フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月30日(土) 曇り

2013-03-31 12:43:34 | Weblog

  9時、起床。朝飯前の仕事にとりかかったら、前夜、TSUTAYAで借りて観た『アルゴ』のDVDを10時まで(開店前)に返却しなければならないことを忘れてしまった。朝食のパンを買いに出かけるついでに返却するが、遅延金300円をとられる。こんなことなら「当日」ではなく「一泊」で借りるべきだった。旧作がたった100円で借りられるようになったTSUTAYAだが、遅延金の方はあいかわず1日につき300円である。罰金的な意味合いがあるのでしょうね。

  『アルゴ』だけれど、アカデミー作品賞ということを知らずに観たらよかったのであろうが、「作品賞にしてはいまひとつ・・・」と思ってしまう。アメリカ人とわれわれではこうした題材に対する思い入れが違うということもあるだろう。緊迫感はある。でも、それだけ。『シンドラーのリスト』を観たときに似ている。

  DVDを返却してから、バーやスナックの密集した地帯を抜けて、大城通りの「オリエント・ベーカリー」まで行く。もう朝の10時を過ぎたというのに「営業中」の赤提灯の出ている店内からカラオケの歌が聞こえて来る。徹夜で飲んで歌っているわけだ。

 

  ハンバーガーとあんぱんと紅茶の朝食。

  今日は夕方から現代人間論系の教員懇親会があり、その前に一件会合があるので、少し早めに家を出る。

  「maruharu」で遅めの昼食をとる。ホットドッグとコーヒー。デザートにイチゴのタルト。

  5時から新棟13階の大薮先生の研究室で、大薮先生、小塩先生と人間発達プログラムのカリキュラム(2015年度)の相談。

  13階からの眺めはすこぶるよい。私の研究室からの眺め(というよりも、窓の前に33号館低層棟の壁があって、眺めが皆無なのである)とは雲泥の差である。おまけに低層棟の解体工事がこれから始まるので、ほとんど唯一の取り得であった静けさも失われることになる。大学院の演習は研究室で行なうことになっているが、はたして大丈夫だろうか。

   6時から「高田牧舎」で懇親会。


乾杯の音頭は田島先生。


中央は関水先生。昨年度まで論系の助手をされていたが、新年度から立正大学の専任に決まった。おめでとうございます。

   多くの大学と違い、文化構想学部の学生は2年生になるときに所属する論系が決まる。当初、現代人間論系を希望する学生がどのくらいいるか、心もとなかったが、幸い、毎年定員を上回る希望者がある。これもひとえに先生方が魅力ある授業を展開してくださっているおかげである。新年度もよろしくお願いいたします。

   8時半頃、散会。

   帰宅すると川越から妹が来ていた。明日、母を旅行(岡山・倉敷)へ連れて行ってくれることになっている。よろしくね。


3月29日(金) 曇り

2013-03-30 13:04:01 | Weblog

  7時半、起床。

  11時半頃、自宅を出る。朝食がまだだったので、「まやんち」へ。開店は11時半なので、大丈夫とは思いつつ、昼食の予約で席が埋まってしまうこともあるので、念のため電話してから行く。  

  野菜のサンドウィッチとミルクティー(マグカップ)を注文。

  私のブログの読者で同じ町内にお住まいの方が、昨日、初めて「まやんち」へ行かれた話をご自身のブログに書いおられた。その中で、まゆみさんは「品のよい、美しい、感じのよい女性」として描写されている。 これはまゆみさんにお伝えしておかなければ。

  新しいスタッフの方がもうお一人増えたようである。落ち着いた立ち居振る舞いに、てっきり、以前のスタッフの方が応援に来ているものと思っていたら、先週から入った新人さんだった。がんばってください。

  大学に出る途中、東京ステーションギャラリーでやっている「木村荘八展」をのぞいてみる。生誕120年。木村荘八(しょうはち)は、岸田劉生らと活動を共にした洋画家であるが、一般には、変り行く東京の風俗を描いた作品や、昭和12年に朝日新聞に連載された永井荷風の『墨東綺譚』の挿絵が有名である。『墨東綺譚』の挿絵の仕事を依頼されたとき、荘八は、「オレのウンメイはこれで極まる」と、原稿を読み込んで、亀戸や玉の井の辺りを歩き、資料を集めて、全力でこの仕事に取り組んだのである。挿絵は大好評で、彼の挿絵画家としての名声は大いに高まったが、彼は油絵を(こちらはあまり売れなかったが)終生本業と考えていた。

  これは私ぐらいしか関心のないことだが、1988年8月10日、清水幾太郎が亡くなったとき、全国紙で唯一、清水の訃報を載せなかった(清水を黙殺した)『赤旗』が、同じ日に亡くなった木村荘十二(そとじ)という映画監督の訃報を載せていた。この木村荘十二は木村荘八の弟(異母きょうだい)で、共産党員である。 彼らの父親である木村荘平は実業家であり政治家でもあった人物で、たくさんの妾をもち、13人の男の子と17人の女の子がいた。四男までは荘蔵とか荘太といった名前をつけたが、五男以下は「荘五」「荘六」・・・・「荘十三」と「荘」+「数字」の名前になっている。ぞんざいな感じもするが、けれんみがなくて、すっきりした感じもしないではない。17人の女の子の名前がどうなっているかは知らない。

  入館料は900円。前回の「始発電車を待ちながら」は500円であったが、あれはギャラリー再開記念のサービス料金であったようだ。でも、とても充実した展示で、900円はやっぱり安いと思う。

  遅めの昼食は「フェニックス」で。ピラフとコーヒーを注文し、木村荘八展の図録に目を通す。 

   キャンパスは散った桜の花びらでいっぱい。数日後の入学式の準備も整っている。というか、立て看の一部が卒業式仕様から入学式使用に替わっただけである。

  3時から会合を一件。6時半までかかる。

  夕食は神楽坂で途中下車して「SKIPA」で。チキンカレーと、食後にマンゴーシャーベットと紅茶。

  昨日、宙太さんが先日私の差し上げた『蒲田Walker』を鞄に入れて蒲田の街を歩いたのだそうだ。最初、とんかつを食べようと「鈴文」に行ったらお休みで(水・木定休)、東口の「丸一」に行ったら店の外に長い列ができていて、とんかつはあきらめて、「三州家本店」でカキフライを食べたそうだ。その後、あちこち歩き回って、最後に「シビタス」でホットケーキを食べたとのこと。とっても面白い街ですねと、ちょと興奮気味に話していた。次は、『大井町Walker』を鞄に入れて大井町を探訪してください。

  のんちゃんとは早稲田キャンパス歩きの日程の相談をする。お店が休みの木曜日に来ることになるから、私が案内できるのは2限とお昼休みの時間ということになる(その後は好きに歩いてもらえばいい)。どんなかっこしていこうかしらと、のんちゃんの頭の中はその日のファッショのことでいっぱいである(笑)。彼女がイメージするキャンパスライフというのは、北川悦吏子脚本のTVドラマ『オレンジデイズ』(2004年)の世界で、学食でのランチを希望している。4月はけっこう混むんですよね。もし混んでいて無理のようであれば、「maruharu」にお連れしましょう。 

  はたしてのんちゃんは新入生と間違われて、サークルの勧誘を受けるであろうか。

  われわれが談笑していると、まだお店がやっているものと思って(すでに8時で閉店)、お客さんが入ってきた。そろそろ失礼することにする。

  帰宅して、メールをチェックすると、「まやんち」のまゆみさんからメールが届いていた。私が教えて差し上げたブログを読んで、「なんとも嬉しく、今、とても良い気分です(笑)」とのことだった。やっぱりね。


3月28日(木) 晴れ

2013-03-29 08:53:00 | Weblog

  9時、起床。今日は大学へ行く用事がある。身支度を整えて自宅を出る。

  「テラス・ドルチェ」で朝食。この店のモーニングは3種類あって、メインの品が違う。A(厚切りトースト)、B(ホットケーキ)、C(サンドウィッチ)。Aは550円。昨日食べた「ムッシュのんのん」と同じだ。

   ここで1時間ほど仕事をする。朝飯前の、ではなくて、朝飯中の一仕事。

   昼過ぎに大学到着。一昨日、卒業生がその下で記念写真を撮った36号館前の桜は散り始めている。

   あのときここにいた彼らは、いま、それぞれの場所で、自分は卒業したのだということを実感していることだろう。たぶんそこには淋しさが伴っているはずだ。でも、間もなく始まる忙しい生活の中で、そうした感情はどこかへ行ってしまうだろう。人生の一つの時期から次の時期へ移るときの、束の間の感情だ。めったに味わえない感情だから、心行くまで味わうことだ。

  八重椿は桜と違ってひとつひとつの花が咲いている時間が長く、開花のタイミングも一緒ではないので、ずっと見頃が続いている。

  39号館裏の土手の上の桜と土手の花大根の花のコントラストがいい。

  これから33号館低層棟の建て替え工事が始まるが、この銀杏の木はどうなるのだろうか? 

   昼食は研究室でコンビニおにぎり。

  2時から青山陽子氏の博士論文公開審査会に審査委員の一人として出席。論文のタイトルは「病の共同体 国立療養所多摩全生園の元患者たちの生活実践」。4時まで。

  その後、会合を一件。7時まで。

  今日は母の誕生日なので、帰りにデパートで春らしい色合いのご飯茶碗と湯のみをお祝いに買って帰る。

  春ドラマのチェック。とりあえず初回観てみようと思うものはたくさんあるが、二つ三つ残ればいい。

   月曜9時 フジ系 「ガリレオ」 原作:東野圭吾、脚本:福田靖、出演:福山雅治・古高由里子

   月曜24時28分 TBS系 「放課後グループ」 脚本・監督:飯塚健、出演:高梨臨

   火曜9時 フジ系 「鴨、京都へ行く。~老舗旅館の女将日記~」 出演:松下奈緒

   火曜10時 フジ系 「幽かな彼女」 出演:香取真吾、杏

   火曜10時 NHK 「第二楽章」 出演:羽田美智子

   木曜9時 TBS系 「潜入捜査トカゲ」 出演:松田翔太

   水曜10時 フジ系 「家族ゲーム」 原作:本間洋平、出演:櫻井翔

   水曜10時 日テレ系 「雲の階段」 原作:渡辺淳一、出演:長谷川博己・稲森いずみ

   木曜9時  テレ朝系 「ダブルス~二人の刑事」 出演:伊藤英明・坂口憲二

   木曜10時 フジ系 「ラストシンデレラ」 出演:篠原涼子

   金曜10時 「TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか~」 出演:唐沢寿明

   金曜11時15分 「お天気お姉さん」 脚本:大石静、出演:武井咲

   土曜11時10分 「間違われちゃった男」 出演:古田新太

   日曜9時 TBS系 「空飛ぶ広報室」 出演:新垣結衣


3月27日(水) 小雨のち曇り

2013-03-28 03:35:23 | Weblog

  6時半、起床。早起きなのは早朝の新幹線に乗って名古屋へ行く息子を玄関で見送るため。初めての一人暮らし、健康にはくれぐれも気をつけて。

  内憂外患という言葉があるが、家庭では我が子を送り出し、職場では教え子を送り出し、満ち足りた虚脱感のようなものが身の回りに漂っているのを感じる。女性が子育てを終えた頃に感じる不定愁訴を「空の巣症候群」と呼ぶが、それに近いかもしれない。

  ワセダネットポータルを使ってゼミ4年生(卒業生)に最後の業務連絡メールを出す。卒業後の連絡先等の情報を送ってくださいと。ついでに卒業式のときに撮ったツーショットの写真がうまく撮れていたら添付してくださいと。

  すぐにHさんから返信がある。この種の一斉メールに対して一番に返信があるのはたいていHさんだった。そういうパーソナリティなのだ。きっとこの調子で仕事もきちんとこなすだろう。でも、頑張り過ぎて健康を損なわないようにね。

  続いてIさんから返信。HさんとIさんは仲良しだ。もしかしていまこの瞬間も一緒にいて、メールを打っているんじゃないか(まさかね)。

 朝食は小雨の中、傘を差して、「ムッシュのんのん」のモーニングセットを食べに行く。花冷えで桜の寿命が少し延びるだろう。

 

 

  「ムッシュのんのん」でモーニングセットを注文するのはたぶん初めて。厚切りのバタートースト、ミニサイズのオムレツ、ちょこっとのスパゲティ、サラダ、コーヒー。これで550円。一体、どれだけ利益があるのだろうか。私が行きつけの店であまりモーニングセットを注文しないのは、売り上げに貢献できなくて申し訳ない気がするからだ。

   同じようなことは100円ショップにもいえる。その商品を作っている人たちは一体どれだけの賃金をもらっているのかと考えてしまう。その国では物価が安いから問題ないのだと説明されても、それは日本の国内の労働力が使われないということだから、結局は自分たちの足元を掘り崩しているわけだ。「安ければよい」という考え方を考え直さないと、われわれの子供たちは殺伐とした労働市場で使い捨ての安価な労働力として心身をすり減らだけだろう。

  卒業式から二日目。ゼミの写真の整理をしながら、学生たちとの2年間(学生によっては3年間であったり、4年間であったり)のつきあいを振り返る。過去を振り返ることはわるいことではない。いや、むしろ大切なことだ。未来志向、現在志向、過去志向、人間に備わっているこの3つの時間志向のベクトルを正三角形に保つことが大切だ。過去を振り返るな、そなん無駄なことに時間を費やすなというのは、とても貧しい考え方である。未来志向で、かつポジティブであること(未来のことを心配するのもダメなのだ)、これが現代人の病理の時間的表現である。 未来を心配したり、過去を悔やんだりすることも、時間的存在としての人間の厚味を増す。ポジティブ思考一辺倒ではぺらぺらの人間になるだろう。教え子たちにはそうなってほしくない。歩きながら、ときに立ち止まり、後ろを振り返る。未来を夢見たり不安に感じたり、現在の生活に楽しみと苦しみを味わい、過去を懐かしんだり悔やんだりする、それが人間としてのあたりまえの生活だ。そうしたバランス感覚を失わないようにしてほしい。寝不足と、不規則な食事と、運動不足と、人とのつながりの欠如が、そうしたバランスを失わせる。そうした観点から自分の生活をチェックすることを怠らないこと。

  昼食は「すみっこ」のカツカレー。かつて蒲田駅西口前にあった「南蛮カレー」の後継店である。いろいろメニューはあるが、ほとんどの客がカツカレー(680円)を注文する。テーブルの上にはソースが置いてある。運ばれてきたカツカレーに何のためらいもなくソースをかけて食べる。カツカレーにはソース、私はそう決めている。

  小雨はまだ降っているが、傘をささなくても大丈夫という程度の雨である。

  電柱の広告で一番多いのは、これは実感だが、病院の広告ではなかろうか。街は病院がいっぱいだ。

 

 


3月26日(火) 薄曇り

2013-03-27 08:00:14 | Weblog

  8時、起床。卒業式の翌日というのは、いつものことだが、「ふぅ・・・」という感じである。「一丁上がり、はい、次!」というわけにはいかないのである。いったん脱力して、エネルギー値を引き下げて、それから4月9日(火)の私にとっての授業初日に標準を合わせて、徐々に身体を作っていくことにになる。スポーツ選手と同じだ。  

  昨日撮った写真を整理して、コースナビにアップし、4年生(卒業生)が閲覧し、ダウンロードできるようにする。コースナビは3月末日まで使えるはずだ。

  朝食兼昼食は、赤飯、野菜の煮物、味噌汁。

  午後も3時を回った頃、呑川の桜を観に行く。川面でカモメが休んでいる。  

   自宅から池上本門寺へ向かう区間では、日蓮橋のあたりが一番の桜の見所である。桜並木の枝が川面の上に大きくせり出している。

  自宅に戻る途中、カフェ「あるす」で一服。老夫婦が自宅の敷地に建てたアトリエのような小さな白いカフェである。ココアを注文。老夫婦が二人かかりで作ってくれた。

 

 

   夜、明朝名古屋へと発つ息子との最後の晩餐。料理は母に頼んだ。春巻、海老と野菜の天ぷら、湯葉の煮物、蛤の吸い物など。母がみんなの料理を作るのは久し振りで、「疲れた」と言っていたが、孫に手料理を作ってやるのもこれでしばらくないだろう。母は明後日、86歳になる。  

    新学期最初の授業は4月9日(火)3限の演習「個人化の社会学」だ。今年は去年のような定員なし(0次登録申請者104名全員受け入れ)はやめて、他の演習と同じ定員40名でやることにした。コースナビで開講前科目のリストをチェックしたら、すでに40名の学生が登録されていた。全員現代人間論系の学生で、3年生以上が6名、あとの34名は2年生だ。名簿をプリントアウトしてながめていたら、見覚えのある名前がチラホラ混じっている。基礎演習やライフストーリーの社会学を受講した学生たちだ。現代人間論系へようこそ。