pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

柳家喬太郎独演会@東京芸術劇場中ホール2階最前列センター

2010-03-15 23:21:03 | 落語・講談

今夜は喬太郎さん。歌舞伎チャンネルの録画があったようで、ノリノリの独演会でした。

開口一番は柳亭市也さんの「牛ほめ」。
この広いホールでは、ちょっと心細そうな感じ。2階からは舞台全部を見下ろす形なので、広い中ホールの舞台にひとりぽつんと座っているように見えてしまいました。

ところが、やはりオーラの違いでしょうか。喬太郎さんが登場すると、途端に舞台と客席が一体化して、今度はさきほどのガランとした感じが全くなくなってしまいました。

今日やっと確定申告をすませてきたという喬太郎さんの1席目はなんと「死神」。
この噺は志の輔さんのCDで何度も聴いてすっかり頭に入っていましたが、最後に明るいところへ逃れてうっかり自分の命のロウソクを吹き消してしまう志の輔さんの結末と違い、喬太郎さんは最後に死神が用意した長いロウソクに消えそうな自分のロウソクの火を移すことができず、その小さな炎がゆらゆらゆらめきながらすっと消えて、喬太郎さん自身もぱたっと伏せてしまうという〆です。「ほらほらほら、。。。消えた」う~ん。。。甲乙つけがたいですが、どちらもその光景がくっきり浮かんできます。そして、喬太郎さんが最後に救った大店のご主人は、なんと「文七元結」に出てくる近江屋右兵衛さんなんですね。「旦那の命を3ヶ月延ばしてくれたら千両差し上げます」と懇願するのはなんとおひさちゃんと結婚したばかりの文七さんなんです。
それにしても、喬太郎さんの死神はこわかった~。。普段がライトで明るい声なだけに、死神の低くくぐもった声が本当にこわい。一時間近い長講でした。

10分の仲入り後は滝川鯉橋さん「粗忽の釘」。これは予定になかったのですが、「死神」が長すぎたので喬太郎さんが休憩をとるために急遽頼まれたと言っていました。なんとこの方は喬太郎さんのご親戚だそうです。Ipodの「お台場寄席」かなにかで鯉橋さんの落語を聴いたことがありましたが、なかなか歯切れのよい聴きやすい落語家さんです。

再び登場の喬太郎さんは、「長くて暗い『死神』でしたね~『こんなの、普通トリでやんねえ?』という同じ気持ちで客席が一体感につつまれてましたね~」と。
そんな重い噺の後は、ライトに落研ネタの「すみれ荘」。華やかな80年代に、まさか彼氏が落研て、言えないですよね。。。。と、長い長いマクラの後は、同棲中の女子大生が、彼が落研ではないかと疑って、ひそかに故郷でお見合いするという新作。この見合いの相手が破壊的な面白さ。その彼が作った歌を喬太郎さんがそれはそれは楽しそうに歌いまくってもう誰も止められません!って感じで、喬太郎ワールドにどっぷりでした。

古典も新作も自分の世界に塗り替えてしまう力は本当にすごいです。隣に座っていた女子高生にも大うけでした。

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