フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月31日(火) 晴れたり曇ったり

2007-07-31 23:59:20 | Weblog
  基礎講義のレポートへのコメントをようやく書き終える。これで実質的な夏休みモードに入ることができる。昼食に冷やし中華を食べて、昼寝をしていたら、少々寝すぎてしまい、予定していたジムでのトレーニングは断念して、散歩がてら床屋に行く。散髪はモードの切り替えのスイッチのようなものである。東西の駅ビルが今日から休業に入った。耐震補強工事を兼ねた店内改装のためである。これから来年4月まで、蒲田には百貨店は東急プラザ一館のみになる。6階の栄松堂書店をのぞいてみたが、いつもの倍くらいの混みようだった。東口駅ビルのくまざわ書店、西口駅ビルの有隣堂と比べて、質・量ともに劣る栄松堂が、これから8ヶ月間、蒲田で最大の書店となる。大丈夫か、蒲田。これからは広域文化圏構想の下、お隣の川崎や大森、さらには大井町、品川あたりまで散歩の足を伸ばさなければなるまい。それはそれで楽しいことだ。1階の海老屋で鮪の角煮とぶどう豆を買って帰る。
  夜、社会学専修の卒業生で、現在はTBSの新人アナウンサーである杉山真也君からメールが届いた。私信というよりも「番宣」のようなメールなので、以下に紹介しておこうと思う。

  「お久しぶりです! 無事6月にアナウンス部に配属となりました。
  その初仕事、世界陸上に向けて応援メッセージを集める「世界陸上大阪応援たすきキャラバン」として全国各地を旅しながら番組に生中継を入れております。
  1日4回、みのもんたの朝ズバっ!(8時22分頃)、はなまるマーケット(9時40分頃)、ピンポン(12時45分過ぎ)、2時っチャオ!(14時40分頃)に生中継リポートとして出演しております。
  お忙しく、且つお見苦しいかと思いますが、ご覧頂ければ幸いです。」

  今年は世界陸上の年だ。海外で開催されるときは、織田裕二に深夜まで付き合って寝不足になりがちなのだが、今年は大阪だからそれはないと油断していた。そうか、今回は深夜ならぬ真也に付き合うはめになったか。

7月30日(月) 雨降ったり止んだり

2007-07-31 03:48:27 | Weblog
  一週間は月曜日始まりという感覚で生活しているので、今日が夏休みの最初の一日である。オープンキャンパスや、未済試験の採点や、大学院のマスターの入試や、あれこれの会議やらで、ときどき大学には行くが、授業は10月までない。もう一度書く。授業は10月までない。解放感がこみ上げてくるのを抑えることができない。いままで授業および授業の準備のために充てていた時間とエネルギーを他のことに振り向けることができるのだ。素晴らしきかな夏休み。
  昨日までの蒸し暑さが嘘のような冷たい雨が降っている。でも、いいんだ、夏休みだから(しつこいか)。午前中、マインドマネージャーというソフトを使って、夏休み中の仕事と遊びの計画を立てる。無料の体験版を使っているのだが、なかなか使い勝手のいいソフトなので、アカデミック価格での購入を決めている。夏休み中の仕事は、第一に、早稲田社会学会の出版企画「社会学のポテンシャル」シリーズのうちの2冊、『社会学入門』(仮題)と『ライフストーリー分析』(仮題)の執筆。400字詰原稿用紙換算で150枚程度のブックレットであるが、どちらも8月末締め切りである。それはちょっと無理なので、前者を8月、後者を9月に執筆する計画でいる。第二に、後期の授業のための仕込み作業。これは学期中、授業の前日にやっている準備とは違う。授業の前日にやる準備というのは、手持ちの知識や資料からいくつかのものをピックアップしてそれを組み合わせる作業である。長期休暇中にやる仕込み作業というのは、新たな文献を読んだり、新たな資料を作成したりして、知識と資料のストックを増やすことをいう。ついでに各回の授業のアウトラインも作っておけば、後期になってからの授業の準備に要する時間とエネルギーを節約できる。「ライフストーリーの社会学」「社会と文化」「社会学演習ⅠB」そして大学院の演習の4つがその対象である。一方、遊びの計画というのは、別に海外旅行に出かけるとか、ディズニーランドに行くとかいうことではなくて、第一に、仕事と直接に関係のない読書、第二に、いつもより少々足を伸ばした散歩(これに映画、音楽、美術、食事がオプションで付いてくる)である。

       
                     夏休みの計画

  昼食は傘を差して「鈴文」に食べに行く。今日は息子を連れて行く。雨のせいか、客はわれわれしかいなかった。二人揃って「とんかつ定食」(1300円)を注文する。「今日は息子さんとご一緒ですか」とこちらが何かいう前に店員の女性が言ったので、「はい」と返事をする。すっかりなじみの客になったようだ。そりゃそうだろう、週に一度ないし二度もとんかつを食べに来るんだから。前回、いきなりソースを全体にかけてしまった息子だが、今回は私の真似をして、ソース、醤油、塩とレモン汁の三種類の食べ方を試みたが、「やっぱりソースが一番美味しい」と言った。お子ちゃまめ。ソースの呪縛から早く解き放たれたまえ。食事を終え、外に出ると、雨は上がっていた。息子はそのまま帰宅し、私は散歩に出た。

7月29日(日) 晴れ→曇り→雷雨→曇り

2007-07-30 02:10:33 | Weblog
  不安定な天気の一日だった。午前中から基礎講義のレポートにコメントを付ける作業。できれば今日一日で終わらせたかったが、あれこれの用件を間に挟みつつ深夜まで作業を続けて、結局、70本のうちの半分くらいまでしかできなかった。残りは明日以降に持ち越しだ。「現代人間論系に進んで先生のゼミに入りたいです」と書いてあったりすると、ご予約承りましたとコメントしたくなるが、真に受けられると困るからそうもいかず、「頑張って勉強して下さい」と書く。
  午後、投票に出かける。投票所の相生小学校の隣の女塚神社はお祭りのようで、いくつか露店が出ていた。射的の店に子ども達が集まっている情景はなんだか昭和30年代のようである。シャノアールでクリームソーダを注文し一服してから、蒲田で一軒の家具屋になってしまった亀屋に行って、デスクチェアーを購入。29000円也。夏休みは書斎の椅子に座っている時間が増えるから、間に合わせで使っているいまのデスクチェアーでは腰が痛くなりそうなのだ。靴と服と同様、椅子は実際に座り心地を体験してみないことには話にならないから、カタログ販売というわけにはいかない。亀屋には潰れないでやっていってほしい。どういう買物も地元で済ませようと思えば済ませられる街であってほしいのだ、蒲田には。
  夜、参院選の開票速報番組で自民党大敗が伝えられた。あれだけ不始末が続いてはいたしかたあるまい。もっとも民主党が頼りになるのかといえば、そうでもないようである。政治的にも混迷の時代に入っていくのだろうか。

7月28日(土) 晴れ

2007-07-29 02:50:34 | Weblog
  今日も蒸し暑い一日だった。2限と昼休みの時間、さらに1時間近く延長して、社会学演習ⅠBの最後の2つの班の報告を聞く。終了後、大急ぎで文カフェのカレーライスをかっこみ、午後2時から約束してあった面談に臨む。先日、Kさんという他大学の卒業生から大学院の受験のことで相談にうかがいたいというメールをもらい、今日来てもらったのである。研究テーマについての話を聞き、受験についていくつかアドバイスをする。雑談を含めて1時間半ほど話をした。一回分の授業をしたような気分だ。カレーライスを食べておかなかったらもたなかったであろう。Kさんが帰るときに、受験のお守り代わりになるかと思い、イートンペンシル2本をお土産に差し上げる。フェニックスで一息入れてから、答案の採点にとりかかる。7時半までかかって採点を終わらせ、採点簿を事務所に提出する。
  帰りがけに中庭を通ったら、31号館高層棟のすべての窓に灯りがついている。おまけにけっこうな人出である。忘れていたが、この夏期休暇中に取り壊される31号館高層棟を目に焼き付けておこうという美術史の丹尾先生らが企画したイベントが今日なのだ。

           
                  さよなら、31号館高層棟

  8時半、帰宅。シャワーを浴びてから、夕食をとる。ピーマンの肉詰め、春雨サラダ、鱈子の佃煮、若布の味噌汁、ご飯。「新マチベン」(第5回)を観る。結局、今期のTVドラマはこの一本だけである。10時から基礎講義のレポートの採点作業に取りかかる。採点といっても「可」と「不可」の二つしかないから簡単である。しかしそれだけでは物足りない。採点する方が物足りないのだから、採点される方はもっと物足りないであろう。出来のいいレポートには「コメント」を付けようかと思う。「コメント」を付けることは義務ではないが、教育という仕事は最低限のことだけをやっていればいいという種類の仕事ではあるまい。

7月27日(金) 晴れ

2007-07-28 07:15:22 | Weblog
  午前中から都内某所で会議。会議室に入るまでどういう人が来るのが知らされていなかったが、お互い名前だけは以前から知っているS氏が私の隣の席だったので、初対面の挨拶を交わし、会議が始まるまでの間しばし雑談。これで気分がほぐれた。
  会議は3時半頃に終わり、ちょうどいい時間だったので、飯田橋ギンレイホールでソフィア・コッポラ監督作品『マリー・アントワネット』(2006年)を観ることにした。映画は、1769年、オーストリアの皇女(当時14歳)がフランス王ルイ15世の孫オーギュスト(後のルイ16世)に嫁ぐために馬車で国境を越える場面から始まり、1789年、フランス革命勃発の直後、国王一家が馬車でヴェルサイユ宮殿を後にする場面で終わる(その後の幽閉生活や処刑の場面はない)。その20年間を終始アントワネットの視点から描いた映画であり、さながらヴェルサイユ版大奥物語である。どれだけ史実に忠実なのかわからないが、宮廷内のさまざまな慣習や婦人たちの生活ぶりは私の知らなかったことばかりで、実に興味深かった。
  映画を観終わって、「紀の膳」を覗いてみたが、満席だったので冷やし汁粉はあきらめた。神楽坂を歩く女性たちのなんと多いことか。この街は毎日が縁日のようである。