ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ジャ.ジャンクー 世界

2009年12月20日 | 映画


クラブワールドカップの決勝を見ようかと思っ
たが、BS2でジャ.ジャンクーの「世界」をやっ
ていたので、午前一時から結局最後まで見るこ
ととなった。これで、一通りジャ.ジャンクー
の作品は見たことになるのか。

主演は、「プラトホーム」「青の稲妻」「長江
哀歌」にも出ている、ジャンクー組と言えるチャ
オ.タオ。何だか普通の感じの美人と言えるほ
どではないのだが、何故か印象的な女優だ。そ
の彼女が「世界公園」という、世界の名所の縮
小版を揃えたテーマパークでダンサーとして働
いており、映画はその生活を淡々と描く。様々
な人間模様が織り成され、事件はいろいろ起こ
るのだが、いつものようにそれを劇的に描くこ
とはない。映像によって表現するので(説明調
でなないので)、どうなったのか分かり辛い部
分はあるのだが、これもいつもの通り。そうい
う時は、ただただその映像に寄り添えば良いの
である、ということにしておこう。

起承転結で盛り上げるという手法をそもそも持っ
ていないジャ.ジャンクーの映画は、やはり魅
力的である。一見平板な世界のように見えるの
だが、そこには色々なものが生起している。今
回の映画の舞台も、何だかまがい物の様なテー
マパークで起こることなのだが、表面的な安っ
ぽさを越えた、普遍的な世界に通じるものがあ
る。北京という地域性を越えているのだ。二時
間以上の長い作品にも拘らず、眠りもせず(た
まに眠くなるが)見られるのもそういうことで
あろう。

しかし、今回改めて確認したが、ハン.サンミン
という人物は「プラットホーム」にも同じよう
な設定で出てきて、「長江哀歌」ではとうとう
主役となっている。演じる人間も同じで、チャオ.
タオと同様、監督の相当お気に入りとみた。
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