نَهْر(ナハル)
ドバイ・クリーク沿いを歩くのはとても楽しい。世界中から集まってきたコンテナの脇を歩く時は、隙を突いてコンテナにもぐりこめないかと、挙動不審になったり、布地市場周辺では、きらめく反物に見とれ、服に仕立てるか、ファブリックにするかバックになるかなど、隣の店に行くまでに時間がかかる。
と、こんな人は私だけか…
ふと、運河に目をやると、あふれんばかりの人を乗せた水上バスが行きかっている。観光客がカメラで写真を撮るレンズが、反射してきらめく一艘…
早く降りたくて、対岸に着くのをうずうずしている商人が沢山乗っている一艘…
どちらもが混在している舟、女学生でわいわいしている舟…舟も新旧いろいろ。この舟はちょっと…と思えば待っていれば良い。
ドバイと言えば、買い物天国と高くてピカピカのビルディング。世界のお金持ちが集まってくるところというイメージである。
そんなまぼろしのような世界よりも、私にはこの川沿いを散歩する方が心落ち着く。
人々の息遣いが聞こえる。市場ではイラン産のスパイスを勧められて、懐かしいペルシャを思い出す。
河は、世界を、時をつなぐと言う。
ドバイではそれを強く感じる。[a]
悠久の流れ…ドバイ・クリーク…クリック