日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

“日ハム拒否”菅野クンへの手紙

2011-11-25 | その他あれこれ
私は東映フライヤーズ駒沢世代からの筋金入りの日本ハムファンであることを最初に宣言した上で、先般正式に本人から表明された東海大学菅野投手の入団拒否の件について菅野クンに一言、手紙形式を借りて申しあげます。

前略
菅野クン、最初に結論から申し上げます。あなたは今回プロをめざす一スポーツマンとして、また社会人としての第一歩を踏み出す大人として、やってはいけない選択をしたと思います。

プロ野球界は球団ごとの人気や財力のバラツキがあり、そのためにいい選手が一定の球団に偏るリスクは、下部リーグとの入れ替え制のない我が国プロ野球の固定12球団・2リーグ制においてはリーグそのものの人気低下ひいては運営維持を危うくするとの危機感から、ドラフト制度は米大リーグにならって65年に導入された制度です。もちろん古い制度は何度か改訂され、さらにその後FA制度の導入により選手の途中移籍等によるドラフト制度補完もなされています。プロ野球を志す人間として、そのぐらいのことはご存知ですよね。

すなわち、プロ野球という職業を志す以上はその業界の成り立ちを理解し、その特性を受け入れた上で志望するのが筋なのです。「私はあの球団に行きたいから、そこでは嫌です」などどいうのは全くのナンセンス。分かりますよね。これは他の職業でも同じことです。職に就くと言うのはどういうことなのか、そんな観点に立ちながら業界特性を受け入れられるか否かを良く考えて、進路と言うものは慎重に決めなくてはいけないのです。

単純に、絵がうまい人が皆絵描きになる訳じゃないのですよ。自分の絵を買ってもらい生活の糧にするというのはどういう意味があるのか、またどういうリスクを伴うのか、それを自分の職業観や生活観で考えた時に受け入れられることなのかダメなのか、様々な角度でその職業を勉強し検討した上で進むべき進路を決める必要があるのです。

それとも、もしかして菅野クンが日ハム拒否を表明したのは「時代錯誤のドラフト制度に一石を投じたい」という気持ちからですか?もしそうなら、「好きな球団に行けないような今のプロ野球なら、私は行きません。社会人野球に行ってその間に制度が変更されるならまた考えます」ぐらい筋の通った主張と行動をするべきでしょうね。そうしないと、せっかくのあなたの本意が見えませんよ。もしそういうお考えだったのなら、理解します。そんなに大それたことは思ってなかったなら、ごめんなさい。

もうひとつ、この問題でよく言われる「職業選択の自由」うんぬんですが、これは「どこの会社に入りたい」までを保護するものでなく法的には何の問題もない訳で、この点は既に解決済みなのです。なのにあなたが志望する日本球界を代表する球団の権力者は、毎度毎度自分の都合が悪くなると無意味な蒸し返しをしています。確か今回お祖父さんも孫可愛さからでしょうけど同じようなことを言ってましたね。菅野クンはそんなことを口にしていないので、そうは思ってはいないとは思いますが・・・。球団やお祖父さんには伯父さんを通じてでも、「そういう無意味な反論は僕のイメージを悪くするだけなので、やめてほしい」ぐらいは言っておいた方が良いと思います。

いずれにしても、職業選択の意味を理解した上で、自己の将来ビジョン明確化と言う観点から自分の考えの浅さを今一度見つめなおし、自分のあるべき対応を再考された方が良いと思います。あなたが力ある選手であればこそ、固定12球団制のプロ野球界の永続的な繁栄は戦力の分散化によるチーム力の拮抗こそ重要になってくるのです。日ハム球団はご存じのように、エースのダルビッシュ投手の来シーズンからの大リーグへの移籍が予想されており、戦力低下をあなたが埋め合わせることでリーグチーム間の実力拮抗が期待され、ひいては野球界の繁栄に寄与することができるのです。とてもとても、やりがいがあるじゃないですか。こんなにも恵まれた環境にあるなんて、幸せなことであると思いませんか。

それでもなお意中の球団で働きたいのなら、FA制度もある訳です。まずは今の制度に則って球界の繁栄に貢献できたなら、その先では多少のマガママなんて世間は笑顔で許してくれると思います。プロはなんだかんだ言っても人気商売ですから、ここは好感度を高めるような大人の選択もあってしかるべきです。そんな観点で今一度熟考されることを期待しています。来春札幌ドームであなたの雄姿が見れることを切望してペンを置きます。
草々

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2 コメント

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変な指摘ですね (かず)
2011-11-27 01:01:49
制度としては拒否が認められているので、拒否しても全く問題ないでしょう
思い通りにならないのは日本ハムと菅野の両方にあてはまる話しであり、菅野にだけ長い物に巻かれろ的な話をするのはおかしいでしょう。FA件が権が獲得できるまで現役が続くかも分からないし、自分の夢の実現に最大の努力を払うのは当たり前。
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何度でも (撫子ジャパン)
2011-12-02 14:07:15
又来年もハムは、1位指名するぞ。
再来年も、次の年も・・・・諦めない。
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