7時、起床。
誰かが私の名前を呼んでいる、と夢の中で思った。郵便局か宅配便の人だろうか、と思っていたら目が覚めて、ここはKの家でさきほどの声はKの声だとわかった。彼はすでに6時には起きていた(私より3時間も早く就寝したのだ)。
昨日、風呂の帰りにコンビニに買っておいたパン、サラダ、桃のジュース、紅茶の朝食。K夫人が一緒のときと食卓の風景はずいぶんと違う(笑)。
【参考】前回(一昨年の秋)の和楽亭の朝の食卓の風景
8時半に和楽亭を出発。
茅野の駅前には土偶の大きなポスターがある。「仮面の女神」と名付けられている。
傍らにはレプリカも(もちろん実物はずっと小さい)。左の土偶は「縄文のビーナス」というそうだ。茅野市は「縄文の里」なのだ。
Kとはここでお別れ。彼はこのまま車で相模原の自宅に戻る(中央道が混む前に)。今回もお世話になりました。また、会おう。
駅の窓口で昨日の特急券の払い戻しをして、松本までの特急券と乗車券を購入。9時8分発のあずさ1号に乗る。
30分ほどで松本到着。
ホテルに荷物を預けて、とりあえず四柱(よはしら)神社に挨拶に行く。
拝殿の中では結婚式が執り行われていた。外では記念撮影の準備が整っていた。
神社の外の縄手通りは観光スポットである。
『半分、青い』でおなじみの五平餅だが、岐阜だけでなく広く中部地方の山間部の郷土料理である。秋風羽織の本名は美濃権太だから、ルーツは美濃地方なのだろう。五平餅は美濃の郷土料理でもあるから、彼が知らなかったとは考えにくいのだが・・・。
今日は松本カフェ巡りの一日になる。最初のカフェは「まるも」。女鳥羽(めとば)川にかかる一ツ橋の袂にあるおそらく松本で一番有名な老舗カフェだ。
店内は松本民芸家具で統一されている。ここは私の分類でいえば「もの思いカフェ」だ。ブレンドコーヒーを注文して、これからの松本散歩の一日の順路について考える。1時間ほど滞在。
店を出て、一ツ橋を渡り、川沿いの道を右に行くとすぐのところに趣の違う二軒の店が並んでいる。一つは「宝来屋」。和菓子の店だ。
和菓子といっても上品なタイプではなく、団子と大福の店だ。でも、これが美味しいのだ。みたらし団子、あん団子、豆大福、草大福を1つずつ購入。お八つ用だ。
お隣はコンフィチュールの店「Momo Cafe」。開店当初はカフェもやっていたようだが(店名にその名残がある)、現在は生産と販売のお店だ。
いろいろ試食させていただいて、3種類のコンフィチュールを購入。これは家へのお土産だ。
一ツ橋を再び渡り、中通りへ。ここはクラフトの店がたくさん並んでいる。「coto.coto.」は馴染みの店だ。今日はご夫婦でお店に出ていらしゃる(ふだんはどちらかお一人のことが多い)。5月の最後の週末、松本では毎年、クラフトフェアが開催されている。たくさんの観光客がやってくるのだ。
知り合いの刺繍作家yanyanさんの刺繍ポーチが並んでいる。yanyanさんはクラフトフェアにも毎年参加されていて、「源池蕎麦」の前で出店をしているそうなので、あとで行ってみよう。
2軒目のカフェは中通りの路地の奥にある「chiiann」。
店内の写真は客が写らないアングルで撮っているが、けっこう混んでいる。さすがにクラフトフェア期間中である。
クラフトフェア限定プレートを注文。ビシソワーズ(冷製のポテトポタージュスープ)。
二種類のショートパスタ(塩味)、サラダ、ピクルス。
さらにキッシュが付いて1000円はお得感がある。
食後に紅茶(chiiannオリジナルティー)をポットで。
ゆっくりお茶を飲んでいたら、さらに客で混んで来て、とうとう満席になったところで、席を立つ。明日また坂井さんと一緒に来ますね。今日の奥様はいつもの(?)ボーダー柄ではなく黒のTシャツを着ておられた。黒のベレーとマッチしていて素敵でしたが、明日はボーダーを楽しみにいますね(笑)。
yanyanさんの出店は高砂通りの「源池蕎麦」の横にある。私の顔を見てニッコリされたが、もっと驚くかと思っていた。「coto.coto」のご主人から「大久保さんがいまから行きますよ」と連絡が行っていたらしい。
yanyanさんと初めて出会ったのは5年前のことで、そのとき彼女は「coto.coto」で刺繍の実演をしていた。私はてっきり中国の方かと思い、それにしては日本語がお上手だなと思ったのだが、yanyanは彼女の作品全体のブランド名で、彼女自身は日本人、お父様は早稲田大学の卒業生だった。当時は新宿区の落合にお住まいだったが、いまは結婚して岐阜に住んでおられる。秋にはお母さんになるとのことで、そうなると、作品の制作はペースダウンするでしょうとのこと。それはおめでとうございます。じゃあ、いまのうちに買っておかなくちゃ(笑)。
高砂通りにある古本屋「アガタ」。後で行く予定の「縣(あがた)の森」の「アガタ」からとった店名だ。ちょっと覗いていくことにする。
旧制松本高校(現在の信州大学)出身の作家、北杜夫の本がたくさん並んでいる。
古本屋に入ったときは(新刊本屋の場合とは違って)挨拶代わりに必ず何か購入する。
竹内洋『立志・苦学・出世』(講談社現代新書)
大岡玲『篠山紀信 目玉の欲望』(毎日新聞社)
高砂通りを出て、ホテルに向かう途中の公園で子ど達が水遊びをしていた。今日は暑い(でも空気は爽やかだ)。
ホテルにチェックイン。
部屋で一服。「宝来屋」の団子二本と豆大福を食べる(草大福は夜食用にとっておく)。
再び外出。縣の森公園(松本高等学校跡地)で開催中のクラフトフェアを見物に行く。
松本には何度も来ているが、クラフトフェアの時期に来たのは今回が初めて。
陶器、木工、染織、ガラス、金属、比較など、たくさんのクラフトの作家さんが出品しているが、申し込めば誰でも出品できるわけではなく、審査があって、一定の水準以上と認められた作家さんしか出品できないそうだ。
広い敷地には、クラフトのお店だけでなく、松本の飲食店も出店をしていて、さらながら大きな縁日のようである。飲食店も出店するには審査があるそうだ。
見たことのある作品が並んでいると思ったら、以前、ギャラリーカフェ「Gargas」(ガルガ)で個展をやられていた「Akane Bon Bon」さんの出店だった。藍や柿渋で染めた厚紙を使っていろいろな形の箱を作っておられ、私も数点もっているが、今日は箱ではなく、手前のトレーを購入した。
作家のAkaneさんとは今日初めてお会いした。出店の場所はくじ引きで早い番号の人から決められるそうで、今回はよい場所がとれましたとのこと。それはよかった。もしそうでなかったら彼女の出店に気付かなかったかもしれない。
ネットに彼女の工房のことが紹介された記事がある。→ こちら
クラフトフェアは5時で終了。二日間ともお天気にめぐまれてよかったですね。
本日3件目のカフェは「Gargas」。
チキンカレー(小)を注文。「SKIPA」のことを思い出す。
付いてくるサラダがきれいで美味しい。
2階のギャラリーでは「may may」展をやっている。作品展は月替わりで、明日が最終日だ。
3人の作家さん(松本冬実、角りわ子、戸津圭一郎)の作品が展示されている。
角りわ子さんのモダンな柄のカップを購入。
それと1階のショップにあった小池千恵さんの角皿を購入。以前、同じ柄の長皿を購入し、研究室でおにぎりを食べるときなどに使っていたが、最近はおにぎりは3個ではなく2個になったので、長皿では間延びがする。おにぎり2個ならこちらがいい。長皿は自宅で焼き魚用にしよう。
さきほどクラフトフェアで購入した「Akane bon bon」さんの藍染の紙のトレーをテーブルの上に出して、腕時計とキーを置いてみる。予想した通りシルバーが映える。
カフェオレを注文してもうしばらく滞在。
ホテルに戻ったのは7時過ぎ。
今日撮った写真の整理などをしてながら、残った草大福一個を食べる。
風呂を浴びて、1時過ぎに就寝。