脚本:アイヴァン・メンチェル
作曲:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィー
オリジナル編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子
出演
マタ・ハリ:愛希れいか
ラドゥー:田代万里生
アルマン:東啓介
アンナ:春風ひとみ
ヴォン・ビッシング:宮尾俊太郎
鍛治直人 工藤広夢 飯野めぐみ
石井雅登 伊藤広祥 上條駿 竪山隼太 中川賢 中本雅俊 森山大輔
彩橋みゆ 石井千賀 石毛美帆 桜雪陽子 Sarry 鷹野梨恵子 原田真絢
あらすじ
1917年、第一次世界大戦の暗雲たれこめるヨーロッパ。
オリエンタルな魅力と力強く美しいダンスで、パリ市民の心をとらえて放さないダンサーがいた。名は、マタ・ハリ。
彼女の人気はヨーロッパ中におよび、戦時下であっても国境を越えて活動する自由を手にしていた。
その稀有な存在に目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、彼女にフランスのスパイとなることを要求する。もし断れば、人生を賭けて隠してきた秘密を暴くことになる、そう、ほのめかしながら……。自らの過去に戻ることを恐れ、怯えるマタ。
同じ頃、彼女は、偶然の出来事から運命の恋人に出会う。戦闘パイロットのアルマンは、彼女の孤独な心を揺らし、二人は、ともに美しい夜明けのパリを眺め、人生を語りあう。
一方ラドゥーの執拗な要求は続き、一度だけスパイをつとめる決心をしたマタ。彼女の世話を続けてきた衣裳係アンナの祈りの中、公演旅行でベルリンへ向かい、ドイツ将校ヴォン・ビッシング宅で、任務を無事遂行する。しかし、謀略はすでにマタ・ハリの想像を超えて進み、アルマンへの愛に目覚めた彼女の運命を、大きく歪めようとしていた…。
初演は未見ですが、タンスがすごいですよ!という評判を聞いてチケットGET✨
マタ・ハリ=実在の女スパイ ということくらいしか予備知識がなかったのですが、ようやくどんな人物なのかわかりました。
オープニングのアンサンブルの厚みのある重唱はちょっとジキル&ハイドの「嘘の仮面」みたい。。と思ったら、これもジキル&ハイドと同じワイルドホーン氏の曲だったんですね。所々にジキル&ハイドを思わせる場面がありました。
ジキル&ハイドでは貧しい市民、この作品では戦争で苦しむ兵士や残された家族。
主役マタ・ハリはWキャストですが、今回は愛希れいかさん。女性でもうっとりのプロポーションきらびやかでエロティックな衣装がお似合い。歌い上げる曲も多く、細い体のどこに?と思うほどパワフルな歌声でした。
ふとしたことから恋に落ちるアルマンは、刀剣乱舞などで活躍中の東啓介さん。でかい!なんと190cm超えらしく、ほかのキャストが小さく見えます
ラドゥーの上司、政府の役人は鍛治直人さん。この方がいることで芝居部分がぐっとひきしまるのはさすがです。
そしてお目当ての宮尾俊太郎さんは、もう王子ではなくガッチリと貫禄のドイツの高等将校動きのひとつひとつが優美。二幕初めのダンスの美しいことといったら。彼の謀略により、マタ・ハリは過酷な最期を迎えることになりますが、その冷徹さにゾクリとします。
マタ・ハリをスパイとして利用するラドゥー、田代万里生くん。嫌な奴キャラですが、使命感とマタ・ハリへの熱情に苦悩する姿、歌声に圧倒されます。どんな役でも品性を失わないのはさすが。
マタ・ハリ本人は高級娼婦でもあり、やっとみつけたと思った純粋な恋さえも仕組まれたものだったと思うと、最後は本当の恋に変わったとはいえ やっぱり哀れでなりません
華やかに見えてものすごく悲惨だった人生、最期の瞬間に青い光に包まれたマタ・ハリの表情。やっと本当の自由を得た喜びにあふれているように思えました
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