9時半、起床。
サラダと牛乳と紅茶の朝食。月末の目標体重というものがあり、今朝の朝食にトーストがないのは、そのための微調整である。
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11時に予約している近所の接骨院へ行く。接骨院の隣の空き地は和菓子の「蒲田屋」が入っていたビルの跡地。更地になって、草が茂り、いまに至る。
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昼食は「吉岡家」に食べに行く。
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冬の定番、鍋焼きうどんを注文。もっとも今日はそれほど寒くはない。
うんど屋の冬の初めの薄明かり たかじ
*久保田万太郎の「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」へのオマージュです。
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店を出て、そのまま散歩に出かける。カフェ「昔日の客」に顔を出そうと思う。先日、「大田文化の森」でのイベントから自宅まで歩いて(速足)20分で帰られたので、散歩にはちょうどよい距離である。
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途中、二つの商店街を通る。まず、錦栄会通り。
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ここはかなりシャッター通り化している。
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続いて観音通り商店街。
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こちらの方がまだやっている店が多い。
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観音通りであるが、お地蔵様の方が目立つ場所にある。
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人通りもそれなりにある。
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観音通りから池上通りに出て、右折して少し行くと「大田文化の森」である。
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その向かいの道沿いに(「弥生軒」の向こう側)にカフェ「昔日の森」がある。
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今回が二度目の訪問である。(最初の訪問のときのブログは→こちら)
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古本屋「山王書房」の主人だった関口良雄さんの随筆集『昔日の客』(三茶書房、1973年)。私が所有しているのは夏葉社から出た復刻版(2010年)である。
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元本は1978年の出版である。関口良雄こと銀杏子の句集を私は先日、神保町にある「三茶書房」で購入したのだが、どちらも「三茶書房」の初代の店主、岩森亀一氏が発行人である。(現在の「三茶書房」の店主さんは三代目)
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「三茶書房」で『銀杏子句集』を購入した旨をカフェ「昔日の客」の奥様にツイッターのメッセージでお伝えすると、「銀杏句集には特製本が御座います。今度お寄り頂いた際にでもご覧になって下さい」とお返事をいただいたので、さっそく今日伺ったしだいである。
ご主人が奥からもってきていただいた『銀杏子句集』特製本がこちら。私が購入した上製本は500部だが、特製本は50部である。ご主人の手元にも特製本は2部しかないそうである。残りの48部のうちの1冊にどこかでめぐり会える日があるだろうか(ありそうな気がする)。
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『銀杏子句集』には俳句の師匠にあたる加藤楸邨の句評と「二つの心残り」という弔意のよし文章が収められている。
「句評」によれば、「関口良雄氏の傾向は全投句家の中で常に目をひく独自のものを出している。荒っぽい社会描写や人事的探求ではなく、事実が誘い出す、詠嘆を基調にしているところが特異である。久保田万太郎を少し現代調にしたような甘さと辛さの調和したゆき方で、おそらく人柄自体そんな風なのではないかと思う」(166頁)とのことである。
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「二つの心のこり」というのは、銀杏子の死の知らせを受けて、「若し同君が生きていたら知りたかつたことが二つある」といい、「一つは君の作風とは対蹠的といつてよいくらゐ違つていたのに、何故私の選を受けようとしたのか、そしてそれがながく継続したのは何故だつたのかいふことだ・・・(中略)・・・私は君の句を見てゐると風の吹きぬけてゆくやうな、どこか洒脱で、どこかうらがなしくて、吐き出しやうのない私どもの鬱屈を融かしてくれるやうなところを感じさせられるのが常だつた。私にないものを多分に持ち合わせてゐることでは『寒雷』でも異色の一人だった。それを裏返してみると、君の方も私に対して自分にないものを見ようといふ気になつてゐたのかもしれない。しかし、これももう訊ねてみる機会がなくなつてしまつた」と述べている。(もう1つの「知りたかったこと」については割愛します。気になる方は『銀杏子句集』を手に取ってみて下さい)。
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ご主人(良雄氏のご子息)の直人氏は先日の大田文化の森でのトークイベントでトークだけでなく歌も披露された。良雄氏の十八番だった「中野小唄」である。私がその歌い振りの見事なことをほめると、「では、二番も歌いましょう」と言って、手拍子を打ち始めた。
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私も直人氏の歌に合わせて手拍子を打った。私ひとりの為にありがとうございました。
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『銀杏子句集』特製本と一緒に、野呂邦暢『海辺の広い庭』という本を持って来ていただいた。
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野呂邦暢から関口良雄への献本である。「昔日の客より感謝をもって」と書かれている。「昔日の客」という随筆集のタイトル(カフェの店名でもある)はここに由来する。 二人の間柄については『昔日の客』の中の「昔日の客」を読めばわかる。実にいい文章で、私がここであらすじを紹介してしまうのはもったいない。
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ちなみに自身が「山王書房」の客の一人でもあった沢木耕太郎が、彼のエッセー集『バーボン・ストリート』の中で、野呂邦暢と関口良雄の間柄について書いている(「ぼくも散歩と雑学が好き」)。こちらもとてもいい文章だ。
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直人氏はこの後、用事があるのでといって店を出て行かれた。何かの集まりのようである。ジーパンにスタジャンという団塊の世代の大学生時代のファッションであった。直人氏は早稲田の先輩であるだけでなく、小山台高校の先輩でもある。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
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私はその後も奥様とおしゃべりをあれこれ続けた。文学(日本の近代小説)については一家言お持ちの方である。ところで奥様は直人氏よりもずいぶんお若いように見えるので、そのことを尋ねると、「十六離れています」と言われた。そんなに年の離れた男女がどのように知り合ったのか、踏み込んで(笑)聞いたところ、話していただけた。へぇ、そうなんですか。もちろんここには書きません。カフェ「昔日の客」を訪問して、直接奥様から聞いて下さい。
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本を2冊購入。1冊は青木正美『古本屋奇人伝』(東京堂出版、1993)。
「山王書房」のことが出てくる。
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山本善行・清水裕也『漱石全集を買った日』(夏葉社、2019)。
著者の一人、山本善行氏は京都の古本屋「善行堂」の主人だが、『昔日の客』という幻の名著があることを夏葉社の島田潤一郎氏に紹介した人物。島田氏は一読して復刊を決めたのである。
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外はすっかり外は暗くなっていた。来た時は夕日の客だったのが、帰る時は宵闇の客となっていた。
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夕食は8時。
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主菜は椎茸の肉詰めだった。副菜は茄子とベーコンに煮物、サラダ。
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深夜、近所の専門学校のキャンパスの周りをウォーキング&ジョギングで8周(約3キロ)。
2時半、就寝。