NTTは独自開発した生成人工知能(AI)のサービスを2024年3月に始めると発表した。日本語の文章の流ちょうさに強みを持ち、医療や金融などの分野に特化することで性能の指標となるパラメーター数を抑えた。消費電力など運用コストを大幅に抑え、米IT(情報技術)大手などに対抗するモデルとして打ち出す。
今生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)を自社開発した。グループで企業向けのITサービス事業を手がけるNTTデータなどを通じて、業務効率化や生産性向上につながるサービスとして提供する。27年に年間1000億円以上の売上高を目指す。
サービス名は「tsuzumi(つづみ)」。開発過程でAIにどのようなサービス名が好ましいかを尋ね、実際の回答を採用したという。言語のやりとりに加え、請求書などの画像を読み込ませることもできる。
つづみは言語や機能を絞り込むことで小型化を実現した。日本語を扱う性能が高いのが特徴で、パラメーター数が70億と6億の2つのタイプを用意した。利用企業は求める性能などに応じて選択できる。
一般的にパラメーター数の多い巨大なモデルは幅広い知識を身につけられる一方、学習などに膨大な消費電力がかかる課題がある。チャットGPTのような巨大モデルでは、1回の学習で原子力発電所1基を1時間稼働させるだけの発電量を費やすとの試算もある。
都内で説明会を開いた島田明社長は「電力消費の低減という社会的課題を解決するという気概を持って開発を進める」と述べた。将来的にはNTTが開発中の通信基盤「IOWN(アイオン)」で生成AIをつなぎ、大規模なモデルに匹敵する性能を持たせることを目指す。
さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
日本経済新聞2023年11月1日
光技術や光産業の情報交流フォーラム
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