フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

10月30日(水) 晴れ

2013-10-31 11:00:36 | Weblog

   7時半、起床。晴れている。明後日から信州へ小旅行に出かけるので、いつもよりも天気が気になる。

   鱈子の佃煮と焼き海苔でご飯の朝食。普段、朝食はパンのことがほとんどだが、ご飯が嫌いなわけではなく、むしろ好きなので食べすぎてしまうからである。 毎朝、旅館の朝食のような朝ごはんが食べられたらどんなにか幸せなことだろう。

 

 

    昼から大学へ。昼食は蒲田駅で購入したまい泉のカツサンドを研究室で食べる。ハロウィン限定のキティちゃん仕様の包装で、かわいくはあるが、カツサンドとの折り合いはどうだろうか。

   生協戸山店で、以下の本を購入。

      グレン・エルダー(本田時雄ほか訳)『』ライフコース研究の技法』(明石書店)

      芳川泰久・西脇雅彦編『村上春樹読める比喩事典』(ミネルヴァ書房) 

    3・4・5限(1時から6時まで)研究室でゼミ選考面談(一部、1年生の進級相談あり)。

   ゼミ選考は今年で6度目だが、これまでで一番難しい。単純に成績(GPA)の上位者から機械的に採っていくだけなら、何も悩む(考える)ことはないし、そもそも教員が選考作業を行う必要もないわけだが、そういうわけにはいかない。面接は終了したが、これからしばらく、悩む日々が続くだろう。

   大学を出て、駅に向かう途中、あゆみブックスで『anan』の最新号を購入。今朝の新聞の広告を見て購入しようと決めていた。タイトルの上に「アンアンがパワーアップします!」と書かれている。誌面刷新ということだが、「キュンキュンときめく恋してる?」という特集タイトルは、今年の夏に「恋より楽しいことがある」をキャッチコピーにして創刊された『ROLa』 (新潮社)を意識したものではないかと思われる。

   近代社会は愛情至上主義社会だが、愛情至上主義の一形態として恋愛至上主義があり、若い女性向きの雑誌はおしなべてこの恋愛至上主義をモットーとして編集されている。「恋より楽しいことがある」はこの恋愛至上主義に一石を投じたものだが、『ROLa』を実際に読んでみると、「恋より楽しいこと」とは具体的にはファッションや趣味や食べることであり、もっと革命的な言説を期待していた私は肩すかしを喰ってしまった。それらはこれまでも女性雑誌がさかんに取り上げてきたテーマであり、「なんだ、革命ではなくて、修正主義じゃないか」というのが私の感想だった。

   しかし、恋愛至上主義の支配する帝国で「恋より楽しいことがある」と叫ぶのはやはりそれなりのインパクトはあるわけで、絶対の価値にケチをつけられた恋愛至上主義の側からの反撃が今回の『anan』の「パワーアップ」であると見ることができる。 

   さっそく特集記事を読んでみた。

   最初に読んだのは「ときめきセンサー鈍ってませんか? 恋の悩みに効く、10のボディーワーク」。「悩み1 出会いがなくて、ときめけない!」場合、「耳を引っ張り、ときめきセンサーを磨く」のがいいそうだ。耳を引っ張るですと!・・・このまま読み進むべきか、しばし立ち止まってしまったが、頑張って最後まで読む。「悩み10 どうせ私なんて・・・とイジイジしてしまう」場合、「鼻を緩めてポジティブになる」のがいいそうだ。鼻を緩めるって? 「右手の親指と中指で鼻の付け根を軽くつまみながら、左手は額にのせる。そのままゆっくりと呼吸をしながら、鼻の付け根の筋肉が伸びていくのを感じてください」とある。やってみた。うん、うん、なるほどね。でも、人前ではできないな。

  ほかの記事もひとわたり読んだが、角田光代の恋愛エッセイ「いいものでもないけれど、でも。」が一番よかった。

  「恋なんて、世間で言われるいるほど、いいものではないと私は知っている。二十歳くらいのときから、うすうすそうじゃないかと思っていたが、今や確認に変わっている。それでも、恋愛はした方がいいと強く思う。・・・(中略)・・・なぜなら、それが究極の、他者とのかかわりだと思うから。「私」というものが窓のない狭苦しいワンルームだとしたら、そこに扉を穿って、外に連れ出してくれるもの、それが恋愛だと思う。その役割は、もちろん恋愛ばかりではなく、友だちが担うこともできるし、ときに音楽や絵画、旅や生活環境の変化などでも、担うことができる。でも、恋愛がいちばん手っ取り早いし、手強く、のちのちまでちゃんと何かが残る。・・・(中略)・・・恋愛が終わったとしても、窓も扉も閉じないし、中身も減じない。恋愛終焉の傷が深ければ深いほど、もう窓も扉も閉め切ったようなつもりになるけれど、じつは、ずっと開いている。次に人とかかわるとき、もっと楽になっていることに気づくはずだ。そしてほかの人から見ても、閉じて狭い人よりは、開いた人のほうがずっと魅力的に見える。かなしみや傷が、その人の見えざる魅力になるなんて、恋愛の場合しかない。恋愛はそんなにいいものでもない。でも、するだけの価値はちゃんとある。これもまた、年齢を経てから確信したことなのである。」

   さすがに光代姐さんや、いいこと言わはります(と、舞妓さんのようにうなづく)。

  8時、帰宅。妻がお腹が減ったというので、風呂の前に夕食。今夜はタラの野菜あんかけ。

  食後の甘味はいただきもののハロウィン仕様の上生菓子。

   プロ野球日本シリーズ第4戦は巨人が勝って対戦成績は2-2となった。よしよし。とくにどちらを応援しているわけではないが、接戦になった方が面白いに決まっている。楽天の田中に黒星を付けさせて巨人が優勝を決めるか、田中が巨人をねじ伏せて楽天が優勝を決めるか、さあ、どっちだ。


10月29日(火) 小雨のち曇り

2013-10-30 09:14:06 | Weblog

      8時、起床。

    9時に家を出て大学へ。すでにラッシュのピークは過ぎているとはいえ、普段乗っている昼の電車よりずっと混んでいる。

    10時から3年ゼミで集まってインタビュー調査の共通質問項目の検討を12時半まで。いよいよ来週からインタビュー開始。

    昼食を外に食べに出る時間がないので、生協のお弁当(プルコギ=韓国風の甘目のすき焼き)を買ってきて、研究室で食べる。    

   3限は選択基礎演習。テキストを演習で読むことの意味は、自分の解釈や考察を他の学生に聞いてもらう、読んでもらう、他の学生の解釈や考察を聞く、読むことを通して、思考回路を鍛え上げていくことにある。ただ本を読むだけなら一人でできるし、家でできる。演習に参加する以上は、演習というシステムを十分に活用するつもりで臨むことである。

   4限は演習「ケーススタディの方法」。今日から発表(自伝の分析)始まる。初回の今日は、アウグスティヌス、コナン・ドイル、坂口安吾、リチャード・ファイマンの4人の自伝が取り上げられる。たんなる自伝のあらすじの報告ではなく、何らかのテーマを設定して、その視点から自伝を読んで、考察したことを発表してもらう。来週以降、自伝の作者の出生年順に、ミヤコ喋々、遠藤周作、マルコムX、草間弥生、田中一光、武良布枝、田原総一郎、赤塚不二夫・・・と続く。どんな人の自伝を取り上げ、どんな視点から読み解いていくのか、そこがセンスが問われることろであり、腕の見せ所である。

   授業を終えて、「maruharu」にスイーツを買いに行く。

 

   テイクアウトしてきたスイーツを食べながら、5時半から面談を一件。

   8時過ぎに帰宅。風呂を浴びてから、夕食。ポトフとパン。

   昼間、契約しているケーブルTVのケーブルの切り替え工事が入って、これまで一台のTVでしか視聴できなかったBSやCSが家中のテレビ(全部で5台ある)で視聴できるようになった。録画予約も簡単にできるようになった。

   卒業生のTさんのブログ(つぼみな日々)を開いたら、昨日の私のブログで紹介した卒業生のNさんのブログをTさんも読んでいて、その感想が書かれていた。Nさんの文章もいいが、Tさんの文章もいい。静と動、いや静の中の動とむき出しの動、二人の持ち味は違うが、それぞれにいい。二人のブログに比べると、私のブログは内面の表出が少なく、静物画のようである。静物は英語ではスティルライフ=静かな生活という。

   読み応えのあるブログといえば、「phono kafe」の常連客のひとりであるカナリアさんの最近のブログを紹介しておきたい。自宅で介護をされているお母様が緊急入院をされて、退院をされるまでの日々が語られている。

     紹介ついでにもう一つ紹介しておきたいのだが、放送大学の坂井素思先生のブログの記事で、是枝監督の『やがて父になる』の中で使われているグレン・グールド演奏の「ゴルトベルク変奏曲」について書いておられるのだが、これが面白かった。坂井先生らしい文章である。


10月28日(月) 晴れ

2013-10-29 02:04:48 | Weblog

   8時半、起床。コンビニに朝食用のパンを買いに出る。

     秋の朝今日も生き居りパンを買う

   ホットドッグ、ジャムトースト、牛乳の朝食。

   今日は中学時代の同級生のW君と「phono kafe」と「あるす」をめぐることになっている。

   11時半すぎに家を出ると野良猫のなつが路上でゴロゴロしている。今日もいい天気。

    「phono kafe」へ向かう途中でW君と出くわす。早めに着いた彼はこの辺りをぶらぶらしていたらしい。一緒に「phono kafe」へ。

    開店直後であるが、先客が二人。それぞれ女性の一人客で、3つあるテーブルの真ん中が空いていた。テーブルの上に「予約席」のプレートが置かれていた。

    さて、何を食べようか。メニューを見ながら、私はご飯セット、W君はパンセットで、おかずは6品全部を注文してシェアすることにした。


ピーマンとエリンギの油淋風


玄米ととうふのタルト人参ソース添え


ポテトとコーンのコロッケ   春雨とごぼうと胡桃のサラダ


人参サラダ   レンコンつまみ揚げ


大根の味噌汁


玄米ごはん


ダブルチョコレートケーキと紅茶(私)


黄な粉のスコーン(W君)

  私たちの後に、女性の2人連れ+小さな子(奥の部屋へ)、女性の一人客(先客の女性がカウンターへ移ってくれて空いたテーブルへ)、男性の3人連れ(満席のため入れず)が来店。盛況である。

  やがて他の客がみな帰って、われわれだけになった。大原さんも手が空いたので、われわらのおしゃべりに加わっていただく。W君は彼女のファンなので、嬉しそうであった。


手にしているのはハロウィンビスケット

    続いて「あるす」へ。今日伺うことは言ってある。 

   私はモカ、W君はスペシャルブレンドを注文。

   W君が持参したジャズのCDをマスターにプレゼントする。マスターはさっそくそれをプレーヤーにかけて、「いいですね」と言った。私jは2人のジャズ談義に耳を傾ける。「好きなプレーヤーは?」というW君の質問に、「モダンジャズカルテットなんかはよくコピーをしましたね」とマスター。そういえば、私が初めて購入した(いわゆるジャケ買いした)ジャズのCDが彼らのものだった。

   マダムが庭になった柿を剥いてくださる。

    カラスが食べた柿の実を見せて頂く。ああ、けっこうきれいに食べるんだな。

   お土産にこれも庭になった柚子をいただく。

 

    「あるす」を出たのは4時。私はこの後ジムへ行くつもりであったが、W君の顔を見ると、もう一度「phono kafe」へ行きたそうだったので、「行こうか」ということになった。

   戸を開けると、大原さんが「あら」という顔をした。実は私たちが出て行った後、誰も来ていないそうだ。おやおや、それでは売り上げに貢献しなければ。私はリンゴジュース、W君はぶどうジュースの白を注文。私はちょっと小腹が空いたので、蒸しパンにレンコンのつまみ揚げを挟んでもらう。

   われわれがおしゃべりをしていると、女性の一人客が入ってきて、食物アレルギーのあるお子さん用のお菓子を買われた。お子さんの幼稚園のお迎えにまでの時間をここで過ごすとのことなので、私は自分がいま食べている蒸しパン+れんこんのつまみ揚げの美味しさについて語ったところ、自分とお子さん用に買っていかれた。さらにショーケースの中のサツマイモ入り蒸しパンが出来立てであることを申し上げると、それも買っていかれた。どうも私には物売りの才能があるようである。「phono kafe」の今日の売り上げに貢献できて嬉しい。

   5時半、帰宅。

   メールをチェックすると弘前大学の高瀬君からメールが届いていた。なんだろうと思ったら、昨日の私のブログを見て、お十夜法要のプログラムに載っていた柳家小三太さんは、彼がときどき行く弘前のステーキハウスのオーナーシェフの弟さんですと書いてあったから、世間は狭いものだと思った。実は、昨日の落語の枕の部分で、小三太さんは自分は弘前の出身で、双子の兄がいて、兄は洋食屋をやっているという話をしたのである。

   夜、『ミス・パイロット』の第二話(録画)を観る。見続ける気はなかったのだが、ついつい堀北真希の魅力で観てしまう。

   週に一回、月曜日に更新される卒業生のNさんのブログを読む。Nさんの実家が家業を廃業された話。2歳半になる息子さんがついに卒乳(断乳)なるかという話。どちらもとても感動して読ませていただいた。


10月27日(日) 晴れ

2013-10-28 10:49:21 | Weblog

  8時、起床。台風一過の青空。

   はるも日向に寄り添っている。

   昨日の夕食の残りのハヤシのルーとパンと牛乳の朝食。

 

   母と妻と3人で菩提寺のお十夜法要に出かける。

   お十夜法要とは、この時期に全国の浄土宗のお寺で行われる「十日十夜法要」のことで、10日間ぶっ通しで念仏を唱える行事で、『無量寿経』の中で「この世で十日十夜善行することは仏の国で千年善行をするのに勝る」と書かれていることに由来する。もちろん十日十夜の法要に取り組むのは職業的仏教徒つまりお寺の住職さんたちで、われわれ檀家は、秋の一日、それも数時間、レクリエーション的な気分で参加するだけである。

    蒲田から上野までは京浜東北線の快速で、上野から一駅、山手線に乗って、菩提寺のある鶯谷へ。

    上野駅のホームからは線路際の坂道を上がり下りする人たちが見える。いま、いろいろな展覧会の真っ最中だ。

   鶯谷の駅から菩提寺までは私の足では5分ほどだが、母が一緒のときは倍の時間がかかる。

  途中、 『孤独のグルメ』シーズン3第8話に登場した「炭火焼鳥椿」の前を通る。午前中からお酒の飲める店だ。満席だった。

   お寺に着いて、まずは墓参り。そしてお弁当を食べる。

 

    法要は長丁場。途中で何度か休憩がはいる。本堂には暖房がなく、今日は少々冷える。

    止まったままの掛け時計。確かにここは時間が止まっているような気がする。

   お十夜法要を終えて、蒲田に戻ってきたのは4時。

   家で一服してから、「phono kafe」に顔を出す。

   玄米おにぎり(具は昆布)、カボチャのコロッケ、玉ねぎと豆のカップスープを注文。 

     母と妻へのお土産に焼きたてのハロウィンクッキーを買って帰る。

   今夜は『安堂ロイド』の日だが、録画をし忘れた。でも、ガッカリしなかったのは、それほど楽しみにしていたわけではないからである。結局、現時点で残っている秋ドラマは、『リーガルハイ』、『ドクターX』、『独身貴族』、『変身インタビュアーの憂鬱』の4本である。

   ゼミ選考面接、最後の一人から返信のメールがあり、ようやくスケジュールが決まる。一人あたり20分で、今週の水曜日の3・4・5限を使って一日で終える。


10月26日(土) 雨のち曇り

2013-10-27 10:24:40 | Weblog

  9時、起床。

   11時半、「まやんち」の開店時間を待って、遅い朝食を食べに行く。

   サンドウィッチ(野菜スープ付)と洋梨のタルトと紅茶(キャンディ)。

   このところ蒲田モダンロールがずっとメニューから消えている(正確に言うと、メニューには載っているのだが作られていない)。店主さんに事情を聴くと、蒲田モダンロールは他のメニューに比べて手間がかかるため、ちょっとお休みしているのだという。でも、私が食べたがっているを知って、前日に電話で言ってもらえれば、早起きして作りますと言われる。えっ、そんなことが可能なんですか?!

   大井町の山田電機(「ラビ」とかいう名前になっているが、昔ながらの呼び方の方がしっくりくる)に修理に出していたデジカメ(リコーのGR)の充電器を取りに行く(新品と交換になった)。

   ついでに雨の降る大井町をちょっと散歩する。

   『孤独のグルメ』シーズン3の最終話に登場したいわし料理の「だるまや」。

   その「だるやま」の並びにある「pottery」という名前のカフェに入る。ここに来るのは三度目。 

   店内に「コッペリア」が流れている。前回来たときは「白鳥の湖」が流れていた。いつもバレエ音楽を流しているのだろうか。マダムにそのことを尋ねたら、バレエのCDであるのは「コッペリア」と「白鳥の湖」の二枚だけとのこと。たまたまだったんだ。

   蒲田に戻り、「三州屋本店」で遅い昼食をとる。

   もうランチ(定食)の時間は終わっているので、秋刀魚の塩焼きとカキフライ(三個)と浅利の味噌汁とご飯を注文する。

    ここで一句。

    あれこれの憂いはあれど秋刀魚喰う   

   定食のカキフライは5つだったが、単品では5つと3つを選択できる。秋刀魚の塩焼きがあるので、3つにする。

   ここで一句。

   いとおしや三つ並んだカキフライ

    味噌汁の浅利は肉厚で美味しかった。

    ここで一句。

    う~ん、出てこない。後日の課題とする。

    秋刀魚はとても新鮮で、ワタまできれいに平らげる。

     くまざわ書店で以下の本を購入

        宮部みゆき『小暮写眞館』上下(講談社文庫)

        角川学芸部出版編『俳句歳時記』冬・新年・春(角川ソフィア文庫)

        丸岡いずみ『仕事休んでうつ地獄に行ってきた』(主婦と生活社)

        高垣麗子『くいしんぼ。』(小学館)

     いったん帰宅して、夕方、というよりもすでに夜(6時)、閉店1時間前の「phono kafe」に顔を出す。

     ハロウィンクッキーと紅茶を注文。

     ベジラーメンの件、大原さん、いよいよ本気のようである。