フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月18日(水) 曇りのち雨

2007-04-19 03:24:32 | Weblog
  8時半、起床。朝食は卵かけご飯と若布の味噌汁。9時半に予約している近所の歯科医院に行く。右下奥の虫歯の仮詰めを取って、金属を詰める。昼から大学へ。スロープを上がった辺りで生協が露店を出してお弁当の販売をしていたので、牛丼弁当(350円)を購入。研究室で食べる。ボリュームはあまりないが(吉野家の牛丼の並クラス)、味はまずまずだ。3限の「質的調査法特論」(大学院)は前回よりも受講者が2名増えて12名になっていた。大学院の演習用の教室なので、ほぼ満席状態である。増えた2名のうちの1名はウィーン大学からの留学生なので、いつもより板書の文字を(私にしては)丁寧に書く。なにしろ私が黒板に書く文字は日本人でも判読が難しい(時間が経過すると私自身にさえ難しくなる)からである。今日は生活史調査の方法について講義をした。
  引き続き4限は一文の卒論演習。実は5限だと勘違いしていて、学生たちが社会学専修室の前の廊下にたむろしているのを見て、勘違いに気づいた。ヘタをするとそのまま珈琲を飲みに出かけてしまうところだった。前回に続いて現時点でのテーマについて話をしてもらい、ゴールデンウィーク明けから始める報告(1回2名)の順番を決める。
  今度こそ珈琲を飲みに出かける。それにしても寒い。つい先日の夏日が嘘のようである。シャノアールで一服し、5時から二文生のHさんの卒論指導。昨日の二文の社会人間系専修委員会で4月登録の卒論指導を2名担当することが決まったが、彼らの指導は早くて来週、通常のペースだとおそらくゴールデンウィーク明けからになるだろう。

           
                 雨降るスロープ(印象派風)

  7時、帰宅。風呂を浴び、夕食(青椒牛肉絲、蟹玉、若布スープ、ご飯)。深夜、録画しておいた「バンビーノ!」の初回を観る。福岡の洋食屋でアシスタントシェフをやっていた若者(松本潤)が、東京の人気イタリア料理店で修行をする話である。初回はそれなりあった若者のプライドがぼろぼろになる話。巷に新入社員があふれているいまの季節に相応しいドラマともいえるが、しかし、よく考えてみると、そうともいえない。第一に、多くの大卒新入社員は、ドラマの主人公の若者のように自信満々ではない。へし折られるべき鼻っ柱はそれほど高くない。むしろはたして自分はやっていけるだろうかと戦々恐々としている。第二に、職場で凹む経験をしても、ドラマの主人公の若者のように「俺は最低の人間だ」というような完全な自己否定感情はもたないだろう。挫折から生まれる負の感情は一部は自分に向けられるが、より多くの部分は組織の方に向けられる。自分が悪いのではなくて、組織が間違っている(おかしい)のだと。そうやって個人は自己のプライドを救済しようとする。主人公の若者の自信度は100%から0%にジェットコースターのように急落するわけだが、だからこそその反動をエネルギーに再浮上の物語が作りやすいわけだが、50%から30%への下落では、バネとなるべき反動は小さく、彼・彼女は30%のレベルで停滞したままとなりやすい。現実のドラマは単純明快ではない。明日も東京は雨が降るようだ。