フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月26日(月) 晴れ (後半)

2018-03-31 23:41:24 | Weblog

(つづき)

昼食を「たかはし」に食べに行く。 

二重弁当を注文。

「たかはし」は以前は厨房に2人、フロアーに2人の4人体制でやっておられたが、現在は厨房1人(若旦那)、フロアー1人(奥さん)の2人体制で回しておられる。「大変なんじゃありませんか?」と奥様に聞いたら、「そうなんですよ、先生。誰かアルバイトの学生さんがいたらお願いします」と言われる。かなり切実のようである。

戸山公園に花見に行ってみる。入口(学生会館の向かい)を入るとすぐに見事な一本桜がある。卒業生たちの姿も見える。

その一本桜を反対側から見たところ。写真を撮っていると、「この桜はこっちから見るのが一番がいいんですよ」と通りすがりの方に声をかけられる。へぇ、そうですか。

ベンチに腰を下ろして、しばらくもの思いにふける(食後でちょっと眠くなったのだ)。

池の端の枝垂れ桜。

こちらはまだこれからのようである。

池のそばの古木(幹の太さから判断するに)の桜。

見事な桜に見入っていると、外国人の女性からカメラを渡されて桜を背景にした自分の写真を撮ってほしいと頼まれる。撮って差し上げると「ありがとうございます」と日本語で礼を言われる。「ユーアーウェルカム」と英語で答えてから、「あれっ?」と思う。

何の木かわからないが、春爛漫の木々の中の冬木立。これはこれで美しい。 

何の花かわからないが、けっこう大きな蕾である。 (シャクナゲよと妻)

さて、箱根山に登ろう。

その時、スマホに卒業生のアスカさん(論系ゼミ3期生)からラインのメッセージが届く。平日の午後3時、彼女は仕事中のはずだが、どうしたのだろうと思いつつ開いてみて驚いた。先週会社を辞めましたと書いてある。正確には、辞表を出して、未消化だった有給休暇を使ってのんびり過ごし、4月末に退社するそうである。彼女とは3週間ほど前に会ったばかりで、そのとき仕事の悩みを聞いて、「会社を辞めるという選択もあるね」という話をしたのだが、実行に踏み切ったわけだ。「この前お会いしたばかりですが、お時間があれば近々お会いできたら嬉しいです」と書いてあった。「いま戸山公園で一人で花見をしています。来ませんか?」と尋ねると、「いま中野にいるので20分ほどで伺います」と返事があった。

箱根山を登りながら、彼女の決断について考えた。

正解は一つではないが、彼女の決断は正解(の一つ)だったと思う。

今日は一緒に花見をしよう。

箱根山の頂上はいつになくたくさんの人がいた。桜が満開だからというだけではなくて、数日前に、テレビの番組で「花見の穴場」として紹介されたせいだろう。360度、満開の桜を見渡せる場所というのはなかなかない。

アスカさんを戸山公園の入口まで迎えに行こう。

やあ、いらっしゃい。

「よく思い切って決断したね」「はい、決断しました」

その笑顔をみれば、正解だったことがわかります。

「ヒールのある靴を履いているけど、登山できるかな?」「はい、大丈夫です!」

頂上に立つ。満開の桜をバックに凛とした表情がいい。

下山の途中のベンチで一休み。軽装で登山の人が多い中、三つ揃いとヒールが場違いな雰囲気を醸し出している。

喉が渇いたので、カフェでお茶でも「カフェゴト―」に行ってみたら、卒業生らで満員。早稲田ではどこも同じだろうと、神楽坂の「トンボロ」に行く。

小腹が空いたので、たらこのスープスバゲッティを注文。彼女もお昼はサラダで済ませたというので、同じくスープスパゲッティを注文。 

食後にコーヒー。彼女はアイスコーヒー。

 カウンターの向こうから波鈴(ハレイ)さんに写真を撮っていただく。

卒業後5年間、有給もほとんど取らず働いてきたせいか、たっぷりの休日を前にして、やることがないと不安になるので(定年退職の男性みたいだ)、ノートに「やりたいこと」を書き出してみたら、10個くらしかかけなかったそうだ(その一つが「大久保先生と会う」だった)。10個ね・・・。子どもの頃から優等生で来た彼女には「会社を辞める」というのは「学校を辞める」のに近い感覚があったらしい。レールから外れる、みたいな。でも、会社なんて辞めようと思えばいつでも辞められるのである。今日、社会学コースの学位記授与式で津田先生が言っていたように「ぼちぼち」いけばいいのである。思いつめることはない。自分に何ができるかよりも、自分は何をしたいのか(逆に何をしたくないのか)を考えることです。大人の春休みを満喫しながらね。

やることがなくて不安になるようだったら、また声をかけてください。「休日」の過ごし方なら指南いたします。

今日はたくさん写真を撮ったせいか、カメラの調子がちょっと悪い。帰りに大井町のヤマダ電機に寄って、修理を依頼する。

スパゲティだけだと、夜が更けてからお腹が減りそうなので、「ちよだ鮨」で握り鮨を買って帰る。

今日は大学を卒業する教え子たちと、1つの会社を卒業する教え子と過ごした一日だった。

みんな、いい人生を送ってください。

2時、就寝。


3月26日(月) 晴れ (前半)

2018-03-30 15:26:05 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

9時に家を出て、大学へ。今日は晴天で、暖かく、桜満開の三拍子そろった卒業式だ。

午前中のキャンパスはまだ人影は少ない。

社会学コースの学位授与式のある39号館へ。

大学院と文学部の学位記授与式の行われる682教室。

コース主任の津田先生の挨拶。頑張り過ぎないこと、「ぼちぼち」やること(彼女は関西のご出身だ)、そういうお話だった。まったく同感です。若さ(体力・健康)を過信しないことです。

6階の窓からは新記念会堂の工事の様子が見えた。キャンパスはいつも何かしら工事をしている。たくさんの学生が普請中の大学の風景を見ながら卒業していった。

 年年歳歳花相い似たり。歳歳年年人同じからず。

教員ロビーにゼミ論集(60部)が届いていた。 

今回の表紙は桜色。

8冊目のゼミ論集である。横積にすると地層のようである。ゼミの歴史だ。

「さて、次の表紙の色はどうしよう」といつも思う。

ヒロキ君とユウヤ君に382教室(現代人間論系の学位授与式が行われる教室)まで運んでもらう。

わがゼミの卒業生たち。8期生は19名だが、1名留年、1名欠席(僧侶になる修業で入山中)、本日の出席者は17名である。

論系主任の村松先生の挨拶。「天網恢恢疎にして漏らさず」の先生流の解説だった。さすがに倫理学者ですね。

 学位記の授与はゼミ(および卒研の指導教授)ごとに行われる。一人一人に学位記を手渡す。

アイウエオ順なので、トップバッターはフミさん。学位記を読み上げる。

「学位記。早稲田大学文化構想学部文化構想学会現代人間論系。〇〇フミ。本大学学則により所定の課程を修め本大学を卒業したので学士(文学)の学位を授与する。2018年3月15日。早稲田大学総長鎌田薫」(代読)。

*二人目以降も、「以下、同文」とはせず全員フルバージョンで読み上げる。 

「おめでとう」「ありがとうございます」

 

カメラに向かって記念撮影。

全員分はここには載せませんが、記念写真を貼った葉書を後でお送ります。(住所がわからない人にはメールで写真を送ります)

僧侶になる修業のため入山中のタイセイ君の学位記。「タイセイ」は「大器晩成」。器の大きな僧侶になって下さい。

学位記授与を終えて。

教壇の上で(私も入って)全員で記念写真を撮る。

 36号館から31号館への渡り廊下で桜をバックに4、5人ずつ記念写真を撮る。

恵理佳、珠美、綾乃、莉佳、卒業おめでとう。

舞穂、静香、七生、悠矢、卒業おめでとう。

加央里、絵里花、拓生、舞子、卒業おめでとう。

菜々子、文、結以、玲奈、万里乃、卒業おめでとう。

みんな、卒業おめでとう!

3時からの大隈講堂での学部卒業式まではまだ時間がある。36号館前の広場でワイワイ、ガヤガヤ。

 

他論系、他ゼミの卒業生も私の授業を履修した学生は教え子です。ユキさん、卒業おめでとう。

大学院のリーさん、卒業おめでとう。

論系助手の川副さんが忙しそうに傍らを通りかかる。声をかけると、振り向いて、「イぇー」。

最後にもう一枚、記念写真を撮りましょう。あれ、ユウヤ君がいませんね。

「ユウヤ、こっち、こっち」

これが本当の最後の記念写真。みんな、元気でね。

文化構想学の学生たちは三々五々大隈講堂へ向かった。

さて、腹が減った(まだ昼食を食べていない)。どこで何を食べようかと考えながら、私もスロープを下りて行った。

(後半に続く)


3月25日(日) 晴れ

2018-03-29 23:39:32 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ(卵焼き)、牛乳、紅茶の朝食。

論系ゼミ7期生のゼミ長だったモトキ君から同期の飲み会の写真が送られてきた。卒業してちょうど1年ですね。みんな大人になって・・・という感じはしないけど(笑)。会社を辞めて福岡に帰ることになったカナミさんも顔も見える。モトキ君、相変わらず自撮りが上手だね。

午後、妻と近所のお花見散歩に出る。ナツがお見送りに出てきた。

呑川沿いの道を、上流に向かって、つまり池上方面に歩く。 

大平橋の辺り。

大平橋の上から下流を臨む。公園の前の桜が満開が。

上流を臨む。こちらはマンションの影になって開花が少し遅れ気味。

さらに上流へ。ここで左にカーブ。

双龍橋の上から上流を臨む。

日蓮橋の辺りが地元の人にはよく知られた花見のスポットである。

桜並木がトンネルになっている。

満開の一歩手前といったところだろうか。

日蓮橋の上から上流を臨む。

川面に覆いかぶさるように桜の枝がせり出している。

橋の袂には保育園がある。 

道路の模様もアートっぽい。 

川沿いの道をちょっと離れて住宅街の中に入ったところに昨日卒業生の歩いていたときに見つけたさくら公園がある。

ここでばったり知り合いのA先生のご一家と出くわした。A先生はご近所にお住まいで、A先生の奥様はここを「五本桜公園」と(勝手に)呼んでおられる。もうだいぶ昔のことになるが、やはりA先生のご一家と「甘味あらい」で一緒になったことがある。あのとき大学生だったお嬢様はいま小さなお子さんを連れていらっしゃる。 「甘味あらい」の話になると、私も奥様もついついて熱が入り、「あのあんみつに匹敵するあんみつは他にはない」ということで意見の一致をみた。私が「神楽坂の「紀の善」のあんみつも美味しいですが、「甘味あらい」のあんみつを10点をすると「紀の善」のあんみつは7点くらいでしょうか」と言うと、奥様は「まさにその通りです」と同意して下さった。それくらい「甘味あらい」のあんみつは群を抜いた存在だったのだ。特筆すべきは求肥の美味しさで、それまであんみつに入っている求肥を美味しいなんで思ったことがなかった。「甘味あらい」のご主人にそのことを言うと、「求肥を美味しいといっていただけるのは嬉しいです」と言って、求肥を練るときに手のひらに出来た求肥ダコを見せて下さった。A先生の奥様もその求肥ダコをみせてもらったことがあるそうだ。

再び呑川に戻り、本門寺をめざして堤方橋(池上通り)を越える。

葉の花と桜の寺として知られる養源寺。

その脇道から階段を上って本門寺の境内へ。

太宰治は「富士には月見草がよく似合う」と書いたが(富嶽百景)、五重塔には満開の桜がよく似合う。

境内の中心部へ。 

大堂。

仁王門と桜。

鐘楼(しょうろう)と桜。

境内にはたくさんの露店が出ている。

正面の階段を下りる。

新緑の美しい階段右脇の木は熱川桜で、いち早く満開になったが、いち早く散ってしまった。

総門は修繕工事中。

外へ。

Aさんの奥様と「甘味あらい」の思い出を熱心に話したせいだろう、「甘味あらい」のご主人のお母様とお姉様が1年前に開店したおにぎりと稲荷の店「花くるま」に寄ってみることにした。

ご主人がくも膜下出血で急逝されたのが2011年10月であった。以来、お店はずっと閉じられままだったが、おにぎりと稲荷の店として復活したのである。

店内の様子は昔のままである。

この湯呑もそのままである。

 「当時のことを懐かしく思って来てくださる方もいらっしゃいますし、できるだけお金をかけずに開店したかったこともあり(笑)、そのままでやっております」とお姉様。 

「ただ、弟のあのあんみつの味は私たち再現できませんから、下手に甘味処として再開しても、お客様にがっかりされるだけですので、私と母でもできるおにぎりといなりの店にいたしました」。たしかに、そうかもしれませんね。

ラムネで喉を潤す。

私はしゃけ、こんぶ(ごま)、いなり、すいとんを注文。妻は明太子とすいとんを注文。

おにぎもいなりも注文を受けてから握る。握りたちのおにぎりをカウンターでいただくというのは初めてである。ほんのりとあたたかく、やわらかい。ボリュームもあり、具もしっかりと入っている。いなりの味付けも濃すぎず、上品すぎず、いいあんばいだ。すいとんも懐かし味わいだ。

ごちそうさまでした。また、来させていただきますね。美味しくて安上がりのランチに妻も満足の様子だった。

営業は土日のみ。お姉さまは平日は会社勤めをされていて、「おにぎりといなりだけの店でやっていく自信はまだないので、土日だけの営業にさせていただいています」とのこと。「甘味あらい」の思い出のない卒業生をここに連れて来ても、「えっ、おにぎりでランチですか?」と思われてしまうだろうから、ここは私ひとりか妻と二人で来る店にしよう。

食後の甘味は「藤乃屋」で。1月初旬に老舗の「相模屋」が閉店し、その後に開店した葛餅屋である(「久寿餅」は当て字)。

店内には開店祝の花がいっぱい。

メニューは葛餅のみなのは「相模屋」と同じ。同じ漆の器が使われているが、靴餅の盛り付け方がちょっと違う。

葛餅を運んで来た女性に「相模屋」との関係を尋ねたところ、彼女は「相模屋」のご主人の姪子さんにあたるそうだ。ご親戚でしたか。では、なぜ「相模屋」の名前(暖簾)を引き継がなかったのかという疑問が当然出て来るが、今日のところは、そういう立ち入った質問はやめておく。

これがかつての「相模屋」スタイル。

こちらが「藤乃屋」スタイル。蜜を下に敷く点は同じだが、「相模屋」では3個ずつ2列で、手前に重ねて行く。一方、3個ずつ2列を平置きにして、2列をブリッジするように2個をその上に置く。つまり個数は「藤乃屋」の方が2つ多い。これで値段は同じ400円ということはお得のようだが、大きさがはたして同じであるかどうかはわからない。肝心の靴餅の味わいは私には違いはないように思われる。

帰りは電車に乗るか、歩くかを妻に尋ねたら、「歩いて帰りましょう」とのこと。葛餅分のカロリーを消費しようという作戦らしい。

日蓮橋の桜。来るときよりも、こころなしか、開花が進んだような気がする。

途中から呑川を離れて、自宅に近い道を歩く。ここは「あるす」の近所の公演。

2本ある桜の木が満開だ。

「あるす」の前を通ったら、「あるす」の前に満ちにいらして、しばし立ち話をする。

花屋に寄って、仏花を買って帰る。今日は花の一日だ。

4時過ぎに帰宅。

わが家の桜を愛でながら歩いてらっしゃる方もいる。

夕食は妻と「マーボ屋」に食べに行く。「天味」(てんぷら)に行くこともチラッと考えたが、散々歩いた後なので、近場で済ませることにした。

野菜サラダ。

油淋鶏(ユーリンジー)をハーフサイズで。

木耳肉(ムース―ロー)。

海老チリ。

さて、明日は卒業式だ。桜が満開で晴天の卒業式は久しぶりである。

2時、就寝。


3月24日(土) 晴れ

2018-03-28 14:57:08 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

近所の専門学校横の桜並木。明日明後日あたりが満開だろう。

11時半に蒲田駅で卒業生のモエさん(論系ゼミ6期生)と待ち合わせ、「西洋料理SUZUKI」にランチを食べに行く。

今日会うことを決めたのは先月の中旬。そのときは「マーボ屋」(中華)か「梅Q」(釜飯)を希望していたが、今日駅で会って、そのときの気分で決めましょうということにしておいた。今日の気分は洋食だった。11時半に蒲田駅だとランチタイム前だから予約なしでたいていどの店にも入れる(例外は「まやんち」である。ここは予約が必須)。

駅前の商店街の外れの少し歩く場所なので、行ってみて入れないとつらいので、念のため商店街を歩きながら「いまからうかがいます」と電話を入れておく。

マダムから「いつもありがとうございます」と挨拶される。一人でランチを食べに来ることもあり、月イチくらいのペースで来ているだろか。本日のランチ(1500円)を注文。

コーンポタージュスープ。

ビーフカツレツとホウボウのムニエル。ライスをチョイス。

ホウボウはかつては高級魚だったが、近年漁獲量が増え(温暖化の影響か)、一般の市場にも出回るようになった。クセのない上質の白身の魚である。

食後に私はコーヒー、彼女は紅茶を注文。するとデザートが「おまけ」で付いてくる。知らない人にはサプライズ感がある。彼女もびっくりしていた。

コーヒー(紅茶)+デザートで400円。これを注文しない手はありません。 

この後は「カフェ・スリック」へ行くのだが、電話をするといま満席とのことなので、2時に予約をして、それまでの1時間ほど散歩することにする。呑川沿いの桜の名所に歩いて行く途中で偶然みつけた桜の見事な児童公園。5本の桜が植わっていて、見事な枝ぶりである。並木の桜の多くは通行の妨げにならないように低いところの枝や横に広がる枝を切られてしまっている。これが本来の桜の木の形である。近所の方だろう、一本の桜の木の下でシートを広げて花見をしている。他に人はいない。穴場といってよいのではなかろうか。

 

呑川沿いの桜並木(日蓮橋付近)。 満開までにはまだ数日ある感じである。

川沿いの桜の見どころは川面に枝がせりだしているところである。

日蓮橋の上から眺めるのが一番。 

ここらあたりの呑川には鴨が来ている。

青空を背景にした桜もよいが、川面を背景にした桜もよいものである。

「カフェ・スリック」の予約の時間が近づいてきた。呑川沿いを下流に向かって歩く。この建物はどこかの寮らしいが、このいいお天気に一枚の洗濯物も干されていないところを見ると、もう使われていない建物なのだろう。

 

呑川が大きく右に曲がるところで呑川を離れ、かわいい桜並木の道を踏切の方へ。

踏切(京浜東北線・東海道線)を渡って、蒲田の東口方面へ。線路の右手奥の方にメリーチョコレートの本社工場が見える。日本にバレンタインチョコレートの慣習を広めた企業だ。

「カフェ・スリック」に到着。

(このブログを書いている4日前のことなので)が注文した紅茶の銘柄は忘れてしまいました。

シフォンケーキは二人とも瀬戸内レモン。

カフェ併設のギャラリー「TEBUKURO」で開催中の「いかものばかり(猫多め)」展をのぞく。

彼女は清水直子さん作のプードル柄の小皿が気に入ったようである。この後に予定されている「pottery」訪問=彼女のスーパーグランドスラム達成を祝してプレゼントする。ギャラリーの方に聞くと、今回、清水さんの作品は大人気だったそうである。

本日最後のカフェは大井町の「pottery」。

こんにちは、マダム。「pottery」は昨日、開店29周年を迎え、今日が30年目の最初の一日である。おめでとうございます。

妻の作ったハーバリウムをマダムにプレゼントする。明るい場所に置いていただけると映えるので、私のお気に入りのこの窓辺の半円型のテーブルに置いていていただけることになった。

これからこの席に座るお客さんはこれを手にして眺めることになるだろう。

「これ、水中花ですか?」

「いいえ、ハーバリウムといいます。ドライフラワーを専用のオイルの中に漬けたものです。」

ブレンドコーヒーを注文。カップは私の前に赤、彼女の前にブルーが置かれた。

スーパーグランドスラム(8大カフェ訪問)達成おめでとう。卒業後、ちょうど2年での達成である。6期生ではミサキさんに続いて二人目ですね。

マダムに写真を撮っていただく。

これから池袋で友人に会う彼女とは大井町のホームで別れた。4月から本社(霞が関)への異動が決まり、プライベートも順調なようで、今年の春はいい春ですね。

蒲田に戻り、「有隣堂」で本を数冊買ってから、帰宅。

 

穏やかな春の夕暮れである。

夕食はラム肉のジンギスカン風、味噌汁、ご飯。

焼肉の付け合せはキャベツ、ニンジン、シメジのソテー。

デザートにモエさんからいただいたお菓子を食べる。 

シロップ漬けされた林檎がパイ生地にサンドされている。

購入したのは本が3冊、雑誌が1冊。

片岡義男『珈琲が呼ぶ』(光文社)

相変わらずのスタイリッシュな文体。信じがたいことだが、彼は今年で79歳になるのだ。植草勘一とはまた別のルートを辿って進化してきた魅力的な老人モデルがここにある。

小田嶋隆『上を向いてアルコール』(ミシマ社) 

「座布団一枚!」的なタイトルだが、サブタイトルに「「元アル中」のコラムニストの告白」とある。彼、アル中だったのか。知らなかった。

高橋秀実『定年入門』(ポプラ社)

「イキイキしなきゃダメですか」というサブタイトルに本書の問題意識が凝縮されている。年齢やライフステージに対応した人生読本はたくさんあるが、一般に自己啓発的というか、イキイキとした〇〇代を送ること至上のテーマとしているものがほとんどである。それは読者の欲望の反映でもあるわけだが、実際問題として、老化しつつイキイキするというのは至難のことである。至難のことであるから「秘訣」を説いた本が売れるわけだが、同時に、「イキイキしなきゃダメなのか?」という疑問が出てくるのも当然である。

NHK俳句講座テキスト4月号。

 ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな 村上鬼城

 入学の朝ありあまる時間あり 波多野爽波

 遠足の列大仏へ大仏へ 藤田湘子

 春の星またたきあひて近よらず 成瀬櫻桃子

(片山由美子選「巻頭名句」より)

録画してあった『anone』最後の二話を続けて観た。出ている役者の演技がみんな素晴らしかった。演じ甲斐のある役を与えられると役者が張り切るのは当然だが、どの役者にもそういう役を与えるというのは並の力量の脚本家にできることではない。

2時、就寝。


3月23日(金) 晴れ

2018-03-27 12:45:47 | Weblog

8時、起床。

ごはん(こんぶ茶漬け)とサラダの朝食。

庭の桜の開花も一気に進んだ。

もっともこの桜は早咲きの種類なので、例年通り、あるいは例年よりむしろ少し遅いかもしれない。その一方で、ソメイヨシノの開花は早まっているので、早咲きと普通咲き(そういう言葉があるかどうか知らないが)の差が今年は小さくなったようである。

近所のコンビニの向かいにあったヤギ鍋の店が閉店して、前の「サイゴン・バゲット」が戻ってくるのか・・・

と思ったら、そうではなくて、「アン・チェルキオ」という名前のダイニングバーが開店するのだ。「サイゴン・バゲット」の看板は以前のものがそのままになっていたのがヤギ鍋屋の看板が撤去されて露わになったということのようである。

今日は放送大学の坂井先生と「パン日和あをや」で昼食をとる約束がある。12時に矢向駅に降り立つ。

矢向駅から「パン日和あをや」までは線路沿いの一本道を10分ほど歩く。

踏切を渡ると「パン日和あをや」が見える。

坂井先生は一足先に着いていて、ビールを飲まれていた。毎年3月は放送大学の再来年度の印刷教材の原稿執筆で図書館にこもる日々であるが、ようやくその仕事を終えて、「やれやれ」の気分であろう。

私はアップルタイザーを注文。

さて、食事の注文である。

本日のスープ(マメマメ豆乳スープ)。

私はスープのお供にチョコクロワッサンを付けてもらった。

久しぶりでBLTサンドを注文。(坂井先生はサーモン、アボカド、クリームチーズのサンドを注文)

ご存知ない方もいるかもしれないので、注記しておくが、BLTとはベーコン、レタス、トマトである。サンドウィッチの定番だが、ひとえによい材料を使っているかどうかが美味しさの決め手である。厚切りのベーコンでなきゃダメだ。

坂井さんは今月のドリンク(苺ミルク)をアイスで。

私はコーヒーとスフォリアテッレ(アーモンドクリームが入っているので、デザートのスイーツ感覚で)。

この時点で時刻は1時半だったので、2時には出る(次のカフェへ)ことになるだろうと思っていたが、なんと、4時まで滞在することになった。びっくり。

 理由は、他の客がいなくなって、われわれだけになったので、奥様をまじえてのおしゃべりが活発になったからである。それまでわれわれは職場の労使問題といった固いテーマを話していたのであるが、奥様が加わっことで、定年後(老後)のライフスタイルというような話題になった。大学教員が2人、自営業者が1人という構成だから、一般のサラリーマンの例にはならないかもしれないが、定年後(老後)にやりたいことがあるならば、それはあえて定年後(老後)になるまで待つ必要はなくて、時間の配分を考えながら、いますぐに始めたらよいというのが私の持論である。もちろん定年後(老後)の方がいまより時間ができるのは間違いだろうが、同時にもうひとつ間違いないことは、いまよりも健康レベルは落ちるだろうということである。だから、いま時間がなくてできないことが、定年度(老後)は健康上の問題でできなくなるという可能性については考えおく必要がある(そもそも老後という時期が自分の人生にあるかどうかだって定かではないのだ)。時間の調整などいかようにもなる。「時間がない」という人は、ただそう思い込んでいるか、多忙であることをよいことだと思っていて「多忙の人」を演じているだけである。定年後(老後)に本当にしたいことがあるならば、生活時間の配分を調整して、いまから始めればよい。それをしないのは、時間がないからではなく、それが「本当にしたいこと」ではないからだろう。そう人に言ってみたいだけのことである。

私は苺ミルク(ホット)を、坂井先生はコーヒーを追加注文した。

滞在時間4時間は個人的なタイ記録である。 

これから蒲田(スリック)や大井町(ポッタリー)に行くのは時間的に無理があるので、近くの、まだ行ったことのないカフェを目差して塚越商店街を歩くこと数分。

「カフェくもい」。以前より「あをや」の奥様からその所在についてうかがっていた。卒業生の中に行ったことがある人がいて、その話も聞いていた。2年4か月前、2015年の11月の開業だそうである。同じ矢向の「ノチハレ珈琲店」が2015年の5月の開業だから、半年遅れの同い年ですね。

 二人ともポットの紅茶を注文。

明るいカフェである。

お腹はよかったが、メニューを見ていたら、卵サンドが食べたくなった。坂井先生、びっくりしている。注文したら「ちょっとお時間かかりますが、大丈夫ですか?」と聞かれる。卵を茹でるところから始めるらしい。いいですね。パンは自家製。

レモン汁をちょっと振ってあるのかしら、やわらかだが、決してもったりしない味わいのタマゴサンドである。美味しいです。

お若い方だったので「店長さんですか?」と質問したら、「母と二人でやっています」と言って、厨房の中にいらしたお母様を紹介される。

お写真OKということなので、厨房から出て来ていただく。いいですね、母と娘さんがやっているカフェというのも。お店の名前についてううかがったが、「雲居」とは「雲のありどころ」という意味の言葉。「川崎の空にぽっかり浮かんだはなれ雲」というイメージ。「居心地よく、 のんびりした時間を過ごしてほしい、という思いから名づけました」とのこと。

百人一首にこういう歌がある。

わたの原漕ぎ出でて見れば久かたの雲ゐにまがふ沖つ白波 藤原忠通

営業時間は10:00~17:00(日・祝は11:30~17:00、ただし金・土は18:00~21:00のディナータイムあり)

定休日は木曜日と第一・第三水曜日。「パン日和あをや」の定休日である月・火が営業日というのは私にはありがたい。このところ馴染みのカフェの閉店、閉店予告が続いたので、昨日の西小山の「GLOBE COFFEE」に続く素敵なカフェの発見は嬉しい。

矢向駅の近くの「しらい」というカフェに坂井先生は入ってみたいようだったが、5時閉店ということでかなわなかった。あとから調べたら1976年開業のお店である。私が大学4年生の頃である。

ホームのベンチに座って、川崎行きの電車を待つ。次回は5月の末、松本で会いましょうと話がまとまる。ちょうどクラフトフェアの頃である。私はその時期の松本は初めてである。土曜日に茅野の友人の別荘を尋ね、日曜日に松本に足を延し、坂井先生とは月曜日にカフェ巡りをすることになるだろう。

夕食は鯵の干物、肉じゃが、サラダ、大根と揚げの味噌汁、ご飯。

 2時、就寝。