チェコ・プラハのスメタナホールでスメタナのモルダウを聴くという約二十年来の念願が叶えられた日の翌日、日帰りでヨーロッパ屈指の温泉地であるカルロヴィ・ヴァリ(Karlovy Vary)へ行ってきました。
ここの温泉の一般的な利用法は飲泉。本来ならば医師の指示に従った方法により温泉水を飲むのですが、街中にはコロナーダと呼ばれる飲泉所がたくさんあり、無料で誰でも飲めるので、手当たり次第に飲泉所をめぐってみることにしました。
街中のお土産屋や小物を売っているワゴンなどでは、取っ手に吸い口がある飲泉用の磁器カップが売っています。これにお湯を注ぎ、細い吸い口からお湯を吸って飲むわけです。し瓶っぽい形状に思えなくもないですが、それを言っちゃおしまいですね。
多種類の品揃えで値段もピンからキリまでありますが、私は上画像のものを買いました。
温泉街はテプラー川の谷に沿って南北に伸びています。温泉街の北のはずれにある駅より近い順に、川を遡る形で、北から南へ向かいます。
なお、ここでの各コロナーダ(飲泉所)の名称は、現地で表示されている通りのチェコ語で表記します(何と読んだらよいか、無学な私には全くわからないので)。ただし読み方がわかるものに限り、カタカナで併記します。
・SADOVÁ (サドヴァー)
ドボルザーク公園の南側に隣接しています。美しい円形ドームが目立つ建物で、公園に沿って伸びるプロムナードが素敵。19世紀、軍の保養所を建設している際に源泉が発見されたそうです。
1階に飲泉所がありました。デカい建物なので、凄い設備を想像していましたが、予想に反して洗面所のような可愛らしい受け皿が設けられ、そこへパイプからチョロチョロと流れているだけでした。傍には配湯管の断面写真が掲示されています。成分が濃いらしく、その断面は析出で思いっきり詰まっていました。
炭酸味+石灰味+金気+薄い出汁味+塩味がミックスされた複雑な味。はっきり言って不味い。湯温は約40℃で、カルロヴィ・ヴァリの源泉の中では比較的ぬるい方です。
(開設時間6:00~18:30)
・SVOBODA
川沿いの歩道がちょっと広くなった第3温泉(Lázně 3)の裏手にある四阿風のコロナーダ。
通し番号11、60℃、石灰味+薄塩味。
(24時間利用可能)
(右画像はクリックで拡大)
隣接する第3温泉(Lázně 3)では入浴ができるそうですが、当地での入浴は医療行為に匹敵するらしく、容易においそれと入れるわけじゃないそうなので、言葉がわからない臆病者の私は入浴をパス。
・SKALNI
SVOBODAの先、MLÝNSKÁの手前にある目立たない小さなコロナーダ。犬の水飲み場みたい。
通し番号10、53℃、SVOBODAより塩味がやや際立ち、炭酸味が明瞭。
(24時間利用可能)
・MLÝNSKÁ(ムリーンスカー)
街の中心に位置し、まるで神殿を思わせる100本以上の柱がズラリと並ぶ美麗な回廊状の飲泉所。屋根に施された彫像は12ヶ月を表現しているんだそうです(撮影失念)。柱と柱の間に、以下の通り計4つの源泉があります。
(1)LIBUŠE
通し番号9、63℃、薄い塩味+石灰味、
もしかしたら各飲泉所の中で一番飲みやすい味かも。かなり熱く、フゥフゥしてやっと飲めました。
(2)KNÍZE VÁCLAVI
通し番号8、55℃、
塩味はかなり薄いかわりに石灰味強め、こちらも熱い。
(3)RUSALKA
通し番号7、60℃、
KNÍZE VÁCLAVIに似たような味。やっぱり熱い。
(4)MLÝNSKY
通し番号6、56℃、
塩味は殆ど無くなり、石灰っぽい味のみ。若干苦みもあり。
このコロナーダは手前から奥へ向かうに従って、塩味が薄くなる半面、石灰感が強くなる傾向にあるようです。
(24時間利用可能)
・TRŽNÍ(トゥリズィニー)
1883年竣工の木造コロナーダ。最近改修されたそうです。レースのような白い透かし模様がとっても綺麗です。かつては神聖ローマ帝国カール1世(ボヘミア王カレル4世)(1316~1378年)も利用した話が残っているので、お湯自体の歴史は相当古いのでしょう。ここにも源泉が複数あり、カレル4世の名前がそのまま源泉名になったものもあります。今回は3源泉を飲みました。
(1)TRŽNY
通し番号5、62℃、
舌が痺れるような変な味+石灰味で塩気なし。非常に不味い。そして熱い。
(2)ZÁMECKÝ DOLNI
通し番号3、55℃、
TRŽNYと同じような味に感じられた。やっぱり不味い。
(3)KARLA 4
通し番号2、64℃、
皇帝の名前を名乗る源泉。TRŽNYやZÁMECKÝ DOLNIと同じような不味さに金気がプラス。かなり熱い。
(24時間利用可能)
・VŘÍDELNI(ヴジーデルニー)
カルロヴィ・ヴァリのランドマーク的存在。ディヴァデルニー広場の手前に位置しています。1970年代にテプラー川の上を覆う感じで建てられたガラス張りの建物の中では、高さ12mにも及ぶ間欠泉(ヴジードロ)が地下2500mから噴き上がり、その量は1分間になんと2000リットル。噴き上がる様子は間近で見学することができ、ものすごい迫力でした。当地に来たなら是非見ておくべきスポットです。
間欠泉のみならず飲泉所もあり、独特の柱のような形状をした注ぎ口が5本立っています。それぞれ泉源が異なっており、折角だからすべて飲めば良かったのですが、ここまで美味しくないお湯ばかり飲み続けてきて、味覚がおかしくなりそうだったので、3つに限定してテイスティングしました。
(1)VŘÍDLO A :72℃、塩気は少ないが金気あって炭酸味を含む
(2)VŘÍDLO B :50℃、金気弱くマイルドな塩味でやはり炭酸味あり
(3)VŘÍDLO C :30℃、金気+塩味+出汁味+炭酸味がそれぞれ明瞭
(開放時間6:00~18:30)
いくつもの源泉を飲んでいると飽きてくる上に味覚が混乱してきて、後半のコロナーダの感想はあまり自信がありません。正直なところ、かなり不確かで適当です。
飲泉によって消化器疾病や糖尿病に効能があるんだそうですが、方法も分量もめちゃくちゃな私の飲み方では効果が顕れるはずもなく、かえって疲労感がたまってお腹を下してしまいました。あぁ情けない…。
ここの温泉の一般的な利用法は飲泉。本来ならば医師の指示に従った方法により温泉水を飲むのですが、街中にはコロナーダと呼ばれる飲泉所がたくさんあり、無料で誰でも飲めるので、手当たり次第に飲泉所をめぐってみることにしました。
街中のお土産屋や小物を売っているワゴンなどでは、取っ手に吸い口がある飲泉用の磁器カップが売っています。これにお湯を注ぎ、細い吸い口からお湯を吸って飲むわけです。し瓶っぽい形状に思えなくもないですが、それを言っちゃおしまいですね。
多種類の品揃えで値段もピンからキリまでありますが、私は上画像のものを買いました。
温泉街はテプラー川の谷に沿って南北に伸びています。温泉街の北のはずれにある駅より近い順に、川を遡る形で、北から南へ向かいます。
なお、ここでの各コロナーダ(飲泉所)の名称は、現地で表示されている通りのチェコ語で表記します(何と読んだらよいか、無学な私には全くわからないので)。ただし読み方がわかるものに限り、カタカナで併記します。
・SADOVÁ (サドヴァー)
ドボルザーク公園の南側に隣接しています。美しい円形ドームが目立つ建物で、公園に沿って伸びるプロムナードが素敵。19世紀、軍の保養所を建設している際に源泉が発見されたそうです。
1階に飲泉所がありました。デカい建物なので、凄い設備を想像していましたが、予想に反して洗面所のような可愛らしい受け皿が設けられ、そこへパイプからチョロチョロと流れているだけでした。傍には配湯管の断面写真が掲示されています。成分が濃いらしく、その断面は析出で思いっきり詰まっていました。
炭酸味+石灰味+金気+薄い出汁味+塩味がミックスされた複雑な味。はっきり言って不味い。湯温は約40℃で、カルロヴィ・ヴァリの源泉の中では比較的ぬるい方です。
(開設時間6:00~18:30)
・SVOBODA
川沿いの歩道がちょっと広くなった第3温泉(Lázně 3)の裏手にある四阿風のコロナーダ。
通し番号11、60℃、石灰味+薄塩味。
(24時間利用可能)
(右画像はクリックで拡大)
隣接する第3温泉(Lázně 3)では入浴ができるそうですが、当地での入浴は医療行為に匹敵するらしく、容易においそれと入れるわけじゃないそうなので、言葉がわからない臆病者の私は入浴をパス。
・SKALNI
SVOBODAの先、MLÝNSKÁの手前にある目立たない小さなコロナーダ。犬の水飲み場みたい。
通し番号10、53℃、SVOBODAより塩味がやや際立ち、炭酸味が明瞭。
(24時間利用可能)
・MLÝNSKÁ(ムリーンスカー)
街の中心に位置し、まるで神殿を思わせる100本以上の柱がズラリと並ぶ美麗な回廊状の飲泉所。屋根に施された彫像は12ヶ月を表現しているんだそうです(撮影失念)。柱と柱の間に、以下の通り計4つの源泉があります。
(1)LIBUŠE
通し番号9、63℃、薄い塩味+石灰味、
もしかしたら各飲泉所の中で一番飲みやすい味かも。かなり熱く、フゥフゥしてやっと飲めました。
(2)KNÍZE VÁCLAVI
通し番号8、55℃、
塩味はかなり薄いかわりに石灰味強め、こちらも熱い。
(3)RUSALKA
通し番号7、60℃、
KNÍZE VÁCLAVIに似たような味。やっぱり熱い。
(4)MLÝNSKY
通し番号6、56℃、
塩味は殆ど無くなり、石灰っぽい味のみ。若干苦みもあり。
このコロナーダは手前から奥へ向かうに従って、塩味が薄くなる半面、石灰感が強くなる傾向にあるようです。
(24時間利用可能)
・TRŽNÍ(トゥリズィニー)
1883年竣工の木造コロナーダ。最近改修されたそうです。レースのような白い透かし模様がとっても綺麗です。かつては神聖ローマ帝国カール1世(ボヘミア王カレル4世)(1316~1378年)も利用した話が残っているので、お湯自体の歴史は相当古いのでしょう。ここにも源泉が複数あり、カレル4世の名前がそのまま源泉名になったものもあります。今回は3源泉を飲みました。
(1)TRŽNY
通し番号5、62℃、
舌が痺れるような変な味+石灰味で塩気なし。非常に不味い。そして熱い。
(2)ZÁMECKÝ DOLNI
通し番号3、55℃、
TRŽNYと同じような味に感じられた。やっぱり不味い。
(3)KARLA 4
通し番号2、64℃、
皇帝の名前を名乗る源泉。TRŽNYやZÁMECKÝ DOLNIと同じような不味さに金気がプラス。かなり熱い。
(24時間利用可能)
・VŘÍDELNI(ヴジーデルニー)
カルロヴィ・ヴァリのランドマーク的存在。ディヴァデルニー広場の手前に位置しています。1970年代にテプラー川の上を覆う感じで建てられたガラス張りの建物の中では、高さ12mにも及ぶ間欠泉(ヴジードロ)が地下2500mから噴き上がり、その量は1分間になんと2000リットル。噴き上がる様子は間近で見学することができ、ものすごい迫力でした。当地に来たなら是非見ておくべきスポットです。
間欠泉のみならず飲泉所もあり、独特の柱のような形状をした注ぎ口が5本立っています。それぞれ泉源が異なっており、折角だからすべて飲めば良かったのですが、ここまで美味しくないお湯ばかり飲み続けてきて、味覚がおかしくなりそうだったので、3つに限定してテイスティングしました。
(1)VŘÍDLO A :72℃、塩気は少ないが金気あって炭酸味を含む
(2)VŘÍDLO B :50℃、金気弱くマイルドな塩味でやはり炭酸味あり
(3)VŘÍDLO C :30℃、金気+塩味+出汁味+炭酸味がそれぞれ明瞭
(開放時間6:00~18:30)
いくつもの源泉を飲んでいると飽きてくる上に味覚が混乱してきて、後半のコロナーダの感想はあまり自信がありません。正直なところ、かなり不確かで適当です。
飲泉によって消化器疾病や糖尿病に効能があるんだそうですが、方法も分量もめちゃくちゃな私の飲み方では効果が顕れるはずもなく、かえって疲労感がたまってお腹を下してしまいました。あぁ情けない…。
いつか訪れることが出来たらと思います。
温泉に保険適用というのは確かに面白いですね。
(私のブログでレポートしているオーストリアの温泉は、水着着用ゾーンのみを撮影し、全裸混浴ゾーンでは撮影していません)
すぐお腹を下しちゃう体質なので気をつけます
(^^)
ヨーロッパ、とりわけチェコは温泉入浴を療養として捉える文化があり、入浴できるところもあるのですが、事前に調べた情報によると入浴にはメディカルチェックを要し、医師の支持に従い入浴する、という方法らしいので、恥ずかしながらチェコ語はおろか英語すら満足にできない私は、おじけづいて飲泉だけにしたんです。
欧州の他の国では私も入浴しており、そのレポートも当ブログに載せていますので、よろしければご覧になってください。
http://blog.goo.ne.jp/onsen_shouyou/e/93eeb579f54997edfb395d61fc6f5827
(↑は当ブログのヨーロッパの目次です)
ブログの記事にはしていませんが、ドイツのバーデンバーデンやヴィースバーデンといった温泉地も私にとっては印象深い素敵な温泉です。
多くの場所では温泉を療養目的か、あるいは温水プールという形でレジャー目的で利用しており、日本のように生活に密着した使い方はあまりみられないようです。唯一ハンガリーが日本に若干近いかも。欧州各国では長期の温泉療養(すなわち湯治)に健康保険が適用されるんですよ。面白いですね。
ありがとうございます。是非ヨーロッパを訪れたいと思います。
今ドイツを中心に大腸菌感染が流行っているので注意してくださいね。
はじめまして。ありがとうございます。
ヨーロッパはこんな素敵な温泉ばかりで、行く先々で心がときめいちゃいます(^^)
写真の撮り方が下手なのでうまく雰囲気をお伝えできていないのが残念です…。
是非旅して現地へ行ってみてください。
(ちなみに私は現在、ヨーロッパの某所で温泉めぐりをする計画中です)