曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

愛と憎しみの「中田敦彦のYouTube大学」

2020-10-06 11:23:48 | 社会

2年くらい前、僕は唐突にイスラム教について調べ始めた。僕は中東の地理的なことは知ってるつもり(地図マニアなので)だったが、歴史的なこと、文化的なこと、特に宗教についてはよくわかってなかった。イスラム教といえば「ラマダンで断食するんでしょ」「経典はコーラン」「神はアラー」「開祖はモハメッド」くらいの知識しかなかった。

しかし、イスラエルと周辺諸国のドンパチや、イランとアメリカの罵りあいの行方を予想しようとした時、ふと「イスラム教ってそもそも何」と思ってしまった。考えてみたら、俺イスラム教のこと何も知らないわ、これだけ世界に影響を与えているのに、と。

で、調べてみたらびっくりした。イスラム教のルーツをさかのぼると、ユダヤ教、キリスト教と同じ預言者アブラハムから始まっていた。つまりユダヤ教とキリスト教とイスラム教は根っこが同じだった。この3つの宗教は、姿形のない神という唯一無二で絶対的な概念を信仰している。イスラム教の開祖は、今はムハンマドと表記するのが普通らしい。彼が大天使ジブリール(キリスト教の大天使ガブリエル)から啓示を受けたのがAD600年くらいなので、結構新しい。メッカにはムスリムしか入れない。大多数がスンニ派で、ほぼイランだけが圧倒的にシーア派。イランは宗教的指導者が国家元首の宗教国家である。イスラエルとイランが超絶仲が悪いのはそういう理由で、ユダヤ人が支配しているアメリカもイランを嫌う。(※これらすべて僕の解釈です。諸説あります)

というようなことを知り、もしくは勝手に解釈して知ったような気になり、世界の状況のうち、ふわっとしか分かってなかった部分が、かなりクリアになる快感を得た。

そんな時にYouTubeでイスラム教のことを検索してて見つけたのが「中田敦彦のYouTube大学」の動画の一つ「宗教史1/2」だった。動画の中で、中田氏は僕とほぼ同じように驚き、同じようなところで快感を得ている。ように見えた。

僕はすぐさまチャンネル登録し、興味のあるものを片端から見始めた。1日一本動画が上がるので、見るものがなくなるということはなかった。経済とか投資とか自己啓発系はあんまり見てなくて、政治・歴史・文学が多いのだが、その中でおすすめなのは次のシリーズだ。

「源氏物語」
いやになるほど多い登場人物の名前と性格、人間関係、大まかな流れをつかむのに最適。国語で大学受験するすべての人に薦めたい。これを何度か見ただけで点数がかなり違うと思う。でもあっちゃんはたぶん与謝野源氏などの完訳ものは読んでない。

「風の谷のナウシカ原作」
原作ナウシカを読んだ人間は、映画しか見ていない人を歯がゆく思っている。その気持ちを代弁してくれている動画。クシャナのことをもっと掘り下げてほしかったが、まあいいでしょう。

「創価学会」
調べたこと、事実を(あっちゃんにしては)比較的淡々と語るだけなのだが、これは日本人なら知っておいたほうがいい情報だと思う。参考文献が池上彰なのがちょっとあれだが。

他には「日本宗教史」「古事記」「自民党」「進撃の巨人」「世界史」あたりが面白いかな。

だが、どんどん登録者数が増え(2020年10月6日現在297万人)ていくと、アンチも出てきた。本当の専門家からの指摘も相次いだ。僕が登録するきっかけになった三大一神教の動画についても、間違っていると指摘されている。

僕としても池上彰を参考にしすぎる点や、僕があまり好きではない人物(堀なんとかとかDaiなんとかとか)とコラボしたりするところは気に食わない。ので、そういう動画は見ない。

夏目漱石の「こころ」はKとの心理戦がヒリヒリして面白いのに触れなかったり、「自民党」では派閥の説明がなかったり、気が急いてきたり、よくわかってない部分に差し掛かると「ファーっていって」を連発して説明が浅くなるところも、ウームという感じ。

今のように全方位で毎日やってると、苦手な奴もちゃんと調べた顔して適当な説明になっていく(まさに池上彰のように)と思うので、本数を絞って準備をしっかりしたやつをやってほしい。


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