7時、起床。今日は大学院の入試(二次)がある。
朝食はとらずに8時前に家を出て、大学の近くのコンビニでおにぎりを買って、研究室で食べる。「愛情むすび」って何?「真心をこめて手でにぎりました」というような意味だろうか。たぶんそうだろうが、私は他のことも考えた。「縁結び」という言葉からの連想で、「このおにぎりを二人で食べれば、二人は結ばれます」という意味はどうだろうか。もっとも一つのおにぎりを二人で食べるという時点ですでに二人は親密な関係であるわけだが。
9時から面接開始。面接終了後、社会学コース会議。12時に終了。
昼食をとりに出る。日曜だから大学の周りの馴染みの店は閉まっている。神楽坂に行く。
昨日に続いて「SKIPA」で昼食。今日は定食を注文する。
食後、神楽坂を飯田橋方面へ下る。日曜日は歩行者天国。
お汁粉を食べようと「紀の善」に入ったが、メニューを見ていたら栗あんみつが食べたくなる。栗の色がきれいだ。最初は蜜をかけずに食べ、あんがなくなってから蜜をかけて食べる。「紀の善」のあんみつのあんはこしあんである。これは好みの別れるところだが、私はお汁粉やお萩は粒あんが好きだが、あんみつはこしあんが好みだ。豆や(今回のように)栗と一緒に食べる場合は、あんは滑らかなこしあんの方が合っているように思う。
夕方、昨日に続いて、荻窪小劇場に劇団「獣の仕業」の公演「群集と怪獣と選ばれなかった人生の為の歌」を観に行く。昨日観て、もう一度観たいと思ったからだが、思うことと実際にそうすることとは別で、映画や美術展など、そうしないことの方が多いのだが、今回はそうした。それだけ人を(いや、他人のことは知らない)、私をひきつける作品だということだ。
開演1時間前に受付に行くと、ほぼ満席だが、たぶん何とかなると思うとのこと。
ちょうど水川美波さんと雑賀玲衣さんがコンビニ買い物にいくために劇場から出て来たので、少しばかり立ち話。昨日は水川さんの写真だけ撮れなかったので、撮らせてもらう。すぐに彼女は女優らしいポーズをとってくれた。魔性の女のポーズ(笑)。
開演までの1時間をカフェでと考えて、街を歩いていると、「名曲喫茶ミニヨン」というカフェを見つけた。名曲喫茶! 絶滅危惧種である。迷わずに入る。ゆったりとした店内には先客は二人(男性の一人客)、バイオリンの協奏曲(タイトルはわからない)がそれほど大きくはない音量で流れていた。
支払いのとき、マダムに「このお店はいつからあるのですか」と尋ねると、この場所では40数年、駅の向こう側で始めた頃からだと50数年とのことだった。荻窪にまた来ることがあったら、ぜひ再訪したいカフェだ。
開演5分前に劇場へ。一番後ろの列の真ん中の席に案内される。満席で通路に補助椅子まで出ていた。
二回目となると、話の展開はすでにわかっているので、その場面その場面の役者の演技や演出や音楽や照明の方に関心が向く。
藤長由佳はやはりこの劇団の看板女優だ。精神性の高さ、彼女の魅力を一言でいえばそういことになる。それは彼女の容貌と独特の声質のせいかもしれない。どんな汚れ役を演じても、その汚れの底に聖なる精神が宿っている。これは一朝一夕で身に付くものではない。
7人の役者が常時舞台上にいて、しかもしばしば舞踊的な動きをするとなると、今回の舞台は少し狭いように思えた。話の時間的な展開は初演のときよりもすっきりとしたものになったが、役者たちの空間的な配列はごちゃごちゃしていて、それはある意味で、緊張感のある舞台を演出するのには好都合だったとは思うが、役者ひとりひとりのパーソナルスペースが確保されていた方がよいように思う。そうであれば、客席の椅子ももう少し大きなものを用意できただろう(笑)。
これは昨日も書いたが、やはり照明がよかった。役者の演技力が「倍」とはいわないが、2割増しくらいにはなっていたように思う。
観劇を終えて、高田馬場に戻り、駅前のロータリーでゼミ三期生のNさんと待ち合わせ、夕食を一緒にとる。昼間、彼女から面会の希望のメールがあって、今日は大学に来ているのだという話をしたら、彼女も池袋に来ていたようで、今夜でもいいですかということになったのである。
神楽坂で蕎麦でも食べようかと、地下鉄で二つ隣の神楽坂へ。最初、毘沙門天裏の「東白庵かりべ」に行ったのだが、人気店で、やはり予約なしでは無理だったようで、散歩がてら少し歩き廻って、路地をちょっと入ったところにある「九頭竜蕎麦」という初めての店に入る。
一昨日、山形から上京してきたHさんと「SKIPA」で会ったが、その日の夜、Hさんを囲んでゼミ同期の数人が集まったらしく、Nさんもその一人だった。互いの近況を話しているうちに、私とも話をしたくなったらしい。
メニューを見て、彼女が最初に選んだのは、卵焼きだった。越前料理が売りの店のようで、あれこれ注文したが、どれもなかなか美味しかったが、私が一番気に入ったのはソースかつだった。ランチでソースかつ丼が食べられるようなので、今度は昼に来てみよう。
えんどう豆の豆腐
卵焼き
しめ鯖
舞茸の天ぷら
ソースかつ
越前そばを食べて〆る。私はきつね蕎麦(竹田の厚揚げ)、Nさんは舞茸蕎麦。越前そばは信州そばのように腰のある蕎麦とは違う。汁は関西風の透明で甘味のある汁。なので、うどんと蕎麦の中間のような味わい。
10時、帰宅。なかなか賑やかな一週間だった。