地球散歩

地球は広いようで狭い。言葉は違うようで似ている。人生は長いようで短い。一度しかない人生面白おかしく歩いてしまおう。

2008-09-30 09:43:07 | ギリシャ語

Φεγγαλη(フェガーリ)

 ギリシャで見る月の風景、パルテノン神殿と月という組み合わせが美しい。夜の闇の中で月明かりに照らされて静かに白く輝いている。高層ビルのないアテネの街では、多くの場所で小高い丘の上にそびえる神殿を遠望することができるし、近くを散歩すれば間近に月と神殿を楽しむという贅沢な時間が待っている。

 神話に登場する月の女神が幾人かいる中で、「12神」の一人として物語によく登場するのがアルテミス(写真)だ。ローマ名はディアナで、英語名がダイアナ。特に後者は不慮の死を遂げた英国元王妃によって有名な名前になっているが、ギリシャ神話のアルテミスであることを知っている人は少ないかもしれない。

 女神は双子としてエーゲ海のディロス島に生まれた。もう一人は太陽神であり、音楽や芸術の守り神、ギリシャ神話きっての美男であるアポロン。光り輝くといわれた島で生誕した二人は昼と夜に輝くシンボルの神格化である。アルテミスは野山を駆け回る狩猟の女神。弓矢を持ち、犬や鹿を供に連れている姿であらわされることが多い。父であるゼウスに永遠の乙女であることを誓って、頑なに純潔を守り通す強さを持っている。

 しかしその強さは、時に女神の水浴びに出くわした青年を鹿に変えて自分の猟犬に噛み殺されるという運命を与え、またゼウスの子供を授かってしまった侍女を冷たく突き放して追放。侍女はその後、ゼウスの妻ヘラの嫉妬により熊の姿になり、成長した自分の息子の槍で命を落とす悲運が待っている。また女神を慕ったオリオンはアポロンの計略によりアルテミス自身の矢に倒れるという悲劇もあった。

 それぞれの悲しい結末は、ゼウスによって夜の大空に引き上げられ子犬座、大熊・小熊座(侍女とその息子)、オリオン座など夜空を彩る星となった。秋の夜長に月を愛で、星を仰ぎ、ギリシャの神話の世界を訪ねてみてはいかが?(さ)

 いつもありがとう!Ευχαριστω! 大熊座は北斗七星、小熊座は北極星を含む星。星座を探した後は星の数ほどのクリックよろしくね!人気blogランキングへ

 

 



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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (izumimirun)
2008-10-02 06:05:24
はじめまして!
コメントいただいてとても嬉しかったです。
ご縁に感謝! です。

素敵なブログ♪
異国の空気に触れることができて嬉しいです。
これからもちょくちょくお邪魔させてくださいね。どうぞよろしくお願いします!
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Unknown (タヌ子)
2008-10-02 08:06:25
『フェガーリ』という響きが好きです。
何故かふわっと宙に浮きそうな響き。
アクロポリスの上空に見える月は本当に感動しますね。
古代の人も同じ情景を見ていたのだな・・・と思うと尚更です。
ギリシャ神話の人間関係が複雑すぎて、なかなか覚えられません。
星座と関連付けて覚えれば良かったのかも知れません。
『月』は大抵どこの国でも女性名詞なのに、ギリシャ語は中性名詞なのが不思議ですね。
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izumimirunさん (さらさ)
2008-10-02 14:25:15
ご多忙の中、早速おいでいただきありがとうございます。

このブログは3人で運営、ギリシャ、エジプト、イランとそれぞれがよく知っている国を中心に同じテーマの記事を綴っています。私は以前、ギリシャに住んでいたのでギリシャ語担当なんですよ。是非、また遊びにいらしてくださいね。
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タヌ子さん (さらさ)
2008-10-02 14:35:03
フェガーリという響き、いいですよね。
よくラジオから流れてくる流行歌にも、時々フェガーリという言葉が出てくるのが耳にとまりました。
確かに女性名詞ではないのが不思議です。
フィロパポスの丘から眺めるアクロポリスが好きで、昼も夜も眺めにいったものです。本当に美しいし、悠久の時を感じますね。
神話はギリシャに行く前にも読んでいたのですが、やはりなかなか頭に入らなくて・・。実際に住んで遺跡を訪ねたり、彫刻を見たり、看板になっている神様の名前を読んだり・・と生活の中でだいぶ理解した気がします。星座で覚えるのもいいですね。
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永遠のテーマ (hyblaheraia)
2008-10-03 05:44:52
ギリシア神話の登場人物は、嫉妬や恨みに狂い、過ちを犯し、心の弱さを持ち、そこはかと無い悲しみを背負っている感じがして、一人のエピソードを読むと、関係する人物を次々に読んでしまいます。
でも人物同士の関係が複雑で、なかなか覚えられません。永遠のテーマです!
我が家のテラスから今、ペルセウスと御車座とおうし座とすばるがとてもきれいに見えています。
月のテーマのリクエストにお応えくださりありがとうございます!!Mitraさんと碧さんの記事も楽しみにしています!!
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To Feggari (hiromaki)
2008-10-03 10:18:41
さらささん、お久しぶりです!お元気ですか?この言葉を見ると、To Feggari~Kanei Bolta~♪という歌が頭に流れます。相方と出会った頃に教えてもらった歌です。秋の、月夜の夜に散歩するのも、一興ですね♪

P.S.ミクシに娘のアルバム作ってあるので、もしよかったら、時間のあるときに見てみてください♪(パスワード送りましたが、届いてますか?)
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アテネの月 (yuu)
2008-10-03 15:29:47
初めてアテネに着いた日の夜のことを思い出します^^ホテルに着いたらまず窓を開け、夜空に輝く月と、遠くに見えるパルテノンを眺め、信じられない、やっと来たんだと感動し…旅の疲れなんか吹き飛び、いつまでも眺めていました。同じ月を、日本からではなくアテネから眺めていることが、不思議で、嬉しくて…今でも私の中の特別な記憶です♪思い出させてくれてありがとう~☆
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hyblaheraiaさん (さらさ)
2008-10-03 16:01:17
おいでいただき、ありがとうございます!
月や星といえば、やはりギリシャ神話を語らずにはいられません。でも、人間関係が複雑ですよね。
タヌ子さんのお返事に書いたようにギリシャ滞在中は生活の中で、様々な場所で神話を感じる機会が多く、その都度、本を読んでみることで随分と理解できたような気がします。それでも、まだまだ。私にとっても永遠のテーマです。人間のあらゆる感情や運命を考えさせられますよね。
ラグーザの夜空に見える星はさぞかし美しいことと思います。いつか、テラスで一緒に眺めていろいろお話したいですね!
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hiromakiさん (さらさ)
2008-10-03 16:06:41
お久しぶりです!
そうそう、月という言葉は歌にもよく使われますよね。私の拙いギリシャ語耳にも歌詞のフェガーリという言葉が聞き取れて嬉しかったりします。
フェガーリとボルタですか!いかにもギリシャという感じです。そしてhiromakiさんにとっては相方さんとの出会いを思い出させるものなのですね~。

先ほど、メール送りました。アルバムを拝見するのを楽しみにしていますね!
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yuuさん (さらさ)
2008-10-03 16:14:59
わぁー、ホテルの窓からパルテノンと月を眺めることが出来たのですね!まさに今、アテネにいるんだ・・と実感できる風景。それが夜景であり、また月も出ていたなんて・・長旅の疲れ(本当に遠いですよね)も忘れるし本当にいつまでも眺めていたくなりますね。
私もパルテノンを見た時に、ギリシャに来たんだ・・アテネにいるんだ・・と感激した記憶があります。私の中でも特別な大事な思い出です!
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