光産業技術動向ブログ OITT

OITTとは、Optoelectronic Industry and Technology Trendの略称です。

NTT、生成AIサービスを24年3月に開始 法人向けに提供

2023年12月19日 | 新サービス

 NTTは独自開発した生成人工知能(AI)のサービスを2024年3月に始めると発表した。日本語の文章の流ちょうさに強みを持ち、医療や金融などの分野に特化することで性能の指標となるパラメーター数を抑えた。消費電力など運用コストを大幅に抑え、米IT(情報技術)大手などに対抗するモデルとして打ち出す。
 


今生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)を自社開発した。グループで企業向けのITサービス事業を手がけるNTTデータなどを通じて、業務効率化や生産性向上につながるサービスとして提供する。27年に年間1000億円以上の売上高を目指す。
サービス名は「tsuzumi(つづみ)」。開発過程でAIにどのようなサービス名が好ましいかを尋ね、実際の回答を採用したという。言語のやりとりに加え、請求書などの画像を読み込ませることもできる。
つづみは言語や機能を絞り込むことで小型化を実現した。日本語を扱う性能が高いのが特徴で、パラメーター数が70億と6億の2つのタイプを用意した。利用企業は求める性能などに応じて選択できる。
一般的にパラメーター数の多い巨大なモデルは幅広い知識を身につけられる一方、学習などに膨大な消費電力がかかる課題がある。チャットGPTのような巨大モデルでは、1回の学習で原子力発電所1基を1時間稼働させるだけの発電量を費やすとの試算もある。
都内で説明会を開いた島田明社長は「電力消費の低減という社会的課題を解決するという気概を持って開発を進める」と述べた。将来的にはNTTが開発中の通信基盤「IOWN(アイオン)」で生成AIをつなぎ、大規模なモデルに匹敵する性能を持たせることを目指す。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
日本経済新聞2023年11月1日 

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既存の光ファイバにおける伝送容量の世界記録更新、毎秒301テラビット伝送を実証 ~光通信インフラの新たな波長領域を開拓する技術を開発して達成~

2023年12月12日 | 新技術開発

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー、理事長: 徳田 英幸)フォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループは、現在市中に敷設されているものと同じ、既存の光ファイバで世界最大の伝送容量となる毎秒301テラビットの伝送実験に成功し、従来の世界記録を更新しました。
 


今回の記録は、既存の光ファイバでは未使用であった新しい波長領域を開拓するために光増幅器と光強度調整器を新たに開発し、多数の波長を利用可能にすることで達成できました。今回開発した技術は、通信需要が高まる将来において、光通信インフラの通信容量拡大に大きく貢献することが期待されます。
NICTは、国際共同研究グループが製作したE帯向けビスマス添加ファイバ光増幅器・光強度調整器を利用して、既存の光ファイバで世界最大の波長領域を持つ光ファイバ伝送システムを開発しました。伝送システムは、光ファイバ、複数の光増幅器(ビスマス添加光ファイバ増幅器、ツリウム添加光ファイバ増幅器、エルビウム添加光ファイバ増幅器、ラマン増幅)、送受信器、光強度調整器、合波器/分波器などから成ります。
 今回は、E帯、S帯、C帯、L帯を合わせて世界最大の27.8テラヘルツの周波数帯域幅(212 nmの波長幅)、1,097の波長数(E帯: 315波、S帯: 315波、C帯: 200波、L帯: 267波)を用いて、毎秒301テラビットの波長多重信号の51 km伝送を達成しました。信号の変調には、情報量が多い偏波多重QAM方式を使用し、64QAMをE帯、256QAMを S帯、C帯、L帯に使用しました。過去の成果と比較して、伝送容量23%、周波数帯域幅41%の増加を達成しました。
なお、本成果の論文は、英国グラスゴーにて開催された第49回欧州光通信国際会議(ECOC 2023)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Postdeadline Paper)として採択され、現地時間2023年10月5日(木)に発表しました。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
NICTニュース 

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既設光ファイバーを用いた大容量マルチバンド波長多重伝送に成功 ~現状の商用光伝送技術に比べて5.2倍の波長多重度での伝送が可能~

2023年12月12日 | 新技術開発

 NEDOが委託する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」(以下 本事業)の一環で、富士通株式会社と株式会社KDDI総合研究所は今般、既設光ファイバーを用いた大容量マルチバンド波長多重伝送技術の開発に成功しました。従来、中長距離の商用光通信では使用されていなかったC帯以外の波長帯を、一括波長変換およびマルチバンド増幅技術を用いて伝送可能にする技術を開発しました。
 


本技術を導入した光ファイバー通信網では、現状の商用光伝送技術に比較して5.2倍の波長多重度での伝送が可能になります。また、既設の光ファイバー設備を利活用するため、経済的かつ省力的に通信トラフィックを増大できます。さらに拡張工事が難しい都市部や密集地での伝送容量を容易に拡大でき、サービス開始までの時間短縮やコスト削減も期待できます。
富士通は、マルチバンド伝送における伝送性能の劣化要因を考慮したシミュレーションモデルを構築し、マルチバンド波長多重システムの伝送設計を可能にしました。シミュレーションモデルには、商用光ファイバー特性の測定結果および一括波長変換器/マルチバンド増幅器の実験系検証により抽出した伝送パラメーターを反映することで、実機測定との誤差を1dB以内に抑える高精度シミュレーションを実現し、バンド帯間の相互作用や伝送性能の劣化を考慮した設計を可能にしました。
また、KDDI総合研究所は、これまで高密度波長分割多重(DWDM)伝送で活用されることがなかったO帯で、従来のC帯の2倍の周波数帯域幅の活用を可能にしました。両者の技術を組み合わせ、既設の光ファイバーを用いて実際に伝送実験を行い、O帯、S帯、C帯、L帯、U帯でのマルチバンド波長多重伝送(伝送距離45km)を実証し、従来のC帯のみの伝送と比べて波長多重度5.2倍の伝送が可能であることを示しました。さらにシミュレーションでは、S帯、C帯、L帯、U帯でのマルチバンド波長多重伝送(伝送距離560km)を確認しました。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
KDDIニュース 

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フィールド環境敷設のマルチコアファイバケーブルで、世界で初めて毎秒1.6テラビット光伝送実験に成功 ~大規模データセンタネットワークにおけるイーサネットの大容量化技術として期待~

2023年12月10日 | 新技術開発

 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、フィールド敷設4コアファイバを用いて、世界初となるファイバ1心で毎秒1.6テラビットを超える強度変調直接検波(IM-DD)方式による光信号の空間多重光伝送実験(以下「本実験」)に成功しました。
 


本実験では、1レーンあたり毎秒400ギガビットを超えるIM-DD光信号の送受信を、イーサネット標準の波長帯域(O帯)において実証し、世界で初めて、フィールド環境において1ファイバあたり毎秒1.6テラビットの超高速IM-DD信号の10km伝送実験に成功しました。本成果は、NTT独自の超広帯域ベースバンド増幅器ICモジュールと、超高精度なデジタル信号処理技術、およびマルチコアファイバを用いた空間多重伝送技術の高度な融合により達成されました。
 本成果は、従来の実用レベルの4倍以上となる大容量化を実証し、大規模データセンタネットワークの更なるスケーラビリティ向上の可能性を示したものであり、次世代イーサネットのコア技術として期待されます。
 本技術の詳細は、10月1日からイギリス、グラスゴーで開催された国際会議ECOC2023(European Conference on Optical Communications)の伝送部門において査読委員から最も高く評価されたトップスコア論文として採択され、10月5日(現地時間)に発表されました。なお、本研究成果の一部は、国立研究開発法人情報通信研究機構の委託研究「高度通信・放送研究開発委託研究(採択番号20301)」により得られたものです。


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NTTグループニュース 

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