか通り過ぎるからね。」と
言ってあげたかったね。
pippiちゃん、きっとその思いは空の上の彼に届いているよ、きっと。
その頃、今の私くらいの方が「pippiさん、自分の力ではどうしようもないほどの困難が降りかかってきた時はね、石になるのよ。石になってじ~っと過ぎ去るのを待つの。そうするとね、『困難』はいつか頭の上をす~っと過ぎていくから。」と言われたことがありました。
まだ20代だった私はその意味がわからず、なんて消極的な考え方なんだろう、自分に向かってくる敵と戦わないなんてことがあるんだろうかと半分あきれて聞き流したことがありました。
でも、年を重ねた今は、無防備に闘って力つきて倒れるよりもじっと力を蓄えて乗り越える時を待つことも大事なのかもしれないと思うようになりました。「年をとった」ということなのかな。でも、老いさらばえてもブザマでも、生きて生きて生き抜いて、いつか笑って逝きたいと、今は思います。