日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

ホウレンソウとアスパラガス

2008-02-21 | その他あれこれ
新入社員研修の準備で、いろいろ資料作りをしています。

私が新社会人になったのは、もう四半世紀も前の話。ビジネスマナーとか、服装・身だしなみとか、基本的に教わることはあまり変化がないように思えますが、いろいろ参考書物を読んでみると、その内容はどうも昔よりもレベルの低いところから始めているように思います。昨今の若者の常識レベルの低下は著しく、「こんなことまで研修で教えないといけないの?」というものもけっこう見受けられます。

中でも気になる一番は、「ルールを守ること」っていう話。これって、社会人以前の問題ですよね。学生だって「校則」っていうものがあるのだから、身についてなくてはおかしいのですが、なぜか最近ではどの書籍にもかなり大きく扱われています。確かにコンプラ重視の影響はあるかとは思いますけど・・・。我々が社会人になった頃は、そんな当たり前のこと今さらのように言われてなかったですけどね。最近の学生の常識は、「ルールは問題のない範囲なら守らなくてよい」って“ルール”なんですかねぇ。ちょっと情けないですね。

我々の新人時代にはなくて、今はある研修定番用語と言えば「ホウ・レン・ソウ」をしっかりするように、という項目。ご存知「報告・連絡・相談」ですが、いつからか「ホウ・レン・ソウ」と呼ばれるようになりました。こと若い人たちのコミュニケーションの悪さや下手さが目立ってきた時代から、クローズアップされてきたように思います。今では新人研修の場だけでなく、社内的にことあるごとに強調される「改善テーマ」でもありますね。90年代以降のTVゲーム世代のコミュニケーション下手の“新人類”登場とともに、必要に迫られて生まれた言葉のように思います。

それに関連して、最近、書店で「ホウレンソウよりアスパラガス」とか言う本を見つけて、立ち読みしました。立ち読みなので十分読み込んではいませんが、「アスパラガス」って、またもやさらなる「新人類」対策?と思いきや、管理者向けの今様部下指導ポイントを表現したもののようでした。

「アスパラガス」は「アス・パラ・ガス」と分けられます。「アス」は「アスク(尋ねる)」。「パラ」は「パラレル(部下の目線で見る)」。そして「ガス」は「ガス抜き」だそうです。3つ合わせて言えば、「部下に常にあれこれ尋ねることでコミュニケーションをはかり、部下の目線でもの考え、時々はガス抜きもしてやれれば、あなたは立派な管理者ですよ」って訳。なんじゃそれ?要はこれも、我々世代の管理経験者から言わせれば、どれも常識中の常識ですよね。

そうか、研修に「ホウ・レン・ソウ」指導が登場した頃入社の新人クンたちが、今や管理者になっていている訳です。そこで登場した「アス・パラ・ガス」は、コミュニケーション下手のTVゲーム世代の管理者に、今度は「管理者のコミュニケーションのポイント」を教えるための“野菜”として登場したのではないか、と思います。

管理・指導は自身の行動矯正より、数段難しいです。実際の野菜でも、ホウレンソウよりもアスパラガスの方が、苦手な人が多いですしね・・・。私はどちらも大好きです!


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