7時半、起床。晴れている。明後日から信州へ小旅行に出かけるので、いつもよりも天気が気になる。
鱈子の佃煮と焼き海苔でご飯の朝食。普段、朝食はパンのことがほとんどだが、ご飯が嫌いなわけではなく、むしろ好きなので食べすぎてしまうからである。 毎朝、旅館の朝食のような朝ごはんが食べられたらどんなにか幸せなことだろう。
昼から大学へ。昼食は蒲田駅で購入したまい泉のカツサンドを研究室で食べる。ハロウィン限定のキティちゃん仕様の包装で、かわいくはあるが、カツサンドとの折り合いはどうだろうか。
生協戸山店で、以下の本を購入。
グレン・エルダー(本田時雄ほか訳)『』ライフコース研究の技法』(明石書店)
芳川泰久・西脇雅彦編『村上春樹読める比喩事典』(ミネルヴァ書房)
3・4・5限(1時から6時まで)研究室でゼミ選考面談(一部、1年生の進級相談あり)。
ゼミ選考は今年で6度目だが、これまでで一番難しい。単純に成績(GPA)の上位者から機械的に採っていくだけなら、何も悩む(考える)ことはないし、そもそも教員が選考作業を行う必要もないわけだが、そういうわけにはいかない。面接は終了したが、これからしばらく、悩む日々が続くだろう。
大学を出て、駅に向かう途中、あゆみブックスで『anan』の最新号を購入。今朝の新聞の広告を見て購入しようと決めていた。タイトルの上に「アンアンがパワーアップします!」と書かれている。誌面刷新ということだが、「キュンキュンときめく恋してる?」という特集タイトルは、今年の夏に「恋より楽しいことがある」をキャッチコピーにして創刊された『ROLa』 (新潮社)を意識したものではないかと思われる。
近代社会は愛情至上主義社会だが、愛情至上主義の一形態として恋愛至上主義があり、若い女性向きの雑誌はおしなべてこの恋愛至上主義をモットーとして編集されている。「恋より楽しいことがある」はこの恋愛至上主義に一石を投じたものだが、『ROLa』を実際に読んでみると、「恋より楽しいこと」とは具体的にはファッションや趣味や食べることであり、もっと革命的な言説を期待していた私は肩すかしを喰ってしまった。それらはこれまでも女性雑誌がさかんに取り上げてきたテーマであり、「なんだ、革命ではなくて、修正主義じゃないか」というのが私の感想だった。
しかし、恋愛至上主義の支配する帝国で「恋より楽しいことがある」と叫ぶのはやはりそれなりのインパクトはあるわけで、絶対の価値にケチをつけられた恋愛至上主義の側からの反撃が今回の『anan』の「パワーアップ」であると見ることができる。
さっそく特集記事を読んでみた。
最初に読んだのは「ときめきセンサー鈍ってませんか? 恋の悩みに効く、10のボディーワーク」。「悩み1 出会いがなくて、ときめけない!」場合、「耳を引っ張り、ときめきセンサーを磨く」のがいいそうだ。耳を引っ張るですと!・・・このまま読み進むべきか、しばし立ち止まってしまったが、頑張って最後まで読む。「悩み10 どうせ私なんて・・・とイジイジしてしまう」場合、「鼻を緩めてポジティブになる」のがいいそうだ。鼻を緩めるって? 「右手の親指と中指で鼻の付け根を軽くつまみながら、左手は額にのせる。そのままゆっくりと呼吸をしながら、鼻の付け根の筋肉が伸びていくのを感じてください」とある。やってみた。うん、うん、なるほどね。でも、人前ではできないな。
ほかの記事もひとわたり読んだが、角田光代の恋愛エッセイ「いいものでもないけれど、でも。」が一番よかった。
「恋なんて、世間で言われるいるほど、いいものではないと私は知っている。二十歳くらいのときから、うすうすそうじゃないかと思っていたが、今や確認に変わっている。それでも、恋愛はした方がいいと強く思う。・・・(中略)・・・なぜなら、それが究極の、他者とのかかわりだと思うから。「私」というものが窓のない狭苦しいワンルームだとしたら、そこに扉を穿って、外に連れ出してくれるもの、それが恋愛だと思う。その役割は、もちろん恋愛ばかりではなく、友だちが担うこともできるし、ときに音楽や絵画、旅や生活環境の変化などでも、担うことができる。でも、恋愛がいちばん手っ取り早いし、手強く、のちのちまでちゃんと何かが残る。・・・(中略)・・・恋愛が終わったとしても、窓も扉も閉じないし、中身も減じない。恋愛終焉の傷が深ければ深いほど、もう窓も扉も閉め切ったようなつもりになるけれど、じつは、ずっと開いている。次に人とかかわるとき、もっと楽になっていることに気づくはずだ。そしてほかの人から見ても、閉じて狭い人よりは、開いた人のほうがずっと魅力的に見える。かなしみや傷が、その人の見えざる魅力になるなんて、恋愛の場合しかない。恋愛はそんなにいいものでもない。でも、するだけの価値はちゃんとある。これもまた、年齢を経てから確信したことなのである。」
さすがに光代姐さんや、いいこと言わはります(と、舞妓さんのようにうなづく)。
8時、帰宅。妻がお腹が減ったというので、風呂の前に夕食。今夜はタラの野菜あんかけ。
食後の甘味はいただきもののハロウィン仕様の上生菓子。
プロ野球日本シリーズ第4戦は巨人が勝って対戦成績は2-2となった。よしよし。とくにどちらを応援しているわけではないが、接戦になった方が面白いに決まっている。楽天の田中に黒星を付けさせて巨人が優勝を決めるか、田中が巨人をねじ伏せて楽天が優勝を決めるか、さあ、どっちだ。