日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

NEWS雑感 ~ 与謝野馨・東国原英夫

2009-06-24 | ニュース雑感

●議員辞職に相当!疑惑の与謝野財務相の“非常識”●

商品先物取引会社「オリエント貿易」などグループ数社が、幹部社員の給与から天引きして集めた金を政治団体を通じ、92年から05年にかけ、与謝野馨財務相側に計5530万円、渡辺喜美元行政改革担当相側に計3540万円それぞれ献金していたことが明るみに出て、ちょっとした騒ぎになっております。西松建設の巨額献金事件と似た構図で、ダミー団体を通した迂回献金とみられ、第三者名義の寄付や資金管理団体への企業献金を禁じた政治資金規正法に違反する疑いがあると言います。

献金の違法性解明も重要なことではありますが、むしろ問題なのは、与謝野氏が98-99年に旧通産相として先物取引を指導・監督する立場にあったこと、さらに、06年に成立した金融商品取引法の審議中は、金融担当相在任中であったことです。先物業界の関連官庁トップを務める身でありながら、それまでと変わらず献金を受けていた訳です。「業界や同社に便宜を図ったことは一切ない。商品先物取引会社から法案に関して陳情など一切なかった」「担当大臣の就任する前からの支援団体であり、そのまま献金を受けた」と述べたと言います。この発想自体、完全に“アウト!”です。

事務方の公務員でさえ、関係先との金銭の授受はおろか会食すら法で禁じられているのです。立法のトップとしてさらに強大な力を持つ監督官庁の大臣が、関係企業から献金を受けていたとは、驚きも驚き、なんという非常識。古い友人であるとか、昔からの支援者であるとか、そんなことはどうでもよろしい。「担当大臣時代も業界や同社に便宜を図ったことは一切ない」で済むと思っていらっしゃるこのお方、コンプライアンスを全く理解してないません。こんなコンプラ意識ゼロの政治家は、この部分だけで十分即刻議員辞職をすべき事由であると、声を大にして申し上げておきます。


●東国原宮崎県知事出馬要請における、党と本人の損得勘定●

自民党の古賀選挙対策委員長が23日、東国原英夫宮崎県知事に次期衆院選に自民党公認候補として出馬するよう求め、知事が自分を自民党総裁候補とすることなどを出馬の条件に挙げた問題。一日たっていろいろな発言が相次ぎ、けっこう驚かされました。まず、当の東国原知事。私はてっきり「現時点では国政への転出意思なし」という意思表示として意図的にぶつけた無理難題という、彼一流のジョークかと思ったのですが、その後のお話をうかがうに「本気」であると分かり驚きました。

いくら地方を支えるには国政を変えなくてはダメとは言いつつも、自身一期目途中で県知事職を投げ出す形になる訳で、国政に転じる前にやるべきことはたくさんあるのではないでしょうか。昨年も確か補欠選がらみで国政に色気ムンムンだったことがありましたが、「都知事へ鞍替えか?」の声も聞かれるなど、やはりこの人、宮崎県知事はワンステップ?目指すはより一層目陽のあたるポジションのようで、タレント人脈を生かした地元PR策はお見事ですが、それで田舎だましをして自身の先々の野望に向けた地位固めをしているように思えてどうも信用がおけない訳です。

これに対して自民党内は反発の嵐。代表的な発言は、大島理森国対委員長の「国会議員にまずなって、順序を踏まえて努力することが先だ」との不快感あらわなコメントや笹川尭総務会長の「アホらしい」の一言などなど。これら、相手の主張や政策趣旨も踏まえず、しきたりに縛られた高圧的態度は本当に古臭い自民党の体質丸出しです。この手の発言は、明らかに自民党の印象を悪くしたことだけは確かであると思います。当の本人たちは、そんなことに全く気付いていないのでしょうが…。

さて話を戻して東国原知事。今回の申し出、一部には自民党が絶対に受け入れないことを想定の上で大真面目で「国家天下を論じる」政治家を演じ、自身の政治家としてのブランドをワンステージ上げる戦略だったのではと言われています。もちろん、狙いは先々の国政進出とその時のポジションづくりです。もし本当なら、相当な策士であり、意外に侮れない人物であるとも思えるのですが…。真意はどうなのでしょう。

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