小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

金で先生、子どもたちに何教えるのか

2008年07月16日 | 私の考え
毎日新聞社のホームページ「毎日jp」に、大分県のろう学校の教諭を目指して3回受験して不合格になった女性の記事がありました。
印象に残った記事なので紹介します。

(以下、記事の引用)
約10年前、ろう学校の教諭を目指し3回受験して不合格になった女性(33)は、金による口利きの誘いを断り、夢を断念した。
「お金を使って先生になって、何を子どもに教えるのか。後悔はしていないけど、悔しい」。ニュースに接するたび、やりきれない思いにとらわれるという。
女性は高校まで大分市内で過ごし、教員養成に定評のある県外の国立大学に進学した。ろう学校を目指したのは高校時代、手話同好会でろう学校の生徒たちと交流し「子供たちの目がきれいだったから」。
自営業の父親が体調を崩し、アルバイトと奨学金で通う学生生活。小中高、ろう学校、養護学校の教員免許を取るため、大学の授業は毎日6コマすべて埋まっていた。
他の職種の就職活動をする時間もなく、教職一筋に猛勉強してすべての免許を取り、ろう学校教諭の採用試験を3回受けた。
2回目の受験で一次試験に合格した後、母親が知人から「200万円で県会議員に頼めば採用される」と持ちかけられた。母親から「一生を左右することだから、親せき中からお金を集めれば」と打ち明けられた。が、「それで先生になって子供たちに何を教えるのか」と断った。今回の事件を耳にして「やっぱりな」と思った。
(引用終わる)

大分県教育委員会は16日、不正によって合格した受験者が判明した場合はこれを解雇し、本来合格していた受験者を救済する方針を決めたそうです。
当然の措置だとは思いますが、一方で、200万円で頼まなければ採用されない、そういう世界の中で懸命に教師を目指す娘のために、もしもこの母親が親せき中から金を集めて県議会議員に頼んでいたとしても、この母親を非難することができるでしょうか。

不正合格の受験者の解雇も必要ですが、それとともに、この不正に関わってきた者全員の厳正なる処分が何より必要です。

きっと優秀な、ろう学校の教諭になったであろう女性の教諭としての人生を奪った罪は底知れず深いと思います。

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2 コメント

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感謝しております (匿名希望)
2008-07-19 10:43:01
はじめまして。
私は、大分の教員採用試験の不正が明るみに出た時に絶対うやむやにして終わらせてはいけない、と思いました。私が体験した辛い思いをこれ以上、同じように純粋に教員を志望する若者にさせてはいけないと思ったからです。記事にもあった通り、私は自分の選択に後悔はしていません。でも、長年憧れて進路を決め、
進んできた道がこんなに汚れていると分かっていたなら私は教員の道を選ばなかった。
小幡議員が仰っているように今回の事件は、口利きの依頼者のみならず、関係者全員を徹底的に追及・処分するべきです。
資料が残っているほんの数年の合格者・不合格者の訂正をして償ったつもりになってほしくありません。
この事件から目をそらさず、自分の体験や知っていることを伝えることで、コネやカネは必要悪だといった風潮を考え直してほしいと思っています。
これは私なりの戦いです。
この問題を考えてくださったことに感謝します。

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Unknown (小幡憲仁)
2008-07-19 22:25:04
コメントありがとうございます。

まじめに努力する人間がバカを見る、そんな世の中であってほしくないと思います。
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