8時起床。喉が痛い。昨日より明らかに悪化している。朝食(シチュー、トースト)を食べ、9時になるのを待って、近所の耳鼻咽喉科に行く。けっこう混んでいて1時間ほど待つ。持参したギデンズ『モダニティと自己アイデンティティ』(ハーベスト社)を読む。教科書として書かれた『社会学』と違って、抽象度の高い記述が続くが、慣れれば読みやすい。ようやく名前を呼ばれて診察室の椅子に座る。口の中を診て、「ずいぶん腫れてますね。これは痛いでしょ」と医師は言った。「はい」と答えながら、私はちょっと得意であった。これがもし「そんなに腫れてませんね」と言われたら、患者としての自尊心はいたく傷つくであろう。こんな程度で医者にかかるなんて、と言われているような気がするからだ。自分の症状の重いことを自慢したがる心情は、ちょうど刑務所の囚人たちが犯した罪の重さを自慢し合うのに似ている。さらに言えば、現代人の多くが「忙しい」「忙しい」と盛んにアピールするのもこれと同類である。みんな、本当は、喉がいたいのは嫌だし、刑務所になんか入りたくなかったし、残業なんてしたくはないのだ。しかし自尊心を捨てるのは難しい。医者の質問に「はい」「はい」と答えていたら、6種類も薬が出た。抗生物質、消炎剤、解熱剤、去痰剤、整腸剤、そして胃の薬(たくさんの薬で胃が荒れるのを防ぐため)である。それからもう1種類、症状が悪化したときのために飲む薬(ステロイドが配分された強い消炎剤)が出た。
昼食は蕎麦とかき揚げ。今日は終日家でじっとしていた。夕食はハンバーグ、オニオンとベーコンのスープ、サラダ、ご飯。喉は痛いが、食欲はふつうにある。でも原稿は無理。フィールドノートが精一杯。
昼食は蕎麦とかき揚げ。今日は終日家でじっとしていた。夕食はハンバーグ、オニオンとベーコンのスープ、サラダ、ご飯。喉は痛いが、食欲はふつうにある。でも原稿は無理。フィールドノートが精一杯。