日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

またぞろ“スポーツ候補”擁立の参議院は、もはや“仕分け対象”か?

2010-05-12 | ニュース雑感
池谷幸雄(体操銀メダリスト)、堀内恒夫(プロ野球)に続いて、谷亮子(柔道金メダリスト=ヤワラちゃん)、中畑清(プロ野球)・・・。来るべき参院選に続々名乗りを上げた立候補予定者たちです。池谷氏、ヤワラちゃんは民主、堀内氏は自民、中畑氏は先日立ち上げたばかりの“立ち上がれ”です。一人ひとりがどれほどの志と見識を持って国政に臨まれるのか存じ上げませんので、候補者の個別批評は控えておきますが、有名人の名を借りた各党のあまりにえげつない票集め合戦といった印象はぬぐえないところではないでしょうか。

「政治とカネの問題」で政権奪取後半年余りにして、このままでは選挙での敗戦濃厚な政権政党民主党の焦りはかなり末期的な症状で現れていますが、この焦りの策は素人目にも決してプラスには働かないのではないかと思われるのですがどうなんでしょうか。特に“ヤワラちゃん”擁立への世間の風当たりは強いような感じがしてますね。言っては悪いですが、池谷氏や堀内氏、中畑氏などの本業での活躍がピークを過ぎた人間の場合には、「もしかすると、政治的な思いが強い人だったのかな」と思わせたりもして、感心はされないとしてもあからさまにその擁立に対して反感を買うことは少ないように思うのですが、“ヤワラちゃん”はまずいかもしれません。

なにせ、これまでオリンピックで「金」2つ。一昨年の北京オリンピックでは3つ目の「金」こそ逃したものの「母で銅」を実現して、さらにロンドンも目指すと宣言している最中ですから。現役の国民的人気スポーツ選手を擁立した民主党のやり口は、「有名人人気にあやかった票稼ぎ」と言われて当然であり、選挙における一時的な票集めの効果の有無はともかくとして、多くの重要課題を抱える政権政党の政治姿勢として「何考えているの?」と本来の支持者層を減らす結果になるのではないかと思うのです。かしこくないですよ、このやり方は。自らをおとしめる愚策であると思うのですが・・・。スポーツ振興よりも景気対策ですよね、今は。政権政党がこれでは困りモノです。

もう一点気になるのは、新政党「立ち上がれ日本」の中畑氏擁立。自民党時代とまったく同じことをして、何が「立ち上がれ」なのか。これにはホント閉口させられます。政党のイメージの問題から言ったら、民主党の有名人続々擁立以上にマイナスであると思います。これもまた、世間に多い巨人ファンがどれだけ投票するのか分かりませんから票集めにはプラスに働くの可能性もありますが、少なくとも立ち上げ間もない新政党が批判対象の旧政党と同じやり方で、政党の政策方針を微塵も感じさせない有名人擁立をおこなうと言うのは、自らの生命線を危うくする愚行であると言わざるを得ないと思います。この愚行を「立ち上がれ日本」の“うるさ型”応援団である石原慎太郎東京都知事がよく許したなと、そちらの方をむしろ感心しました。まぁ、石原氏も所詮はタレント候補あがりということの証?

いくら代議士選びではない参議院選挙であるとはいっても、各党の政策そっちのけでの有名人擁立合戦には、日本の政治の危機的な状況を感じざるを得ないと思います。まぁ議員定数が多すぎるからこそ、無益な擁立が乱発されるのではないかとも。民主党は、この機会に参議院の議員定数を急遽「事業仕分け」の対象として、本格見直しでもぶち上げた方がよほど国民の支持を得られるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか蓮舫さん?

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