フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月12日(木) 晴れ

2007-04-13 08:41:18 | Weblog
  8時半、起床。睡眠時間5時間は明らかに寝不足である。6時間を切らないようにしなくては。朝食は炒飯。9時半に家を出る。今日は授業が2つあり、2つとも演習である。2限は一文の社会学演習ⅠB。場所は去年の演習ⅡBと同じ01教室で、人数も同じ34名(男女17名ずつ)なのだが、教室に入った瞬間の印象はかなり違う。というのは、去年のクラスは男女が完全に分離して座っていたのだが、今年のクラスはほどよく混じって座っている。見た目には今年の方が自然だ。ただし、このことは去年と今年の学生のパーソナリティが違うということを必ずしも意味しない。おそらく最初に教室に入ってきて席に座った何人かの学生の動向が後の流れを規定したのである。授業計画と自己紹介で初日の授業は終了。
  昼食は、五郎八が休みだったので、すず金の鰻重と肝焼き。ちょうど混雑のピークだったようで、注文してから鰻重が出てくるまでにずいぶんと時間がかかった。しかし、それほど空腹感を思えなかったのは、朝が炒飯だったためだろう。研究室に戻って、去年の二文の基礎演習の学生だったFさんと面談。春休みにルワンダに行ってきたとのことで、現地の珈琲と紅茶をお土産にいただく。相変わらず元気がいい。基礎演習のときの学生たちの近況も教えてくれた。私は二文の演習はもっていないので、彼らとは授業で会うとしたら大教室での講義(前期の「現代人の精神構造」、後期の「社会と文化」)くらいだが、卒業までは基礎演習のアフターサービス期間なので、学習相談はいつでもどうぞ。
  さて、5限は同姓の学生がたくさんいる基礎演習21である。228教室の前の廊下に来たとき、ドアの間から、隣の席の学生と談笑する学生たちの姿が見えた。その光景を見て、「よし、出足好調だ」と直感した。彼らは今日が初対面ではない。すでに英語の授業で2回、同じメンバーで顔を合わせているのだ。だからすでに「クラス」という雰囲気が生まれつつある。これが昨年までの一文・二文の基礎演習の場合だと、他の授業との連動はないので、初回の基礎演習の教室には全員が初対面であるところから生じる緊張感(それはそれでいいものだが)が漂っていた。今日は「クラス」の下地が整っているので、私はそれをはっきりと意識化させるだけでよい。基礎演習のねらいと進め方について簡単に説明した後、クラスの名簿を配り、あいうえお順に、いや、全員「や」で始まっているので、正確に言えば「や」の次の文字のあいうえお順に前に出て自己紹介をしてもらった。学生たちは配られた名簿を見て、改めて同姓が多いことに驚いていたが、この事態を面白がってくれているようだったので、まずはホッとした。1年生というのは、他の学年に比べて、「クラス」を志向する気持ちが強い。右も左もわからない環境の中で「居場所」「ホームベース」を必要としているからだろう。自己紹介にもそういう気持ちが反映されて、はにかみながらもひたむきだった。話題はときにかたわらにいる私にも向けられ、「先生はパイプが似合いそうですね」とか、「先生は横顔が私の父親にそっくりです」とか、けっこうサービス精神にも富んでいた(こういう発言は初回からなかなかできないものである)。面白いクラスになりそうだ。さっそく来週の授業の後にコンパ、と私が教室に来る前にすでに話がまとまっていた。
  夜、明日の6限「現代人の精神構造」の講義の準備。2限の「清水幾太郎と彼らの時代」をテーマにした大学院の演習も、正規の履修者が少なくとも一人はいるようで、その準備もしなくてはならない。録画した菅野美穂主演の「私たちの教科書」を観ている暇はない(深夜、息抜きに、アニメ「のだめカンタービレ」は観ましたが、それが何か?)。今学期はどうやら木曜日が一番忙しい日になりそうだ。