曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

Apple Musicの感想

2015-11-03 22:29:45 | デジタル関係

鳴り物入りで始まったAppleの音楽ストリーミングサービス「Apple Music」。3か月間はお試しで無料。せっかくだからと約4ヶ月間、自分なりに使い倒した感想を述べてみる。

なお、iPod touchとiPadをWi-Fiで接続しての運用なので、iPhoneで使っている人とは違う感想になっている可能性があることをご承知おき頂きたい。また、聴いた音楽が普通じゃないので、その点でも役に立たないレビューになっている可能性が高い。

▼ミュージシャンによって取り組み方が全く違う

ほとんどのアルバムが揃っているミュージシャンと、ほとんどないミュージシャンにはっきり分かれる。僕が聴いた中では、高橋幸宏や佐野元春はかなり揃っているが、坂本龍一はコラボレーション系のしかない(本人単独名義がない)。

▼基本的に新しい曲はない

これも人によるのだが、揃っている系のミュージシャンは最新曲がすぐ上がる(例えばサカナクションの「新宝島」)が、揃ってない人のは無視される。各自の取り組み方、所属レコード会社の権利の問題なのだろう。

▼グレーな曲

お、このアルバムがある、と思って開いてみると、部分的に灰色の曲があったりする。アルバムによっては(オムニバスやサントラが多い)、ほとんどが灰色で、ほんの2、3曲しか黒くなかったりする。アルバムと単体の曲で契約が別だったり、参加しているミュージシャンの一人が契約できてなかったりなど、いろいろあるのだろう。

▼入手困難な作品を聴ける

在庫のあるなしとか物理的な問題がないので、古めの洋楽なら相当にマニアックな作品もある。コレクションするなら、アマゾンで中古買うより効率がいいと思う。例えば僕はハンガリーのCimbalibandや、デンマークのmanualといった、日本では手に入りにくい、その存在を知るのすら難しいミュージシャンを聴くことができた。

▼アップルのセレクションはいい

最初に好きなジャンルを入力させられるのだが、それを元にAppleがいい曲を見繕ってくれる。「はじめてのミニマルテクノ」とか、「はじめてのトム・ウェイツ」とか、「ジョギング中に聴きたい曲」とか。機械なのか人力なのかわからないが、結構いい選曲。それを辿っていくうちに全然ノーマークだったジャンル、ミュージシャンにハマってたりする。

▼アップルの選択が困惑してかわいい

音響系ティム・ヘッカーやマーク・マグワイアから始まって、ジャーマンテクノのマイケル・マイヤー、ロシアンテクノのSCSI-9、スウェーデンのウォーム系ミュセット、名古屋のかわいい系エレクトロニカ・ルラトーン、同時進行でスライドギターの名手ライ・クーダー、ブルースの大魔王ジョン・リー・フッカー、さらにはハンガリーのジプシー系チンバリバンド、ポルトガルのファドなどを無節操に聴いたら、何を勧めていいのかわからなくなったようで、「For You」に出てくるミュージシャンがカオスになった。

▼ときどき落ちる

OSのバージョンアップで多少よくなったが、結構頻繁に落ちる。通信がちょっと切れたときorサーバーが重いとき?に落ちてるような気がする。ある程度キャッシュに溜めているようで、その1曲が終わったところで落ちることが多いが、たまに曲の最中に瞬間的に切れるときがある。

▼メモリーに厳しい

僕のiPad3は16GBモデルなのだが、頑張って2GB以上空けている。それなのに、プレイ中に「ストレージが足りない」と言われて、止めてみてみると残り300MB以下になってたりする。iOSは明示的にキャッシュをクリアできないので、ホームボタンダブルクリックからApple Music終了や、新たにアプリを消したりなど面倒だった。

▼途中でiOS9になった

メモリー不足のもう一つの原因がiOS9だった。まだアップデートしたくなかったので無視していたのだが、Apple Musicを使うとWi-Fiに長時間つなげっぱなしになるので、勝手にアップデート用のデータが溜まり、余計にメモリーを圧迫した。試行錯誤の末に、OSアップデートをしようとして「同意する」のところでキャンセルするとたまったデータが消えるということを発見。一日一度はこれをやって綺麗にしていた。しかし、それも面倒になってきて、思い切ってiOS9にしたらすっきりした。ストレージが足りない警告も減った気がする。

▼アルバム名=アーチスト名

検索がカテゴリフリーで、アルバム名なのかアーチスト名なのか曲名なのかの指定がないため、アーチスト名がタイトルになっているアルバム(ビートルズの「The Beatles(ホワイトアルバム)」みたいな)を探すのが面倒。アルバムを探したいのに、そのアーチストの全アルバムが出てくるということに。下記のようなベストアルバムが多いミュージシャンの場合は特に大変。

▼ベストアルバムが多すぎる

昔の大物ミュージシャン(僕が聴いた中で言えばジョン・リー・フッカーやジョアン・ジルベルト)は、非公式?なのもあるのか、無数にベストアルバムがある。その無数のベストアルバムの中から、あるのかないのかわからないオリジナルアルバムを探すのが大変。ジョアン・ジルベルトなんかは、スクロールしてもスクロールしてもリストが終わらず、ポルトガル語なのでベスト盤なのかオリジナル版なのかもわからず、最終的にはフリーズした。



▼日割り計算ではない

7/3に始めたので、10/3まで無料だと思っていた。10/2に自動更新オフの設定をしようとしたら、クレジットカードから10月分の料金が引き落とされていた。泣きながら設定をしたら、11/1に終了と表示されるようになった。何日に始めようとも、その月は1月と計算されるので注意だ。

▼有料月を体験したわけだが

そんなわけで、日本のユーザーにとっての最初の有料期間も1か月使用したわけだが、特に何も変わらなかった。僕の勝手な想像では、ほぼ全員が無料期間を終えて有料になる10月からは、それまでなかった曲がアップされたり、無料期間は躊躇していたミュージシャンが参入したりするかと思っていたのだが、そういうことはなかった。僕が聴いていた範囲では。

▼たぶんアメリカ時間

今度こそ間違いなく自動更新を早めにオフにし、10月31日を迎えた。7月に各種サイトやブログにアップされた自動更新しない設定手順と、iOS9になってからの表示が違うような気がして不安だった。31日の23時まで使って完全終了。翌日、恐る恐る起動してみると、今までと変わらず使えた。どうやらアメリカ時間で11/1になるまで使えるらしい。アメリカのどの時間帯なのかわからないので日本時間の昼までには使用をやめた。

で、11/3に起動してみると、登録ボタンのある一番初めの画面が出てきた。今度はちゃんと終了できたらしい。

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