日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

久々のタイアップ・ヒット確実?フォーティ世代を狙い撃つ資生堂CMの憎い演出

2010-04-15 | マーケティング
最近私が気になっているコマーシャルの話をします。

資生堂の「のむ、つける、IN&ON」。そうそうあの懐かしい元アイドルの40代女性4人を起用したCMです。何が気になるって、40代の“おばちゃん元アイドル”は別にどうでもいいのですが、問題はこのCMのつくりです。「♪ずっと好きだったんだぜ~」というなんとも懐かしくなるようなサウンドに乗ってキャッチーなサビのリフレイン。これって70~80年代の「揺れるまなざし」にはじまる「化粧品CM=ニューミュージック・タイアップ」全盛時代の、キメ技そのものですよね。4月1日からTVオンエアされたこのCM手法に振り向かされて、懐かしくて懐かしくて。「何?この昭和的キャッチーなCMづくりは???」って感じで、TVで流れるたびに思わず顔がほころんでしまうわけです。
(化粧品のCMタイアップ・ヒットソングって、「不思議なピーチパイ」「燃えろいい女」「微笑の法則」「マイ・ピュアレディ」「め組の女」「君の瞳は10000ボルト」「唇よ熱く君を語れ!」「サマー・ピープル」「君は薔薇より美しい」「桃色吐息」…、ホントたくさんありましたよね。「資生堂VSカネボウ」一騎打ちの時代でもありました。懐かし~い!)

肝心の楽曲を作って歌っているのは斎藤和義氏、って私も名前ぐらいしか知らないんですが、66年栃木生まれの43歳。93年「僕の見たビートルズはTVの中」でデビューしたという、“真性アフター・ザ・ビートルズ・フォロワー”だそうです。しかも“清志郎フリーク”とか。なにしろ、このCMを印象付けているこの曲に私がグッとくる理由は、やっぱビートルズ→清志郎の影響を受けつつ進化した70年代洋楽路線の音そのものだからなんですね。いやー、実によく練られたCMである訳です。フォーティ世代のアイドルたちを登場させて、その人たちをアイドルとしてあがめたてまつっていたオヤジたちに訴える楽曲を、今あえてあの時代的な手法のCM展開で活かしていく、こりゃ完全に一本取られましたな。

でもちょっと待ってくださいよ。これ資生堂の女性向け美容剤&ツールのコマーシャルでしたよね。オヤジの目と耳を惹きつけてどうするんだって感じですが…。“元アイドル”4人と同じ世代の女性陣が見て、どう感じるんでしょうかね?この4人のファンだった人向けの明らかなオヤジ受けCMのような気がするのですが、いかがなものでしょう?どなたか女性のご意見お聞かせいただければ幸いです。いずれにしても、シリコン成分が地肌を傷めたと苦情殺到して高額プロモーションが水泡に帰したシャンプー「ツバキ」以来の、資生堂入魂のCMであることには違いないでしょう。

ところで、このCMをきっかけにネットをブラブラしていたら、このBGM「ずっと好きだった」の短いプロモ・ビデオを発見!まだCD発売前だからなのか、フルバージョンは見当たりません。でも、これが短いけどスゴいのです。ビートルズ・ファンなら一見して分かるあの「ルーフトップ・ライブ」(69年に彼らのオフィスであったアップル・ビル屋上で、4人そろって人前で演奏した最後。映画「レット・イット・ビー」のラストに収録されている感動のライブシーン)と全く同じシチュエーションで、山崎くんはじめ4人がこの新曲を演奏しているのです。4人の服装、楽器、カメラアングルすべてまんま「ゲット・バック」です(特にジョージは激似)。オヤジ感涙モノ。やるなぁ斎藤!ぜひYOU TUBEで見比べてください。

★「ずっと好きだった/斎藤和義」
http://www.youtube.com/watch?v=vvFrFTIFDFA
★「ゲット・バック/ビートルズ」
http://www.youtube.com/watch?v=-6G7MkBMVxE&feature=related

ちなみにCM解説しますと、4人の元アイドルは薬丸(旧姓石川)秀美、河合その子、荻野目洋子、伊藤つかさ。薬丸と河合は専業主婦でこのCM限定での復帰だそうです。CMのキャッチは「よみがえれ、私。」。
「ずっと好きだった/斎藤和義」のCDは4月21日発売だそうです。コレ売れちゃうんじゃない?久々にオヤジがカラオケで歌えるJ-POPヒット曲誕生の予感です。

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