光産業技術動向ブログ OITT

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無線で映像を飛ばす「WirelessHD」技術

2010年01月25日 | 通信市場
 現在、PCで広く使われている広帯域ワイヤレス技術と言えば、Wi-Fiということになる。Wi-Fiよりさらに広帯域を目指す技術として、一度はUWBが注目されたものの、IEEEにおける標準化の失敗、第一世代製品のパフォーマンス不足等もあり、完全に失速してしまった。今、UWBに代わって広帯域ワイヤレス技術として注目を集めているのが、60GHzのミリ波帯を利用する無線技術だ。

 この60GHz帯無線をめぐって、現時点で2つの標準化団体が存在する。先行するWirelessHDと、2009年5月に誕生したWiGig(Wireless Gigabit Alliance)の2つだ。SiBEAMが主導するWirelessHDは、コンシューマ機器向けの広帯域ワイヤレス接続、特にHDMIの無線による置き換えにフォーカスしており、間もなく米国では第2世代のチップセットに基づく製品が登場しようとしている。

 一方、WiGigはその名前からも明らかなように、PCで広く使われているWi-Fiと論理レベルの互換性を保ちつつ、Wi-Fiよりも広帯域の無線データ伝送技術の普及を目指して、802.11のMACを拡張する形で60GHz帯無線の実用化を計画している。2009年12月に、7Gbpsのデータ伝送レートをサポートしたVer 1.0の仕様を策定しており、現在アライアンスの主要メンバーによるレビューが行なわれている。

 両者の違いは、前者がAV機器向け、後者がPC向け、前者が片方向、後者が双方向といった違いがある。が、両者が敵対するものかというと、必ずしもそうではないという。「少なくとも、現時点で両者は敵対してはいないし、願わくば将来的にも併存する、あるいは補完的な役割を果たしていければ良いのではないか」(SiBEAMのジョン・E・ルモンチェックCEO)ということであった。たとえばIntelは、WirelessHDとWiGigの両方にプロモーターとして名前を連ねているが、PC向けにはWiGigでも、デジタル・ホーム事業部が開発するTV向けSoCはWirelessHDをサポートする、ということがあるのかもしれない。

詳しい情報はこちら。
【元麻布春男の週刊PCホットライン】 無線で映像を飛ばす「WirelessHD」技術

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http://www.e-lambdanet.com/8wdm/
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