光産業技術動向ブログ OITT

OITTとは、Optoelectronic Industry and Technology Trendの略称です。

基準光配信と光コムを用い、光源一つで大容量コヒーレント光通信に成功【NICT】光通信システムの広帯域化と低コスト化に活用

2024年07月25日 | 新サービス

 NICTフォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループは7月24日、基準光配信と光コム技術を組み合わせて、最新の商用光通信装置200台分の伝送容量に相当する336Tbpsの光通信を実証したと発表した。従来の方式であれば200個の光源が必要だが、今回の実証では光源一つで達成した。
 


 国際共同研究グループは「本研究で当グループは、光通信の周波数規格に準拠し、S、C、L波長帯のほぼ全域でコヒーレント光通信を可能とする高品質光コムの生成に世界で初めて成功した。これをネットワーク上での基準光配信技術と組み合わせ、送受信ノード間で自動的に周波数が同期する650波長のコヒーレント光通信チャネルを構築した。これらの通信チャネルで多値変調と空間多重を行い、大容量伝送を実現した。 


 同成果は、S帯通信用光源モジュールの商用化開発・実装を代替し得るもので、商用の波長多重通信の広帯域化を加速し、波長ごとに異なる数百個の通信用光源を用意する必要がなくなるので光通信システムの低コスト化が期待できる。加えて、マルチコアファイバなどの空間多重を更に活用すると、1本の光ファイバ回線当たり数千台分の通信装置からの光源削減が可能と見込まれ、より一層の低コスト化が期待される。
 同実験結果の論文は、OFC 2024にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Postdeadline Paper)として採択され、現地時間3月28日に発表された。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
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世界初、高度約4km上空から38GHz帯電波での5G通信の実証実験に成功 ~成層圏からの5G通信サービスの早期実現に大きく前進~

2024年05月28日 | 新サービス

 スカパーJSAT株式会社(以下、スカパーJSAT)、株式会社 NTT ドコモ(以下、ドコモ)、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICTエヌアイシーティー
)、パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)は、HAPS(High Altitude Platform Station:高高度プラットフォーム局)を模擬した小型飛行機(今回の実験では共立航空撮影株式会社の運航するセスナ機を使用)(以下、セスナ機)を活用し、高度約4kmからの38GHz帯での5G通信の実証実験(以下、本実験)に成功しました。
 


本実験では、HAPS を用いた5G通信ネットワークのフィーダリンク/バックホール回線の実用化に向け、
HAPS への搭載を想定して新たに開発した通信装置(以下、セスナ機搭載局)をセスナ機へ搭載し、自動
追尾機能をもつレンズタイプのアンテナを HAPS 地上局(以下、地上局)として利用しました。これにより、高度
約4km上空のセスナ機と地上局3局との間で、38GHz帯電波を利用した5G NR方式の上空中継による
地上5G網のバックホール回線を確立しました。38GHz帯電波による 5G NR方式を使用した、上空中継の
複数リンクからなるバックホール回線の実証は世界初の試みとなります。
HAPSを利用した非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network)(以下、NTN)は、5Gや6G
において通信エリアを拡大するカバレッジ拡張実現に有効な技術であるため、今後、本実験で得られた結果を
活用し、HAPSの早期実用化とNTNの実現に向けて取り組んでまいります。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
NTTグループニュース 
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NTTの光技術で実現 通信を変えるIOWN構想とは?【Bizスクエア】|TBS NEWS DIG

2024年02月25日 | 新サービス

 低遅延で低消費電力、そして大容量のデータのやりとりを可能にするNTTの次世代通信技術「IOWN(アイオン)」がいま、注目されています。
IOWNは私たちの暮らしにどのような変化をもたらすのか。開発のキーパーソンでもある川添雄彦副社長に聞きます。
 


 【コメンテーター】
伊藤元重(東京大学名誉教授)

【スタジオゲスト】
川添雄彦(NTT副社長)
★「Bizスクエア」★
BS-TBS 毎週土曜日 午前11時から
是非ご覧ください。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
★「Bizスクエア」★ 
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超低遅延通信技術「APN」活用、NTTコムの新サービスでできること

2024年01月14日 | 新サービス

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2024年をめどにNTTグループの次世代通信基盤構想「IOWN(アイオン)」の関連サービスに乗り出す。IOWNの構成要素である超低遅延通信技術「APN」を用いた専用線サービスを提供する。県をまたぐ遠距離通信も可能になるとみられており、医師が遠隔地から患部の8K映像を見ながら手術支援ロボットを稼働させたり、各地のデータセンター(DC)をAPNで結び、あたかも一つの巨大なDCとして構築したりすることが可能になりそうだ。
APNはエレクトロニクス(電子)ベースの従来技術に比べて電力効率を100倍、伝送容量を125倍、遅延を200分の1にでき、圧倒的な低消費電力と高品質・大容量、低遅延の伝送を実現する見込み。すでにAPNを用いた実証を複数行っており、遠隔地の病院の手術室からAPN経由で送られてきた患部の8K映像を見ながら、医師が手術支援ロボットを操作するデモを行った。

 


APNはネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し、光で結ぶ通信技術。オールフォトニクス・ネットワークと呼ばれる。APNをめぐってはNTT東西が同一県内での通信に限り、23年3月に専用線サービス「APN IOWN1・0」を始めた。

一方、NTTコムは「(NTT東西のAPNサービスよりも)距離を長くする技術的な問題を解決できた」(丸岡亨社長)と明らかにしており、県をまたいだ県間通信が可能になるとみられる。同一県内の通信より遠距離の県間通信が可能となれば、APN利用企業・団体の拡充につながる。
DCに関しては、NTTコムが災害に強いDCサービス「ネクスセンター」を展開している。将来は首都圏や関西圏にある自社DC同士をAPNで結び、大型DCとして活用できる分散型DCの構築を目指す。これにより、電力調達先を分散でき、DC建設が可能な候補地を増やせる。


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NTT、生成AIサービスを24年3月に開始 法人向けに提供

2023年12月19日 | 新サービス

 NTTは独自開発した生成人工知能(AI)のサービスを2024年3月に始めると発表した。日本語の文章の流ちょうさに強みを持ち、医療や金融などの分野に特化することで性能の指標となるパラメーター数を抑えた。消費電力など運用コストを大幅に抑え、米IT(情報技術)大手などに対抗するモデルとして打ち出す。
 


今生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)を自社開発した。グループで企業向けのITサービス事業を手がけるNTTデータなどを通じて、業務効率化や生産性向上につながるサービスとして提供する。27年に年間1000億円以上の売上高を目指す。
サービス名は「tsuzumi(つづみ)」。開発過程でAIにどのようなサービス名が好ましいかを尋ね、実際の回答を採用したという。言語のやりとりに加え、請求書などの画像を読み込ませることもできる。
つづみは言語や機能を絞り込むことで小型化を実現した。日本語を扱う性能が高いのが特徴で、パラメーター数が70億と6億の2つのタイプを用意した。利用企業は求める性能などに応じて選択できる。
一般的にパラメーター数の多い巨大なモデルは幅広い知識を身につけられる一方、学習などに膨大な消費電力がかかる課題がある。チャットGPTのような巨大モデルでは、1回の学習で原子力発電所1基を1時間稼働させるだけの発電量を費やすとの試算もある。
都内で説明会を開いた島田明社長は「電力消費の低減という社会的課題を解決するという気概を持って開発を進める」と述べた。将来的にはNTTが開発中の通信基盤「IOWN(アイオン)」で生成AIをつなぎ、大規模なモデルに匹敵する性能を持たせることを目指す。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
日本経済新聞2023年11月1日 

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NTT、3月26日にAPN IOWN1.0 の 提供開始

2023年03月03日 | 新サービス

東日本電信電話株式会社(以下、NTT 東日本)および西日本電信電話株式会社(以下、 NTT 西日本)は、 IOWN構想 ※1 の 実現 に向けた 初めての商用サービスとして、通信ネットワークの全区間で光波長を 専有 する オールフォトニクス・ネットワーク (All Photonics Network 、以下、 APN IOWN1.0 を 2023 年 3 月 16 日 (木) に提供開始いたします。また、 APN IOWN1.0 上での遅延の可視化と遅延調整機能を 備えた 端末装置 「 OTN Anywhere 」も販売開始いたします。
※1 IOWN Innovative Optical and Wireless Network )構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。 詳しくは以下ホームページをご覧ください。
■IOWN 構想とは?https://www.rd.ntt/iown/index.html
 


  昨今、IoT Internet of Things の広がりやサービスの多様化により、データに基づいた分析やアクションを行うデータドリブンの社会へと急速に変貌しつつあり、将来的に は データ容量・電力容量の大幅 な 増加や通信遅延などの課題に直面することが想定されます。
未来のデータ社会の 実現に向けて、 NTT グループではフォトニクス (光 ベースの技術を活用し、従来の エレクトロニクス(電子)ベースの 通信ネットワークと比較して 、 伝送容量 を 125 倍、 エンドエンド の 遅延 を 1/200 ※2 、電力効率 を 100 倍にする APN の実現を目標に さまざま な研究開発に取り組んでいます。 お客さま とともに新たなユースケース創出・価値の創造を図っていく観点から、 今回、 「高速・大容量」「低遅延・ゆらぎ ゼロ 」を実現する APN サービス の第一 弾 として、 NTT 東日本および NTT 西日本は APN IOWN1.0の提供を開始いたします。
※2 同一圏内で圧縮処理が不要となる映像トラヒックでの遅延
※3 APN に関する詳細は以下ホームページをご覧ください。
■オールフォトニクス・ネットワークとはなにか
  https://www.rd.ntt/iown/0002.html


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NTTプレスリリース 

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世界最高速、1波長あたり毎秒2テラビット超の光伝送実験に成功 ~IOWN/6Gにおけるオールフォトニクス・ネットワークの大容量化・長距離化技術として期待~

2022年10月10日 | 新サービス

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、世界最高速となる1波長あたり毎秒2テラビットを超えるデジタルコヒーレント光信号の光伝送実験(以下「本実験」)に成功しました。
 


 本実験では、NTTが独自に開発した超広帯域ベースバンド増幅器ICモジュールと、光送受信回路の歪みを超高精度に補償可能なデジタル信号処理技術との高度な融合により、世界で初めて、1波長あたり毎秒2テラビットを超えるデジタルコヒーレント光信号の送受信を実証し、毎秒2.02テラビット光信号の240km光増幅中継伝送実験に成功しました。
本成果は、従来の実用レベルの2倍以上となる波長当たりの大容量化と長距離化を両立可能なデジタルコヒーレント光伝送技術の更なるスケーラビリティの可能性を示したものであり、将来のIOWN(*)/6Gにおけるオールフォトニクス・ネットワークの実現につながるコア技術として期待されます。本技術の詳細は、9月18日からスイス、バーゼルで開催された国際会議ECOC2022(European Conference on Optical Communication)の最難関発表セッションであるポストデッドライン論文として発表されました。
(*)
IOWN:
NTTニュースリリース「NTT Technology Report for Smart World:What's IOWN?」の発表について   https://group.ntt/jp/newsrelease/2019/05/09/190509b.html


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スマホがスターリンク衛星と直接通信、全米をカバー。T-Mobile×Starlink

2022年08月31日 | 新サービス

Space Xと米国の通信大手T-Mobileは25日(米国時間)、Space Xの衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」にT-Mobileのスマートフォンを接続可能にする計画「Coverage Above and Beyond」を発表した。従来は電波が届かなかった遠隔地など、米国の殆どエリアをカバー可能にする。  


現在のLTEと5Gネットワークでは、米国には50万平方マイル以上と広い海域が、どの携帯キャリアからもアクセスできない状態にある。従来の技術では、国立公園など土地利用の制限のある場所や、山や砂漠などの地形の制限がある地域では、接続を断たれ、衛星電話を持ち歩くために高い料金が必要になる。SpaceXとT-Mobileは、こうした制限が過去の遺物となるようビジョンを共有し、その一歩として今回の計画を発表した。
SpaceXのイーロン・マスク氏は、「これの重要な点は、携帯電話が世界のどこにもデッドゾーンがないことを意味する」と言及。両社は新しいネットワークを作り、Starlinkの衛星からT-Mobileのミッドバンドの周波数帯を使用する。新たな衛星-携帯電話サービスにより、「空を見ることができる場所」は、ほぼ完全にカバーすることができるという。 このCoverage Above and Beyondをグローバルに拡大するためのビジョンを共有し、世界の通信事業者に参加を呼びかけ。T-Mobileは、協力するプロバイダーに対して、相互ローミングを提供する。


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東京2020オリンピックで実現した新たな観戦体験がデジタルサイネージアワード2022で優秀賞を受賞

2022年07月04日 | 新サービス

NTTは昨年(2021年)、超高臨場感通信技術Kirari!を用いて、東京2020オリンピックのスポーツ観戦体験の再創造にチャレンジし、その取り組みがデジタルサイネージアワード2022の優秀賞に選ばれました(主催:一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム)。 


会場に一同に会することが難しいコロナ禍において、離れた場所にいても、試合会場にいるかのような観戦体験を、セーリング・バドミントン・マラソンにおいて再創造しました。セーリング競技では、5Gを使って競技映像をリアルタイムに洋上55mのワイドビジョンに伝送し、あたかもクルーズ船の特等席からレースを観戦しているような体験を提供しました。バドミントン競技では、競技映像から、選手とシャトルのみを抽出して、実物大に再現した遠隔地のコートにホログラフィックに表示させ、臨場感をそのままに伝え、あたかも実際の試合会場で観戦しているような体験を提供しました。マラソン競技では、競技会場(札幌)と応援会場(東京)を超低遅延通で接続することにより、これまで課題だった遅延を限りなくゼロに近づけることで、離れていても一体感を生み出す観戦体験を提供しました。
 これら離れた場所においても通信テクノロジによって臨場感を提供する取り組みが評価され、今回の受賞に至りました。
(参考)東京2020オリンピックにおける新たな観戦体験の価値
【セーリング】5Gを用いたセーリング競技中継において、巨大な超ワイド映像を海上に浮かべたことにより、映像と空・海が融合され、空間まるごとワープしてきたかのような臨場感を提供しました。

NTTリリース:https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/07/01/210701a.html


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IOWNは2022年実装開始 オール光網の骨格作りがスタート

2022年05月25日 | 新サービス

光の可能性を最大限に活かすことで、情報通信インフラを飛躍的に進化させる──。NTTの次世代構想「IOWN」が、ついに具体的な形を見せ始めた。IOWNの基礎となる「オール光網」の構築がスタートする。 


「2030年に向けて進化していくのがIOWN。いつから始まるのか、と問われるが、2025年まで待ってと言うつもりはない。オールフォトニクス・ネットワークはすでにPoCができる状態にあり、使える場所を見つけて2022年度から入れていく」
NTTの次世代情報通信基盤構想「IOWN」。研究企画部門 IOWN推進室・室長の川島正久氏によれば、その社会実装がいよいよ始まる。
オールフォトニクス・ネットワーク(APN)とはIOWN構想の主要構成要素の1つで、電気信号に変換することなく光のみで情報を伝送する次世代ネットワークのことだ。これに、TCP/IPを使わず、通信ノード間を光の波長パスでダイレクトに接続してデータを伝送する新たな手法を組み合わせることで、データ流通の仕組みを作り直そうとしている。
中継ノード(ルーター)でパケット転送を繰り返す現在のパケット網は「バケツリレー方式」だ。スマホとWebサーバーやクラウド間のように、どこでもつながるAny-to-any接続には適しているが、無駄も多い。
APNはそこから脱却し、Point-to-point接続が欲しい場面で、大量データを一気に流すパイプライン輸送へ転換することを狙っている。例えば、IoTセンサー/カメラと、そのデータ・映像を解析するエッジAIとの間、車・ドローンと、その運行を管理するデジタルツインとの間、5G基地局のアンテナと制御部との間などだ。
Any-to-any接続が必要ないポイント間を光パスで直接つなぎ、大容量・低遅延にデータを伝送する。いわば、水道管を引くイメージだ。
このAPNは、すでに稼働している。東京・大手町にあるNTTグループの拠点と、武蔵野市のNTT研究所との間だ。今後、グループの複数拠点をつないで段階的に規模を拡張し、APNのテストベッドを作る計画だ。
また、IOWNを試したい企業や自治体、大学等があれば、それらを相互接続しながらAPNを展開することも検討中という。「インターネットの成長過程と同じように、先行してIOWNを導入する町や大学、企業をつなぎながら、IOWNの通信空間を広げていく」(川島氏)
APNは、デバイス間をエンドツーエンドに光のパスでつなぐことを最終目標としているが、いきなりそれを目指すのは難しい。

そこで、IOWN GFでは、APNを終端するブリッジ装置をユーザー拠点等に置き、これを介して、光トランシーバーを持たないデバイスもAPNに通信できるようにする「早期展開モデル」でAPNを広げていく計画を立てている。
ブリッジや光トランシーバー搭載デバイスを光波長パスで接続・中継する「APNノード」は、現在の光ネットワークでも使われているROADMを再構成して作る。その下地となったのが、光伝送システムのオープン化の動きだ。
ROADMは、多重波長の光信号を制御して、最適な伝送経路へ切り替える装置だ。これを構成する機能群を分離し、機能ごとに配置・再構成できるディスアグリゲーション型ROADMを実現するための「Open ROADM」プロジェクトが、2010年代半ばから業界団体で進められてきた。APNノードは、このOpen ROADMで定義されている機能モジュールを使う。

APNはどのようなユースケースから実用化されるのか。最初のターゲットは5G基地局、スマートシティ、そしてデータセンター間接続だ。いずれもデータ量と消費電力の増大が大きく懸念される分野である。
1つめは5Gのフロントホールネットワークだ。5G基地局は、4Gまでと比べて圧倒的に多数の無線機(RU:Radio Unit)を設置する必要がある。RUの制御部(DU/CU)との間を流れるデータ量も消費電力も飛躍的に増大する。また、ミッションクリティカルな用途に使われることを想定して、低遅延な通信が求められる。
APNは、このRUと仮想化DU/CUをつなぐフロントホールに最適な回線になり得る
2つめのスマートシティでは、サイバー空間内に実世界を再現するデジタルツイン、サイバーフィジカルシステム(CPS)の基盤として使うことを考えている。
3つめのユースケースは、従来の「大規模集中型」から「小規模分散型」へ移行していくデータセンター間を接続するネットワークだ。
「5GフロントホールやエッジAI、分散型データセンターといった未来を支えるインフラの電力効率を改善するのにAPNを使う」と川島氏。
2022年度は、IOWNの具体像が見え始める1年になりそうだ。


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英国のローカル5G動向 日本にも参考になる

2021年10月05日 | 新サービス

英国では、2020年1月の欧州連合(EU)から正式離脱後、社会・経済をどのように維持・発展させていくかは国家的な命題となっている。その手段として、5G/ローカル5Gにも期待を寄せている。国を挙げての5G導入が進められる中、影を落としたのがハイリスクベンダーの排除問題である。英国にとっては、緊密な同盟国である米国と、5G分野において連携を進めていた中国との板挟みとなるような事態であったが、防衛・外交・貿易等の多面的な見地からの検討と、利害関係者との合意形成を重ね、2020年7月に、2020年末以降のファーウェイ社製品の購入禁止、2028年以降の5G網からの完全排除を決定した。 


英国政府は2017年3月に「5G戦略」を発表し、世界で進展するデジタル変革(DX)をけん引する5G分野で世界のリーダーとなるという野心的な目標の下、5G網の普及促進、生産性・効率性の向上、国内外の投資促進を目指している。
英国では、2019年4月の韓国、米国の世界初の事例には遅れたものの、同年5月に総合通信大手BT傘下の携帯大手EEが、英国初の5G商用サービスを開始した。残りの大手モバイルキャリアもサービスを開始し、2021年3月時点で加入者数は295万(出所:Telegeography社)と、欧州ではドイツに次ぐ市場規模となり、加入者は順調に増加している
英国では、EUのシステムや近年の世界情勢、あるいは格差の拡大に対し不満や不安を抱く英国の国民感情を背景に、EUからの離脱という国を揺るがす「有事」が起こった。その中で、打ち出された5G戦略が、地方自治に力点を置いているのは、先端技術の恩恵を地方にまで享受させ、英国全土の発展を目指すものである。
日本と英国は、同じ島国で海洋立国であり、自然と個性あふれる文化を備えた地方を持ち、国際競争力の観点からも産業の再生・発展を図ろうとしている点で共通している。2020年10月には、日英包括的経済協定(CEPA)が結ばれ、オープンRANにおいてもNEC等のベンダーが英国で活躍している。日本は、少子高齢化等により「静かなる有事」を迎えるとも言われる。英国のローカル5G事業の動向は、国全体で効果的・効率的な社会課題の解決や、新しい事業や付加価値の創造を目指す日本にも参考になることが多く、両国による提携も日々刻々と加速・深化している。

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「XRはIOWNの重要なアウトプット」NTTグループがXR戦略を説明

2021年09月29日 | 新サービス

NTTがXR戦略を発表した。IOWN構想の重要なアウトプットの1つとして、グループを挙げてXRビジネスに取り組む。2~3割の市場シェアを獲得し、XRビジネスのリーダーとして存在感を発揮していくことを目指すという。 


「XRをスマホの次の生活インフラととらえ、B2BもB2Cも全方位でやっていく。B2Bではシステム開発を行うNTTデータやシステムインテグレーションを提供するNTTコミュニケーションズなど、B2CではNTTドコモが中心になりビジネス全体を拡大していきたい。NTTはグループ全体の旗振り役としての役割を担っていく」
既にNTTのXRプラットフォーム「DOOR」による取り組みは、2021年4月開催の「ニコニコネット超会議」でのXR空間での歌舞伎公演など、いくつか生まれている。直近では9月30日から始まる「TOKYO GAME SHOW」において、電通との協業でVR空間における広告手法についてのテストマーケティングを実施する。
「XRのコンテンツ市場は2025年に5000億にもなると言われている。NTTグループとして、その2割か3割くらいの数字を取っていかないと、存在感を発揮できないと議論をしているところだ。デバイス市場もかなり大きくなる。デバイス市場も取っていきたい」とNTT 経営企画部門 XR推進担当 担当部長の山下博教氏は語った。
(注)XR(Extended Reality)とは、現実世界と仮想世界を融合する技術を総称した言葉です。現実では体験できないようなことがシミュレーションできるといった魅力から、今後、ビジネスシーンの幅広い分野で活用が期待されています。XRは、「VR」「AR」「MR」といった画像処理技術の総称です。

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NECが目指す「スーパーシティ」。10年先の「まるごと未来都市」

2021年07月12日 | 新サービス

NECは、政府が進める「スーパーシティ構想」の実現に向け、社内体制やソリューションの強化など、新たな取り組みを開始した。
スーパーシティとは、従来のスマートシティの特別版という位置づけで、生活全般にまたがる複数分野の先端的サービス提供や、複数分野間でのデータ連携、大規模な規制改革を実行することで、10年先のより良い生活を先行的に実現する「まるごと未来都市」を目指す取り組み。
2020年5月に可決された、国家戦略特別区域法案(スーパーシティ法案)に基づき実行されるもので、今後、スーパーシティへの重点投資を行なうことで、2025年度までに100都市でスマートシティを実現することが目標として掲げられている。
 


NECではこれに対応するため、100人規模のスーパーシティ事業推進本部を設置。NECグループの全国114カ所の営業・開発・保守拠点と連携し、地域密着型のサービスを模索する。
これまでNECは、国内13の地域でスマートシティの取り組みに参画。今回はあらたに、スーパーシティのビジョンとして「世界に誇れる『地域らしい』まち」を掲げてサービスを開発する。ビジョン実現のため、「経済基盤の活性化」「住む人・集まる人のQOL」「地域特有課題の解決」の3つを柱としていく。


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テラヘルツ帯でのフェーズドアレイ無線機を実現 ~次世代無線通信システムの実用化へ大きな一歩~

2021年02月10日 | 新サービス

200GHz以上の周波数帯で動作するCMOSフェーズドアレイ無線機を世界で初めて実現、通信に成功
新たに考案した双方向無線機によりアンテナ共有および高集積化を達成、
スマートフォン等のモバイル機器に搭載可能
 


東京工業大学 工学院 電気電子系の岡田健一教授らと日本電信電話株式会社の研究グループは、テラヘルツ帯で通信が可能なアクティブフェーズドアレイ無線機を世界で初めてCMOS集積回路により実現した。テラヘルツ帯は5Gの次の世代の無線通信システムでの利用が期待されており、今回の成果により実用化を大きく進展させることができた。
 このテラヘルツ無線機は、安価で量産が可能なシリコンCMOSプロセスで製造したICで構成され、サブハーモニック型の双方向ミキサにより同じ回路を送信にも受信にも切り替えて利用することができる。液晶ポリマー基板上の銅箔にアンテナパターンを形成し、薄化したCMOS ICを実装したものを4層積層することでフェーズドアレイアンテナを構成した。
 実験の結果、テラヘルツ帯での無線通信が可能であり、電波の放射方向を制御回路から操作できることを確認した。
 研究成果の詳細は、2021年2月13日(米国太平洋時間)からオンライン開催される国際会議ISSCC 2021「International Solid-State Circuits Conference 2021(国際固体素子回路会議)」で発表する。


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モバイルネットワーク向け光ファイバ無線伝送実験に成功

2020年12月22日 | 新サービス

KDDI総合研究所、矢崎総業株式会社(矢崎総業)、早稲田大学、情報通信研究機構(NICT)は、大容量の無線信号を収容局からビル内まで効率よく配信する「光ファイバ無線技術(IFoF方式)を開発し、5G最大伝送レートを上回る27Gbit/s無線信号のモバイルフロントホール伝送、およびビル内など屋内電波不感地帯向けの中継伝送技術を組み合わせた統合伝送実験に、世界で初めて成功した。 


この技術により、大容量無線信号の効率的な配信とアンテナ設置箇所のスペース・消費電力削減が可能となり、ミリ波を用いた5Gサービスや、5Gの次世代技術であるBeyond 5G/6Gに向けた動きが加速され、これまで以上の高速無線通信サービスを快適に利用できるようになると期待される。
今回の研究開発の成果は、光通信分野に関する国際会議ECOC2020で発表された。
(注)IFoF=Intermediate Frequency over Fiber。複数の無線信号を中間周波数帯(IF帯)で周波数多重し、アナログ光変調により1本の光ファイバ・1波長で一括してアンテナまで伝送する方式。比較的低い周波数領域で信号処理をするため、安価な光変調器・光デバイスで大容量の無線信号を配信できる。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
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