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No1344『君の名は。』~時空を超えて、出会い、ひかれ合う運命の糸~

「時空を超えた純愛映画」であり、
あざなえる時間と記憶の物語。
「結び」について語る、祖母の話がとても興味深かった。
恋も、縁のひとつ。
紐(髪を結う紐)や糸が、効果的に用いられ、大活躍。

彗星のクライマックス。
一瞬、場内が静まりかえり、彗星の輝きが、美しく悲しくもあり、
一万秒くらいに思えた。。。
ああ、この静けさを
今、ここで、300人の見知らぬ人たちと共有しているのだなあと、
感慨深く思えた。

男女の入れ替わりのお話と聞いていたので、
漠然と大林宜彦監督の『転校生』を想像していたが、まるで違った。

『転校生』では、同じ学校の生徒が入れ替わって、男女の身体の違いに戸惑い、
ほかの人にばれないよう、いかに元に戻るかが軸になっていた。

本作では、入れ替わったり、また翌日には元に戻ったり、
頻繁に、予期せず起こるものにして、よりロマンチックになり、
二人の間で、時間の層がずれるというスリリングさが加わった。
さらに、彗星の接近を加えることで、ドラスチックに、運命的に迫ってきて、
みごたえあった。

若い子たちに人気があるのも当然で、
携帯が大活躍し、高校生の日常も描かれ、
女の子もしっかり者で、魅力的。男の子の自然体もよい。
(女の子の妹と祖母、男の子の友達もよい) 

タイトルのなんてうまいこと。
最後のタイトルインは、
あざとい感じがないでもなかったが、
それは、ここまでヒットしたからそう思うのかもしれず、よくできた脚本。

この映画の中で、避難について描かれたくだりでは、
自然、3.11の東北を思わずにはいられなかった。

新海誠監督らしい、宇宙的なものをちりばめつつ、
この監督は、電車が好きなのを実感。
田舎から東京へと、遠くへ電車に乗って会いに行くシーンの期待と不安。
山手線や、通学の身近な電車のシーンもいい。
同方向に向かう電車が、分岐で分かれていくのは、『ハッピーアワー』にもあったと思いつつ。 

公開して6週目を迎えるというのに、レディスデーとはいえ、
なんばで9時過ぎからのレイトで、300人以上入る客席が、ほぼ満席。

やっと宿題を上司に提出して、早く帰れるようになり
(いつまで続くか、真っ赤になって返ってくるのが怖い)、
いそいそと映画館に向かったが、
上映前、十代、二十代の若者たちが、大勢ロビーに集まり、
にぎやかにおしゃべりしている光景を見ると、
場違いな気がして、さすがに居場所がないように感じ、かなり居づらく、帰りたくなった(笑)。 

前日に『レッド・タートル~』を観ていたので、
大きなお目めに、萌えキャラふうの、かわいらしい絵は、かえって慣れなくて、
奥寺先輩なんて、超美人で、ああ、ほんとにアニメは、どうとでも自由に書けるから、
いかにもな美人を書けるよなあって思ってしまったが、
話にどんどんひきこまれていくうちに、気にならなくなった。

部屋の引き戸や、電車のドアや、いろんな戸がぴしゃりと閉まる時、
床のレールのところを、縦の構図で、何度もアップで映していたのが、
とても印象に残った。
彗星の落ちる縦の動きと、「閉める」という行為を
意識づけしたかったのだろうか。

空や緑や、背景の絵も丁寧で、本当にきれい。雪もちらちら舞う。

個人的には、「~してまった」という岐阜弁?(名古屋弁)がとても懐かしかったです♪ 

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