フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月9日(月) 曇り一時雨

2007-04-10 00:15:20 | Weblog
  明日から3ヵ月分のJRの通勤定期(蒲田-東京)を購入。17950円なり。地下鉄の定期券(大手町-早稲田)は購入しない。東京メトロの通勤定期の割引率はたいしてよくないので、週3回ないし4回の通勤では得とはいえないのである。それでも以前は、一々切符を買う手間が省けるというメリットがあったが、ある時期からメトロカードが登場し、つい最近、スイカが使えるようになったので、そうしたメリットも意味のないものとなった。
  「鈴文」というとんかつ屋に入ってみた。初めて入る店であり、また昼食でもあるので、ランチメニューのとんかつ(ポーク)定食(960円)を注文する。小綺麗な店である。カウンター席に座ったので、目の前でご主人がカツをあげているところをしっかり見ることができた。眼鏡をかけた痩せ型の、年齢は60代であろうか、ゆったりとした無駄のない動きで、能の舞台でも観ているような感じがした。揚げたカツに包丁を入れると、きれいな色の断面が見えた。かなりの厚味である。ちょうど一緒に店に入った3人家族がいたのだが、私はこのカツは彼らが注文したロースカツ定食(1900円)だろうと思っていたら、私のところに運ばれてきたので驚いた。これで960円なのか。じゃあ、一体、ロースカツ定食、さらにその上の特ロースカツ定食(2100円)はどういうことになっているのかと思った。肉はとてもやわらかい。もともと柔らかい肉なのだろうが、肉の赤味がほんのり残るくらいの絶妙の揚げ加減に調節しているのであろう。「この価格にしては」なんていう限定条件なしで、文句なく旨い。ごちそうさまでしたの気持ちを込めて、ご飯粒もキャベツも一粒一切れ残さず平らげる。ところで「鈴文」の由来はなんであろう。あと何回か通って、顔を覚えてもらったら、尋ねてみよう。思うにご主人の名前が「鈴木文治」とかいうのではなかろうか。昔の政治家みたいだ。あるいは「鈴ヶ森の文蔵」とか。それじゃあ、「鬼平犯科帳」に登場する盗人の親分みたいか。
  昼食にカロリーのあるものを食べてしまったので、今日はジムに行くことにした。筋トレを3セットとウォーキングを60分。筋トレをしているとき右の肩にこわばりを覚えた。理由はすぐに察しがついた。昨日、任天堂のゲーム機Wiiを購入して、一家でテニスゲームを楽しんだのだが、たぶんその後遺症である。あれって、本当はそんなにリアルに体を動かす必要はないのであろうが、ついつい体が動いてしまうよな。くまざわ書店に寄って、筒井清忠『西條八十』(中公叢書)とピーター・バーク『知識の社会史』(新曜社)を購入し、シャノアールで読む。TSUTAYAで『フラガール』のDVDと徳永英明のCD『VOCALIST』をレンタルして帰宅。
  社会学専修の卒業生でいまは外資系の証券会社で働いているHさんからメールが届く。「たかじ先生」関連の話題である。彼女は私が早稲田大学に赴任した翌年(1995年)に大学に入学し、私の基礎演習を履修したのだが、そのとき同級生の間ではすでに私のことを「たかじ」と読んでいたのだそうだ。言い出しっぺはOAさんですと実名で「内部告発」がされていた。そうか、あの情報検索エンジンで有名な会社で働いているOAか…。彼女なら「たかじ」は十分ありえるな。それにしても、そうか、そんなに以前から「たかじ」と呼ばれていたのか。呼びやすいのかね。ならば、あえてわざわざ「たかじ先生」の呼称の使用を呼びかける必要もないか。まあ、好きなように呼んでくれと。ただし「たか爺」はやめてくれ。「日本昔話」みたいだからな。
  夜、NHKスペシャル「松田聖子 女性の時代の物語」を観た。事前に長谷先生が書いた「ヴァーチャルな他者とのかかわり 模倣という快楽と自己承認」(『自己と他者の社会学』第10章)を読んで予習しておいたので(松田聖子には言及されていなかったが)、アイドルとファンとの関係を従来のコミュニケーション論とは別の視点から観ることができた。さて、これから『フラガール』を観てから寝るとしよう。深夜までお仕事、我ながら感心する。