光産業技術動向ブログ OITT

OITTとは、Optoelectronic Industry and Technology Trendの略称です。

NICTを中心にした国際共同研究グループは、既存の光ファイバ伝送で、伝送容量と周波数帯域の世界記録を達成 〜マルチバンド波長多重技術により光通信インフラの通信容量を拡大〜

2024年03月30日 | 新技術開発

 既存光ファイバの伝送容量の世界記録を更新する、毎秒378.9テラビットの伝送を実証
世界最大の37.6テラヘルツの周波数帯域を利用し、伝送容量を拡大
通信需要が高まる将来において、光通信インフラの通信容量拡大に大きく貢献
 


 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICTエヌアイシーティー、理事長: 徳田 英幸)フォトニックネットワーク研究室を中心とした国際共同研究グループは、光ファイバ伝送で世界最大の37.6テラヘルツの周波数帯域を活用し、毎秒378.9テラビットの伝送実験に成功し、既存光ファイバの伝送容量の世界記録を達成しました。
今回は、商用の長距離光ファイバ伝送システムで利用されている波長帯(C帯、L帯)に加え、今後の利用が期待される波長帯(O帯、E帯、S帯、U帯)を活用したマルチバンド波長多重技術により、大容量化を図りました。さらに、各波長帯に最適な光増幅方式を活用して全波長帯に対応した光ファイバ伝送システムを開発し、大容量伝送実験に成功しました。今回の技術は、通信需要が高まる将来において、光通信インフラの通信容量拡大に大きく貢献することが期待されます。
なお、本成果の論文は、米国サンディエゴにて開催された第47回光ファイバ通信国際会議(OFC 2024)にて非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Postdeadline Paper)として採択され、現地時間2024年3月28日(木)に発表しました。


さらに概要を知りたい方は次の記事を見てください。
NICTニュース 
光技術や光産業の情報交流フォーラム
エイトラムダフォーラムhttps://www.e-lambdanet.com/8wdm/





コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NECとNTT、大容量光技術で大西洋分の距離伝送 世界初

2024年03月22日 | 新技術開発

 NECとNTTは21日、次世代の光ファイバー「マルチコアファイバー」に関し、光信号の通り道(コア)を12本に増やした新型タイプで7280キロメートルの長距離伝送に世界で初めて成功したと発表した。世界の通信量が急増するなか、大陸間のデータ通信を担う海底ケーブルなどの大容量化につながる。2030年ごろの実用化を目指す。
 


 光信号の伝送容量は現状に比べて最大12倍まで高められる可能性がある。両社は髪の毛と同程度となる太さ0.125ミリメートルの標準的な光ファイバーにコアを12本設けた。伝送に成功した7000キロ超は大西洋を横断できる距離に相当する。

通り道が多ければ、送ることができる信号も増やせる。ただコア同士の間隔が狭くなるため、隣のコアから漏れてきた光信号と混じり合い、通信品質の劣化につながる課題があった。今回の実験では「MIMO(マイモ)」と呼ばれる無線通信向けの技術を信号処理に利用することで、受信時に信号を正確に復調することに成功したという。

高速通信規格「5G」の普及やデータセンターの設置拡大などを背景に、世界の通信量は急増している。複数の通り道を束ねる「マルチコア」が広がれば、海底ケーブルや陸上用の光ケーブルの伝送容量の拡大につながる。

マルチコアは次世代通信規格「6G」や、NTTが推進する次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を支える基盤技術としても注目されている。NECと米グーグルがコア2本の光ファイバーを使った海底ケーブルの敷設を始めている。
日本経済新聞ニュース 
光技術や光産業の情報交流フォーラム
エイトラムダフォーラムhttps://www.e-lambdanet.com/8wdm/





コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする