映画の感想をざっくばらんに、パラパラ読めるよう綴っています。最近は映画だけでなく音楽などなど、心に印象に残ったことも。
パラパラ映画手帖
加藤泰監督特集~山根貞男さんトーク~
遅くなりましたが、10月9日の加藤泰監督特集での
映画評論家山根貞男さんのトークから印象に残ったことを
少しだけご紹介します。
といっても、楽しすぎて、肝心なことをあまり覚えてないかもしれず、すみません。
トークの前に上映された『車夫遊侠伝 喧嘩辰』を
山根さんも客席で一緒に観られていて、
上映後、司会の方が呼んでもすぐには登壇されず、
お手洗いで、少し気持ちを落ち着けてきたと言われた笑顔に、
とてもステキだなあと思いました。
あの感無量の美しいラストシーンを観て、
すぐしゃべれ、というほうが無茶な話というのは、
この映画を観た方なら、誰もがうなずくと思います。
山根さんも、『喧嘩辰』は、解説も書いたりしたので、
ビデオでも何回と観た作品だけれど、
こうして大きなスクリーンで、大勢のお客さんと一緒に、
お客さんの反応もとてもよく、結構、笑いがあふれたりしていて、
予想以上に、自分でも感無量になられた、とのこと。
以下、手書きのメモをもとに、少しだけですが…。
『喧嘩辰』は、気一本の男が、気の強い芸者、喜美奴に直情的に惚れるという、
「笑わせて、じーんとさせる」お話。
喜美奴を演じた桜町弘子さんは、現場で、
監督から、演技もかなり任せられていたそう。
思いの丈をぶちまけるシーン。
素、そのままで美しい。
加藤泰監督作品では、俳優が、女優が生き生きしていて輝いている。
冒頭の大阪駅は全部セット。
ラストの渡辺橋とか、ファンタジックなセットが盛り上げる。
シネスコの画面の中央奥で、男たちがなにやらもめていて、
手前、画面の端で、じっと桜町弘子がこらえている、
その表情の動きをとらえた長回しのカメラ。
画面の左右で別のことが起こっていたりして、楽しい。
強弱のリズムもある。
『みな殺しの霊歌』に出てくる倍賞千恵子さんは、
ノーメークだけれど美しく、
そばかす美人。
監督が演技を引き出していて、輝いている。
山根さんのお話は楽しく盛り上がり、
ぼちぼち終了時間ですと言われて、最後に
これからの上映作品について一言だけ付け加えたいとして、話されたのは、
『日本侠花伝』はお薦め。
というのも、なかなか映画館では上映されない作品。
加藤泰監督が、映画で何をやろうとしているのかが凝縮されている。
つまりは、男女が出会って、惚れ合って、幾つもの曲折を乗り越えて…というお話。
『炎のごとく』も薦めておられました。
監督の遺作『ざ・鬼太鼓座』が東京映画祭で上映されることになり、
これは注目してほしい。
以上です。
山根さんは、続く『源氏九郎颯爽記 白狐二刀流』も観られたとのこと。
楽しい一日でした。
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