9時半、起床。いつもより遅い起床だが、チャイは雨戸を開ける前の一階の和室のチェアの上でおとなしくしている。今日、病院に連れていかれて定期健診(採血、検尿、検便)とワクチンの接種を受けることは知らない。
蛙が病院に連れていかれることはない。そろそろ気温が下がり、水も冷たくなってくるであろうから、朝、水の器の中にいる蛙を見る機会は減って来るのではなかろうか。
チーズトースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。
食事をしながら『ア・ターブル ノスタルジックな休日』(録画)を観る。今日の散歩は神代植物公園だった。深大寺の側だが、「神代」なんですね。
新聞の書評欄に品治佑吉『人生と闘争 清水幾太郎の社会学』白水社が紹介されていた(評者は政治学学者の苅部直)。私がこの夏休みに書いた原稿でも本書を参考にさせていただいた。品治(ほんじ)さんは39歳(1985年生)で、清水幾太郎の研究者の中では一番お若い世代に属する。彼の研究の特色は清水の自伝や自伝的エッセイに着目されていること。「人生を語る社会学者としての清水幾太郎」ということである。福田和也は「清水幾太郎は、基本的に自伝作家、回想録の名手だと思う」と書いていたが(『放蕩の果て 自叙伝的批評集』)、品治さんも清水の自伝が好きなのだと思うが、たんに好きだということではなく、人生を語りながら社会を(社会学的考察を)語るという方法論に清水の社会学の特徴、面目躍如たるところを観ている点が斬新なのである。
昨日のブログを書いてアップする。
ベランダに出て空を眺めていたら、雨が降って来た。急いで洗濯物を取り込む。よかった、書斎にいたら気づかなかったろう。
1時から大学院の社会学のコース会議(オンライン)。主任の先生から「大久保先生、最終講義についてどうお考えですか」と聞かれる。「教室での最終講義ではなく、オンデマンドを活用しての最終講義ができないかと考えております」と答える。特定の日の特定の時間に特定の場所(教室)で行う一回性のものが伝統的だが、ネットを活用した「いつでも、どこでも」的なものを考えてもよい時代ではないかしら。実際、コロナの時代になってからのこの5年間、大教室でやっていた講義をオンデマンドでやるようになった。当初は、便宜的なものであったが、やっているうちにオンデマンドならではのよさというものを実感するようになったのである。
コース会議を終え、昼食を食べに出る。
女塚通りの床屋さんの前を通る。
「吉岡家」に入る。
注文を済ませて、『村上ラヂオ』の続きを読む。
僕は動物園が好きなので、外国旅行をするとよく地元の動物園を訪れる。だから世界中いろんな動物園に行った。
中国の大連の動物園に行ったとき、「猫」というシンプルな名札がかかっている檻があった。それほど大きくない檻なんだけど、中で猫が一匹ごろんと寝ていた。ごく普通の猫だ。まさかと思って、ずいぶん注意深く観察してみたんだがけど、どれだけ眺めても、やっぱり隅から隅まであたり前の、茶色の縞柄の猫だった。僕はわりにそのとき暇だったので、猫の檻の前に立ってその猫を長い間眺めていた。猫は丸くなってじっと眠っていて、まったく目を覚まさなかった。とことん熟睡してるみたいに見えた。
中国まで来て、どうしてあたり前の猫があたり前に眠っているところをこんなに熱心に眺めなくてはならないんだろうと、我ながらわりきれない気持ちになったけれども、でもけっこういいんだよね、これが。もちろん寝ている猫なんで世界中どこにでもいるんだけど、動物園の檻に入っている猫を見る機会なんてそんなにあるものじゃない。中国ってやっぱり奥が深い国なんだと実感した。(「へんか動物園」より)
「犬」の檻はあったのだろうか。言及されていないところを見ると、「犬」の檻はなかったのだろう。思うに、「猫」の檻が設けられていたのは、「パンダ」をアピールするためのものなのではないかしら。「パンダ」の檻には「熊猫」という名札がかかっているはずで、そうすると、「普通の猫」を比較の意味で並べておこうと考えたのではないかしら。
いずれ動物園に「人間」という名札のかかった檻が登場する時代が来るのではないだろうか。そのとき観客は誰なんだろうという話なんですけどね。
胡麻ダレ蕎麦を食べる。
私の隣のテーブルで小学生らしき姉と弟が二人で食事をしていた。ラーメンを食べていた。蕎麦屋でラーメンか、子供らしいなと思っていたら、姉の方が店員さんにサイドメニューを注文した。鴨肉を炙ったものだった。この子、ただものではないなと認識を改めた。
「吉岡家」を出て、「ティールーム101」へ。今日は修士の学生がここでカフェの常連客にインタビューをすることになっている。紹介した手前、同席させていただくことにした。
お二人の女性の常連客にインタビューをすることができた。
瀬戸内レモンのシフォンケーキと紅茶はブリティッシュ・ブランチ(スティーブン・スミス)。私も「常連客」の一人として話の輪に加わる。
インタビューは2時間ほどで終了。ありがとうございました。いいお話を聴けました。
時刻は5時を回ったところ。朝からずっと雨模様だったが、結局、雨は降らなかった。
夕食は回鍋肉、スペイン風オムレツ、松前漬け、味噌汁、ごはん。
食事をしながら『マル秘の密子さん』最終回(録画)。意外な(ノーマークの)人物が殺人(満子の姉、夏の元夫の)真犯人だった。この殺人犯にも小さな子供がいたよなと思っていたら、最後、密子がその子の元を訪れて、その子を連れて行くシーンで終わった。おいおい、それって誘拐にはならないのか?
月に一度、最終日曜日に放送される『村上RADIO』をタイムフリーで聴く。今日は二人の作詞家、安井かずみと岩谷時子の特集。作詞家を取り上げるのは初めての試み。
アダモ『雪が降る』、越路吹雪『ラストダンスは私に』、槙みちる『若いってすばらしい』、加山雄三『君といつまでも』など懐かしい名曲がたくさん聴けてよかった。最後の佐良直美『いいじゃないの幸せならば』だけは当時(1969)から好きではなかった。14歳の少年には「いいじゃないの幸せならば」という幸福観が受け入れ難かったのだろう。いまでも、そうかもしれない。
紹介したいブログがある。私はブログを毎日更新しているが、他人のブログはあまり読まない。5人いるかどうかである。紹介するのはその中のお一人。
10年近くのお休みの期間を経て(私は当時からの読者だった)、この8月から再開された「レイコさん」のブログである。
この二カ月、ほぼ毎日更新されている。最近は一日二回の更新が定着している。ひとつは闘病記やこれまでの人生の振り返り、もう一つは得意のお料理の記事。そのバランスがとてもいい。張りのある文章で、料理の写真も美味しそうである。とてもガンで闘病中の方とは思えない。すぐに紹介したかったのだが、習慣として定着されるのを見定めてからのご紹介となった。
最近、「このブログについて」という記事を投稿された。→こちら
まずはこの投稿をお読みになってから、興味をお持ちになったら、ブログ全体へ進まれるのがよいのではないかと思う。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
1時半、就寝。