ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

9月12日

2010年09月12日 | Weblog


誰も気にしてないと思うが、ガムシ(推定ヒメガムシ)の幼虫は(7月30日の記事)、結局成虫になることなく土の中で消えてしまったようだ。あまりに遅いので、土を掘り起こしてみたのだが、その姿はすでになく、土と同化してしまったと考えるしかなかった。もう少し土の部分を多くするべきだったか、多分水気が多すぎたのだろう、とやや後悔。楽しみにしていたのに残念な結果となってしまった。

このところ、朝晩は確実に涼しくなっているのだが、日中の暑さは相変わらずだ。こんな時は、映画もあまり見る気にならない。試しにこの前、ニヶ月ぶりくらいにレンタル屋へ行ったのだが、借りたいものが見つからず、30分以上うろうろして結局手ぶらで出てきた。100円特価にも関わらずだ。見る気がイマイチ、借りたいものが見つからないでは、こういう結果になるのもむべなるかな。特に日本映画は、と言いたいところだが、実際日本映画だけが地盤沈下しているのか、それとも映画全体なのか、或いはこちらに原因があるのか、なんとも言えないが、取り敢えずテレビ等で宣伝している「踊る...」とか「海猿」とかは映画の体を成してないと思う。あと「ハナミズキ」も。テレビドラマで充分なものを映画にする必要があるのか、と見てもいないし、この先見ることもない人間が断言する。

しかし、この家(写真)、屋根が多すぎでは。城に近づきたい気持ちは分かるが。

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不思議な客

2010年09月11日 | Weblog


先日、松本の「クチーナにし村」に行った時の話。カウンターに40代と思しき男性と、70前後という男性の二人組の客が入ってきた。まずこの組み合わせが、この手の店では珍しい。東京であればそんなこともないだろうが、地方では、年寄りはあまりイタリアンなどに行かないし、この年代の男二人という組み合わせはかなり珍しいのだ。入ってくると迷わず座ったところを見ると、初めてではないかも知れない。そして本当に不思議だったのはこの後の二人の態度だった。

まず、注文はする、そこまではいいが問題はその後だ。二人は真っ直ぐ正面を向き、一切会話することなくじっとしているだけ。異様な空間がそこに形成された。そして料理が運ばれてくると、それを(パスタランチのパンチェッタを使ったもの)ただひたすら黙々と食べ、食べ終わると音もなく立ち上がり、年配の男性の方がレジに行き支払いを済ます。店のマダムがありがとうございましたと言う、が、一切それに反応することなく店を出て行った。能か?と突っ込みたくなるような一連の動作。結局、言葉を発したのは注文するときの「パスタ二つ」という一言だけであった。

あまりに変なので、会計の時にマダムに聞いてしまった。すると意外な答えが帰ってきた。二人は親子で、よく来る常連でしかも仲が良いらしく、決して危ない(どういう意味だ)わけではないということだった。こちらは、「へえーそうなんだ」と返すしかなかった。まあ斯様に、一人で行くと暇なものだから、こんな人間ウォッチングが楽しみだったりする。ということは、いい題材を提供してくれたわけだからこの親子には感謝しないといけない。見たところ、特に父親のほうが職人っぽかったから、今度その辺のところをマダムに聞いてみよう。寡黙な職人親子、しかし好きですなあ。
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総量規制

2010年09月10日 | 生き物 自然


朝晩は大分涼しくなってきた。すでに朝、外でのTシャツ一枚は、ちょっと寒いと感じるくらいだ。それにしても、今年は長い夏だった。そのせいかどうか分からないが、ここにきてアゲハ類がいやに目に付く。年によって、特定の種類が多いというのは常にあることだが、今年はそれがアゲハ類のように感じる。その代わりに少ないのは、ツマグロヒョウモン。ということは、総量がおなじになるように、自然界では見えないメカニズムが働いて調整されているのだろうか。これも一種の総量規制。まあ、そんなことはないだろうが、ツマグロヒョウモンに関しては、まだこれからワンサカ出現する可能性もあるし、現時点で少ないとも結論付けられない。

さて、ビオトープの方だが、いつものように今年もオオシオカラトンボのヤゴ天国である。ただ、今回はヤンマ系のヤゴ(このところ顔を出さない「正確に言うとおしりを」ので、ちょっと心配)が二匹いるので去年とは大きく違うが、数から言うと圧倒的にオオシオカラトンボだ。あとは、タカネトンボのヤゴがいても不思議ではないのだが(毎年飛来する)、今のところ確認できずである。ヤゴに関しても多様性がほしい。出来れば五種類くらい。僅か、約一平方メートルの深くて10センチほどの水たまりでは、それは贅沢というものだろうか。
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無用門

2010年09月09日 | トマソン


見た限りではインパクトに欠けるが、これぞ「無用門」といった、静かな主張が感じられる。きっちりセメントで固められたその堅牢さは、存在感たっぷりである。ただこの物件は、下に残されたステップに気がつかないと、これが何だったのかは判らない。ここも何度も通過しているところなのだが(松本)、ちょっと暗い通りでもあり今まで気付かなかった。普段は全体の壁として見てしまうのだろう。ということは、同じ通りでも日にちを変え何度も歩くのは必須であるということだ。今回は、雨模様だった。天気が違うと見え方が違うということもある。つまり、同じ道でも飽きもせずに歩いてれば、何かしらに当たるということである。結局、犬も歩けば棒に当たる、なのだ。残念ながら、その当たったものが世間的に見れば価値がないということはあるが。
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イタリア旅行

2010年09月07日 | 映画


この時期の最低気温22度というのは、平年より5度ほど高いということだ。こんなのに慣らされ一気に秋に突入すると、また風邪っぴきになりそうな嫌な予感が。

ゲロゲロ少年Yが「イタリア旅行」のDVDを持ってきた。イタリア旅行と言っても本人が行ったわけではなく(海外経験なしのはず)、ロベルト.ロッセリーニの映画のことだ。今回はいつものような紀伊国屋シリーズではなく、廉価版のDVDだ。それにしても、何故「イタリア旅行」なのか。確かにロッセリーニの作品の中ではこれは評価が高いものだ。一般には(ある程度映画好きと言われる連中の中では)戦争三部作と言われる「戦火のかなた」「ドイツ零年」「ローマで夜だった」などで名高いが、うるさ型と言われる連中からはこの「イタリア旅行」が一番評判が良いような気がするのだ。しかし個人的には、イマイチその良さが分からない。

パッケージを見るとそには<世界一の大女優バーグマンの繊細に揺れ動く名演技が夫婦の微妙な心理を浮き彫りにする>とある。これでイマイチ良さが分からないと言った理由の一部が明らかとなった。まず、バーグマンが好きではないのだ。しかも、大女優の名演技というのは望んでいない。更に、夫婦の微妙な心理なら成瀬巳喜男にお任せだしと題材も興味がない。と、いろいろ分かったところで、パッケージの最後を見ると、ゴダールの「勝手にしやがれ」は「イタリア旅行」の強い影響下に生まれたと書いてあった。図らずもYが買った理由も明らかとなった。
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黄昏飛翔

2010年09月06日 | 生き物 自然


昨日などは、今年一番の暑さではないかと思うほど暑く感じた。もうそろそろ夏もいい、と流石に思うようになった。暑さを避けて山の方に移動しているアカネ類(赤とんぼ)も、どのタイミングで里に下りるか迷ってるのではないか。コオロギも、一旦鳴き始めたが(お盆の頃)、直ぐに引っ込んで暫くお休みし、ここにきて流石にしびれを切らしたらしく再び鳴き始めたが、どこか自信なさ気な鳴き方である。

が、夕方、庭にいてふと空を見上げると、何十匹というアカネ類が空に浮かんでいた。最近まとまった数を見ることがなかったので、実に久しぶりな光景であった。時にヤンマ類が混じり、これがトンボ界でいうところの黄昏飛翔(ある種類のヤンマはこの時間帯だけ活動する)というものかと、生まれて初めて確認もした。昔はそれこそヤンマ類だけで何百匹の世界だったようであるが、今は見られるだけでもラッキーと思わないといけない。そう言えば昨日は、トンボの黄昏飛翔ではないが、葦原地帯のねぐらに帰るツバメの集団飛翔にも遭遇した。こちらは何千匹という世界である。
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特製シェーブル

2010年09月05日 | 食べ物


前に購入したシェーブル「セル.シュール.シェール」はとうになくなってしまい、直ぐ新たにと行きたいところだが実際はそうならない。何故かというと、このシェーブルというチーは結構高いからだ。100gあたり1000円は今や普通である。100グラムなんてほんの僅かである。そうやって考えると、チーズは結構な高級品である。

と、そんなところに思わぬ僥倖が。フランスはローヌ地方の、シェーブル生産家から直接購入したものをおみやげとして貰ったのだ。そのシェーブルは、種類で言うと「ピコドン」というものだが、現物は一般的ピコドンからすると、その姿があまりに違う、もの凄く大きい特製ピコドンであった。直径10センチ高さ5センチのシェーブルなど、今まで見たことがない。一般的ピコドンは80グラム前後だと思うが、これは500グラム以上ある(写真)。それにしても嬉しいお土産だった。聞くと、生産者に特注したもので普通に売ってるものではないらしい。流石、ローヌ在住である。八等分にして、すぐに食べないものは冷凍することにした。直接持ってきたものだから、既に常温で長時間晒されていて、調度いい熟成加減にするのは結構難しいかも知れない。が、当分楽しめることに間違いはない。Vive la france!
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プログレ三昧

2010年09月04日 | 音楽



T君のカフェに行くと、スノッブなM氏の弟のA君がいて、この間やったというNHKFMの「今日は一日プログレ三昧」の話となった。以前はよく聴いていたが、このところラジオがなく、FMを聴く機会は車以外ではなくなってしまった。確かこれはシリーズ物で、今日は一日ハードロック三昧とかビートルズ三昧とかあったように思う。で、そのプログレ三昧で、当然の事クリムゾンはいくつかかかるが、最初にやったのが「Islands」で、しかも最後まで(曲の終わった後に会話やチューニングの音が間を置いて録音されている)かけたのは凄いとA君が言い、T君と二人して確かにと感心した。普通だったら間違いなく「宮殿」なのだが、「Islands」という選定には唸るしかなかった。プログレ野郎の心意気を感じずにはいられなかった。

その他では、「PFM」「Curved air」「Focus」「クラウス.ュルツ」「Softmachine」「Can」など、プログレ好きにはたまらないラインナップだったということであった。そして「Can」の話となったところですかさずT君が、このまえ「ダモ鈴木」のライブへ行ってサインまでもらいましたよと、A君にそれを見せた。ダモ鈴木というのは「Can」のヴォーカルで、今はドイツに暮らしているらしく、どういう訳か最近こんな田舎のライブハウスでライブを行ったのだ。正直、まだ生きていたのかと思うくらいの、昔活躍した人で、とっくにドラッグで死んでいたと私は思っていた。考えて見れば、海外で活躍した唯一の日本人ボーカリストではないか。

そんな同好の士のプログレ話は盛り上がり、T君がかけた「Islands」が静かに店内に鳴り響き、晩夏の午後のひとときはゆっくりと進んでいった。
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菅木志雄型の側面

2010年09月03日 | Weblog


本日は、昨日の「菅木志雄型」の建物の側面。正面に比べると(本当は裏面なのだが我々にとっては正面)インパクトはないが、よく見るとなかなかに味わいのある側面となっている。無用扉が一応二箇所あるのだ。何故一応と言ったのかというと、一階部分の扉は、扉としての機能は今でもあるからだ。周りは有料駐車場となっているので、実際は使うことな無いのだが、使おうとすれば使えるので(その辺の中途半端さが赤白棒に現れている)、厳密に言うと無用扉とは言えない。しかし、二階部分の引き戸は充分に無用扉と言える。開けて一歩出れば空からこんにちはである。どう考えても窓ではない。出来うれば、もっと高い位置に欲しかった。そうすれば、インパクトも五割増しであったろうに。
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菅木志雄型

2010年09月02日 | トマソン


「マッチ棒ハウス」の正面を確認してきたが、正面から見るとあまりに普通で建物としてもそれほどインパクトがなかったので、ちょっと残念だった。そこでというわけでもないが、一番ポピュラーな原爆タイプの中でも、生々しいインパクトのある、我々の中では常に上位に位置しているお馴染みのものを(飽くまでも我々の中での話)ここで紹介したい。むき出し感が、原初的なものを呼び起こす、菅木志雄型である。数ある原爆タイプでも、こういった生々しいものは少ない。しかも、こうなってからずっとこのままで保存されているところがこれまた嬉しいところである。もう一つ特筆すべきところは、原爆タイプ含めた全体の造形的バランスだ。とうとう、蔦まで色を添えるまでになった。
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