扶桑往来記

神社仏閣、城跡などの訪問記

歴史コラム #20 夕陽の日本海から

2015年07月31日 | エッセイ:海の想い出

連載を続けているコラム、今回は渤海の話。

渤海というのは日本海の西岸、中国東北地方の沿海部にあった王国である。

7世紀末に誕生し10世紀中頃まで存在した。

中国では唐の時代にあたりその冊封国であった。

 

日本との関わりはまだまだ解明途上、渤海は新羅とは対立関係にあったので敵の敵、日本とは交流があった。

平城京遷都間もない727年に渤海からの使者が出羽国に来訪、日本も渤海使を派遣した。

興味を引いたのは渤海の首都、東京城から和同開珎が出土したとの記述。

誰が持っていったのか想像が膨らむ。

コラムでは渤海使が手に入れ、かの地の姫のコレクションになったとした。

 

日本海の西を向いた海岸は軒並み「夕日の名所」になっている。

こちらからは夕日がざぶんと沈む光景であるがそこに謎の王国があったと考えるとまた趣き深い。