光産業技術動向ブログ OITT

OITTとは、Optoelectronic Industry and Technology Trendの略称です。

NTTと中華電信、世界初のIOWN国際間オールフォトニクスネットワークを開通 ~日本と台湾間の約3000kmをわずか約17msecの超低遅延で接続~

2024年09月01日 | 新サービス

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と、中華電信股份有限公司(本社:台北市中正区、董事長:郭 水義、以下「中華電信」)は、2023年10月25日に締結した基本合意書に基づき、双方のオールフォトニクス・ネットワーク(以下「APN」)を用いて、8月29日、中華電信のデータセンタ(台湾:桃園市内)からNTT武蔵野研究開発センタ(日本:武蔵野市内)までを開通し、約3,000kmの長距離を片道約17msecの低遅延かつゆらぎのない安定した通信を実現しました。APNの国際間開通は世界で初めてのことです。
 今後は、この国際間APNを用いて、グローバルレベルでのIOWNビジネス展開を両社で推進してまいります。なお、本APNを用いた各種デモンストレーションをNTT R&D Forum 2024※1等で展示いたします。
 


国際間APNの開通にあたり、NTTは、NTT武蔵野研究開発センタ(日本:武蔵野市緑町)から日本国内の海底光ファイバー陸揚げ局まで、中華電信は、そこから台湾の陸揚げ局、桃園データセンター(台湾:桃園市桃園)までのAPNを構築しました。そして両社が協力し、それぞれの区間を接続するとともに、End-to-Endでの通信が安定して行われることを確認しました。
 本国際間APNは100Gbpsの光パスで実現しています。通信品質試験を行った結果、遅延は片道で16.92msec、遅延ゆらぎはほとんどありませんでした(表1)。なお、本国際間APNは、IOWN Global Forum※3のOAA(Open All-Photonic Network Functional Architecture)※4に対応している様々なメーカーの機器を利用し、相互接続を実現しています。
両社協力の下、日本と台湾に拠点を置く半導体分野などの製造業を中心に、被災時のBCP対策としてのデータバックアップやレプリケーションサービス、大規模言語モデル(tsuzumi)などを今後提供してまいります。
 またNTTは2025年大阪・関西万博NTTパビリオンデーにおいて、「超歌舞伎〈CHO-KABUKI〉Powered by IOWN『今昔饗宴千本桜 Expo2025 ver.』」の公演を計画しており、本国際APNの活用も検討しております。ご期待ください。



用語解説
※1.
NTT R&D FORUM 2024 公式サイト
URL:https://www.rd.ntt/forum/当該ページを別ウィンドウで開きます

※2.
NTTと中華電信、IOWNによる国際ネットワーク接続の実現に向けた基本合意書を締結
https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/10/25/231025b.html

※3.
IOWN Global Forum
https://iowngf.org/当該ページを別ウィンドウで開きます

※4.
Open All-Photonic Network Functional Architecture 2.0
https://iowngf.org/wp-content/uploads/formidable/21/IOWN-GF-RD-Open_APN_Functional_Architecture-2.0.pdf当該ページを別ウィンドウで開きます



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光ファイバ伝送路の状態を測定器なしでエンドツーエンドに可視化できる技術を開発し、世界初、世界最高精度でのフィールド実証に成功 ~光ネットワークのデジタルツインの実現へ前進、迅速な光接続/保守が可能に~

2024年08月23日 | 新技術開発

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、光ファイバ伝送路の状態を測定器なしでエンドツーエンドに可視化する技術を開発し、商用環境を模擬した北米フィールド網にて世界初、世界最高精度の実証に成功しました。本技術は、光ネットワークのデジタルツイン(※1)の実現を大きく前進させ、IOWN(※2) APN(※3)におけるエンドツーエンド光接続の迅速な確立/保守への応用が期待されます。
 本成果は、2024年3月24日から3月28日に米国カリフォルニア州サンディエゴで開催された光通信技術に関する国際会議OFC2024(The Optical Fiber Communication Conference and Exhibition)の最難関発表セッションであるポストデッドライン論文[1]として発表されました。
 


 本研究における主な成果は、以下3点です。
①光ネットワークの端点に設置されている光トランシーバに到達する光信号のみから、光ファイバ伝送路のエンドツーエンドの光信号パワーを、専用測定器を用いずにわずか数分で可視化するDigital Longitudinal Monitoring(DLM)技術[2]の開発
②光信号パワーの可視化を距離方向だけでなく、時間、周波数、偏波方向にまで拡張した4次元光パワー可視化技術の開発
③デューク大学、NEC Laboratories America, Inc.との共同実験のもと、商用環境を模擬した北米フィールド網[3]にて、世界初、世界最高精度の実証に成功
これらの成果は、光ネットワークの構築に必要な光ファイバ伝送路状態の測定が、DLM技術を用いることで光トランシーバのみで実施可能になることを示しています。これにより、専用測定器を用いずにお客さま拠点間のすべての光ファイバや光増幅器を一括測定可能になるため、光接続の設計や異常の特定にかかる時間を大幅に短縮可能になります。


用語解説
※1
デジタルツイン
ヒトやモノなどを、現実の世界から収集したデータによって、サイバー空間上に再現する技術。サイバー空間上に再現された個々の対象に対して分析・予測を行い、その結果を現実の世界に活用することを目的とする。
https://www.rd.ntt/iown/0003.html当該ページを別ウィンドウで開きます

※2
Innovative Optical and Wireless Network(IOWN)
あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、光を中心とした革新的技術を活用し、高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤。NTTニュースリリース「NTT Technology Report for Smart World:What's IOWN?」
https://group.ntt/jp/newsrelease/2019/05/09/190509b.html

※3
All Photonics Network(APN)
IOWN Global Forumにてオープンにアーキテクチャ策定が行われているフォトニクス技術をベースとした革新的ネットワーク。IOWNのユースケースを支えるネットワークとして、必要なときに必要な地点間を光でダイレクトに接続可能にする。
https://www.rd.ntt/iown/当該ページを別ウィンドウで開きます

文献
[1]
T. Sasai, G. Borraccini, Y. K. Huang, H. Nishizawa, Z. Wang, T. Chen, Y. Sone, T. Matsumura, M. Nakamura, E. Yamazaki, and Y. Kisaka, "4D Optical Link Tomography: First Field Demonstration of Autonomous Transponder Capable of Distance, Time, Frequency, and Polarization Resolved Monitoring," Optical Fiber Communication Conference and Exhibition (OFC), Th4B.7, 2024.

[2]
T. Sasai, M. Nakamura, E. Yamazaki, S. Yamamoto, H. Nishizawa, and Y. Kisaka, "Digital Longitudinal Monitoring of Optical Fiber Communication Link," Journal of Lightwave Technology, vol. 40, no. 8, pp. 2390-2408,2022.

[3]
デューク大学 ニュースリリース「Pushing the Limits and Advancing the Capabilities of Fiber-Optic Networks」 https://pratt.duke.edu/news/2024-ofc-paper-awards/  当該ページを別ウィンドウで開きます


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基準光配信と光コムを用い、光源一つで大容量コヒーレント光通信に成功【NICT】光通信システムの広帯域化と低コスト化に活用

2024年07月25日 | 新サービス

 NICTフォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループは7月24日、基準光配信と光コム技術を組み合わせて、最新の商用光通信装置200台分の伝送容量に相当する336Tbpsの光通信を実証したと発表した。従来の方式であれば200個の光源が必要だが、今回の実証では光源一つで達成した。
 


 国際共同研究グループは「本研究で当グループは、光通信の周波数規格に準拠し、S、C、L波長帯のほぼ全域でコヒーレント光通信を可能とする高品質光コムの生成に世界で初めて成功した。これをネットワーク上での基準光配信技術と組み合わせ、送受信ノード間で自動的に周波数が同期する650波長のコヒーレント光通信チャネルを構築した。これらの通信チャネルで多値変調と空間多重を行い、大容量伝送を実現した。 


 同成果は、S帯通信用光源モジュールの商用化開発・実装を代替し得るもので、商用の波長多重通信の広帯域化を加速し、波長ごとに異なる数百個の通信用光源を用意する必要がなくなるので光通信システムの低コスト化が期待できる。加えて、マルチコアファイバなどの空間多重を更に活用すると、1本の光ファイバ回線当たり数千台分の通信装置からの光源削減が可能と見込まれ、より一層の低コスト化が期待される。
 同実験結果の論文は、OFC 2024にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Postdeadline Paper)として採択され、現地時間3月28日に発表された。


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米国発 NTT研究成果イベント「Upgrade2024」

2024年06月29日 | 通信市場

 NTTはスマートな世界の実現に向け、様々な研究所で研究開発活動を継続しています。毎年5月には茨城県の筑波研究開発センタで「つくばフォーラム」を、11月には東京都の武蔵野研究開発センタで「R&Dフォーラム」を開催するなど、NTTグループが取り組んでいる最先端の研究開発内容を公開しています。
 海外でも2019年7月に米西海岸のシリコンバレーに米国での研究開発拠点となるNTTリサーチを開設しました。光技術や量子技術、暗号やヘルスケア領域の基礎研究などを海外の研究者と一緒に進め、NTTグループの海外展開を後押ししていくのが目的です。またグループの研究開発内容を海外に発信するため、NTTリサーチは毎年「Upgrade」というイベントを開催しており、今年も4月10-11日の2日間、サンフランシスコで開催しました。
 イベントを現地で取材した(株)MM総研の関口和一代表取締役所長のレポートとしてお知らせします。
 


目次

1)「Upgrade2024」概要
2)五味和洋 NTTリサーチ CEO インタビュー
3)川添雄彦 NTT 代表取締役副社長インタビュー
4)木下真吾 NTT 執行役員研究開発マーケティング本部研究企画部門長インタビュー
 


「Upgrade2024」概要
米国におけるNTTの研究開発拠点であるNTTリサーチが4月10-11日の2日間、サンフランシスコで「Upgrade」と呼ばれる研究成果の公開イベントを開催した。2020年の開始から今年で4回目となるが、国内外から約700人が会場を訪れ、日本企業が米国で開くイベントとしては大きな賑わいを見せた。

シリコンバレーのサニーベールに本社を置くNTTリサーチは5-10年後の事業創造を目指した基礎研究を担っている。具体的な研究領域としては、次世代の情報通信基盤となる光技術や量子物理学、情報セキュリティを支える暗号情報理論やブロックチェーン技術、医療のデジタル化を促す生体情報処理技術の3つが柱だ。「Upgrade」のイベントもNTTリサーチが中心となって実施している。

会場はNTTが海外情報発信のためにサンフランシスコ市街に設けた「NTT XC(エクスペリエンスセンター)」を使い、26の展示ブースを開設した。内容的にはNTTリサーチが米国で進めている技術研究のほか、日本の研究所が取り組んでいる次世代光情報通信基盤の「IOWN」や生成AIの「tsuzumi」などを展示した。NTTコミュニケーションズやNTTデータの米国子会社、NTTデータサービスもサステナビリティや輸送モビリティサービス技術などを展示し、来場者の関心を呼んだ。

会期は2日間にわたり、初日はNTTリサーチの五味和洋CEOとNTT研究企画部門の荒金陽助IOWN推進室長が記者会見し、IOWNの高速通信ネットワーク「APN (All-Photonics Network)」を使って米国と英国それぞれの国内でデータセンターを超低遅延で接続する実験に成功したことを明らかにした。最近は環境問題や用地不足などから都市部でのデータセンターの開設が難しくなっており、「APNで都市部と郊外のデータセンターを結べば一体運用できるようになる」(荒金IOWN推進室長)という。


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NTTの宇宙ビジネス分野における事業戦略について

2024年06月06日 | 新技術開発

 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田明、以下「NTT」)は、宇宙ビジネスを取り巻く環境を踏まえ、以前に発表した宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想※1の実現に向け、注力領域を定めて事業開発を加速していくとともに、宇宙ビジネス分野におけるブランド「NTT C89」を立上げ、NTTグループにおける宇宙関連事業の拡大および宇宙産業全体の発展に貢献していきます。
※1:
宇宙統合コンピューティング・ネットワーク
2021年にスカパーJSATと共同で発表した構想。HAPS、静止軌道衛星、低軌道衛星を統合し、それらと地上を光無線通信ネットワークで結び、分散コンピューティングによって様々なデータ処理を高度化する、宇宙の新たなICTインフラ基盤構築を目指す。
 


1. 宇宙ビジネスを取り巻く環境
近年の宇宙技術の発展による打上げコストの低減や、月への興味関心の拡大など、宇宙空間を活用したビジネス・サービスに関する企業参入が増え、宇宙がより身近な存在になってきています。日本政府においても、「宇宙基本計画」「宇宙安全保障構想」を公表し、「宇宙戦略基金」を創設するなど、宇宙事業を取り巻く環境が変曲点を迎えています。このような背景を踏まえ、宇宙ビジネス分野における注力領域を定め、事業開発と技術開発を加速するとともに、NTTグループ各社等の関連事業を有機的に繋げ、お客様の要望にあったソリューションを提供することで、宇宙ビジネス分野における事業拡大と、更なる市場開拓を促し、宇宙産業全体の発展に貢献していきます。
2. 宇宙ビジネス分野において注力する領域
宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想において、自社の技術的な強みを活かし自前化を目指す領域と、新たな技術開発を行いつつパートナーとの連携でサービス化を加速する領域を戦略的に分け、それぞれの領域において市場創造・拡大をけん引する事業開発と技術開発の両方を実行していきます。
3. 宇宙ビジネス分野における新たなブランド設立
NTTグループ各社等は、宇宙分野における各社のサービス・事業を有機的に繋ぎ、お客様のニーズに合ったソリューションを提案することで、NTTグループ各社等の宇宙領域におけるビジネス強化およびシナジー効果創出と、宇宙分野の新たな市場開拓を目指し、新たなブランド「NTT C89」を立ち上げます。
( 1 ) ブランド名称 / ロゴ
名称:エヌ・ティ・ティ シー・エイティ・ナイン
ロゴ:NTT CONSTELLATION 89 PROJECTロゴ
NTTグループ各社等の宇宙分野における事業・サービス・研究開発などの取り組みを「星」と定義し、それぞれを有機的に繋げていくことで「新たに89個目の星座を作っていく」という想いをあらわしました。
( 2 ) WEBサイト
2024年6月3日(月)より、NTTグループ各社等における宇宙ビジネス分野におけるカテゴリーブランド「NTT C89」に関するWEBサイトを立上げます。

「日本版」https://group.ntt/jp/aerospace
「英語版」https://group.ntt/en/aerospace
4. 今後の事業展開について
今後、NTTグループ各社等は、上記の「NTT C89」ブランドの下、様々なサービス・ソリューションを国内外に提供していきます。HAPSを活用した通信サービス提供開始や、地球観測事業者向けの衛星間通信(光データリレーサービス)の提供、観測衛星で撮影されたデータを活用したサービス拡充などを予定しています。また、海外衛星ブロードバンドサービス事業など外部パートナーとの連携によるサービス展開も含めて、お客様にベストミックスなソリューション提案できるように積極的に宇宙ビジネス分野のサービスラインアップ拡充を図っていきます。


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世界初、高度約4km上空から38GHz帯電波での5G通信の実証実験に成功 ~成層圏からの5G通信サービスの早期実現に大きく前進~

2024年05月28日 | 新サービス

 スカパーJSAT株式会社(以下、スカパーJSAT)、株式会社 NTT ドコモ(以下、ドコモ)、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICTエヌアイシーティー
)、パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニックHD)は、HAPS(High Altitude Platform Station:高高度プラットフォーム局)を模擬した小型飛行機(今回の実験では共立航空撮影株式会社の運航するセスナ機を使用)(以下、セスナ機)を活用し、高度約4kmからの38GHz帯での5G通信の実証実験(以下、本実験)に成功しました。
 


本実験では、HAPS を用いた5G通信ネットワークのフィーダリンク/バックホール回線の実用化に向け、
HAPS への搭載を想定して新たに開発した通信装置(以下、セスナ機搭載局)をセスナ機へ搭載し、自動
追尾機能をもつレンズタイプのアンテナを HAPS 地上局(以下、地上局)として利用しました。これにより、高度
約4km上空のセスナ機と地上局3局との間で、38GHz帯電波を利用した5G NR方式の上空中継による
地上5G網のバックホール回線を確立しました。38GHz帯電波による 5G NR方式を使用した、上空中継の
複数リンクからなるバックホール回線の実証は世界初の試みとなります。
HAPSを利用した非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network)(以下、NTN)は、5Gや6G
において通信エリアを拡大するカバレッジ拡張実現に有効な技術であるため、今後、本実験で得られた結果を
活用し、HAPSの早期実用化とNTNの実現に向けて取り組んでまいります。


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光演算素子を用いた光暗号回路を世界で初めて実証

2024年04月28日 | 新技術開発

 NTT社会情報研究所とNTT物性科学基礎研究所は、文教大学、群馬大学および長崎県立大学と共同で、世界で初めて光演算素子を用いた共通鍵暗号の暗号関数の実装方式を考案し、その方式を基に作製した光回路の原理検証を行い、それが正しく動作することを確認しました。この結果をまとめた論文は、2024年4月15日~18日にIEEE Photonics Societyが日本で開催する、シリコンフォトニクスに関する著名な国際会議2024 IEEE Silicon Photonics Conferenceにおいて発表されます。
 


 ■Photonic Cryptographic Circuits Consisting of Thermo-optic MZI Switch or Y-Branches
高橋 順子(NTT社会情報研究所)、北 翔太(NTT物性科学基礎研究所)、新家 昭彦(NTT物性科学基礎研究所)、青木 和麻呂(文教大学)、千田 浩司(群馬大学)、星野 文学(長崎県立大学)

NTTが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)では、コンピューティング環境や各種電子機器を光技術によるデバイスに置き換えて光ネットワークで結ぶことで低遅延・低消費電力などの情報処理基盤の実現をめざしています。現在は、暗号演算のような複雑なデジタル演算は電子回路で行われていますが、光技術で様々な演算処理を行う中で暗号演算も光回路で実装することにより、電子回路に比べて、遅延は1/200、電力効率は100倍といった更なる低遅延・低消費電力の演算の実現を目標としています。
 そこで本論文では、光演算素子を用いて、標準化されている軽量暗号の主要な非線形暗号関数であるS-box回路の実装方式を考案しました。その実装方式を基に、マッハツェンダー型光変調器およびY分岐素子を用いて、シリコンフォトニクス技術により、各々のS-box回路を作製し、正しく演算できることを世界で初めて実証しました。これにより、複雑なデジタル演算から構成される暗号演算を光回路で実装することの第一歩となり、低遅延・低消費電力の演算の実現につながることが期待されます。
 NTTグループでは引き続き、暗号回路を光技術で実現する研究開発を通じて、IOWNの安全な情報処理基盤の実現に貢献してまいります。


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英国で100キロ離れたDC間を1ミリ秒以下で接続、NTTとNTTデータがIOWN利用で

2024年04月27日 | 新技術開発

 NTTとNTTデータグループは2024年4月12日、英国と米国の国内で実証実験を実施し、NTTグループが所有する約100キロメートル離れたデータセンター(DC)間を1ミリ秒以下の低遅延で接続することに成功したと発表した。同社の次世代ネットワーク構想「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network、アイオン)」の光通信インフラ「オールフォトニクスネットワーク(APN)」を利用して実現した。
 


 実証実験の結果、400Gbps(ギガビット/秒)の通信において両DCを1ミリ秒未満の遅延、1マイクロ秒未満の遅延ゆらぎで接続できたという。英国ではへメル・ヘムステッドとダゲナムのファイバー長で89キロメートル離れたDC間で、米国ではバージニア州アッシュバーンにある4キロメートル離れたDC間で実証実験を行った。いずれもNECのAPN機器で接続し、両DC間の往復遅延と遅延ゆらぎを測定した。

 NTTは今回の実験成功により約100キロメートル離れたDCが「同一のDCと同等の統合ITインフラとして機能する」ことを示せたと表明。「分散型リアルタイムAI(人工知能)分析や金融分野への適用可能性を示すものだ」としている。NTTは国内で既に同様の実証実験を実施し、そこでの課題を洗い出すなど2026年の商用化を目指している。


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NICTを中心にした国際共同研究グループは、既存の光ファイバ伝送で、伝送容量と周波数帯域の世界記録を達成 〜マルチバンド波長多重技術により光通信インフラの通信容量を拡大〜

2024年03月30日 | 新技術開発

 既存光ファイバの伝送容量の世界記録を更新する、毎秒378.9テラビットの伝送を実証
世界最大の37.6テラヘルツの周波数帯域を利用し、伝送容量を拡大
通信需要が高まる将来において、光通信インフラの通信容量拡大に大きく貢献
 


 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー、理事長: 徳田 英幸)フォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループは、光ファイバ伝送で世界最大の37.6テラヘルツの周波数帯域を活用し、毎秒378.9テラビットの伝送実験に成功し、既存光ファイバの伝送容量の世界記録を達成しました。
今回は、商用の長距離光ファイバ伝送システムで利用されている波長帯(C帯、L帯)に加え、今後の利用が期待される波長帯(O帯、E帯、S帯、U帯)を活用したマルチバンド波長多重技術により、大容量化を図りました。さらに、各波長帯に最適な光増幅方式を活用して全波長帯に対応した光ファイバ伝送システムを開発し、大容量伝送実験に成功しました。今回の技術は、通信需要が高まる将来において、光通信インフラの通信容量拡大に大きく貢献することが期待されます。
なお、本成果の論文は、米国サンディエゴにて開催された第47回光ファイバ通信国際会議(OFC 2024)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Postdeadline Paper)として採択され、現地時間2024年3月28日(木)に発表しました。


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NICTニュース 
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NECとNTT、大容量光技術で大西洋分の距離伝送 世界初

2024年03月22日 | 新技術開発

 NECとNTTは21日、次世代の光ファイバー「マルチコアファイバー」に関し、光信号の通り道(コア)を12本に増やした新型タイプで7280キロメートルの長距離伝送に世界で初めて成功したと発表した。世界の通信量が急増するなか、大陸間のデータ通信を担う海底ケーブルなどの大容量化につながる。2030年ごろの実用化を目指す。
 


 光信号の伝送容量は現状に比べて最大12倍まで高められる可能性がある。両社は髪の毛と同程度となる太さ0.125ミリメートルの標準的な光ファイバーにコアを12本設けた。伝送に成功した7000キロ超は大西洋を横断できる距離に相当する。

通り道が多ければ、送ることができる信号も増やせる。ただコア同士の間隔が狭くなるため、隣のコアから漏れてきた光信号と混じり合い、通信品質の劣化につながる課題があった。今回の実験では「MIMO(マイモ)」と呼ばれる無線通信向けの技術を信号処理に利用することで、受信時に信号を正確に復調することに成功したという。

高速通信規格「5G」の普及やデータセンターの設置拡大などを背景に、世界の通信量は急増している。複数の通り道を束ねる「マルチコア」が広がれば、海底ケーブルや陸上用の光ケーブルの伝送容量の拡大につながる。

マルチコアは次世代通信規格「6G」や、NTTが推進する次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を支える基盤技術としても注目されている。NECと米グーグルがコア2本の光ファイバーを使った海底ケーブルの敷設を始めている。
日本経済新聞ニュース 
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