映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

グラスの縁から   東理夫

2009-05-28 | 
今回は初めて本のご紹介です。
昔は結構お酒に強く、顔にも出なかったので、日本酒党で「いけるくち」だったのですが・・・
最近飲みつけなくなって、すっかり弱くなってしまってました。
華麗、いえ「加齢」が一因かも?  
やけになっても、お酒に溺れる前に、頭痛とゲ○に溺れそうです。悲しい・・・。


 *********************

   グラスの縁から   東 理夫   ゴマブックス   

 *********************


2002年7月から今年の1月まで日本経済新聞土曜日の夕刊に7年半連載されていた
東理夫氏のコラム「グラスの縁から」が同じ題名のエッセイ集として出版されました。
毎週楽しみにしていたコラムの終了は残念ですが、こうして一冊の本になってまとめて好きな時に
読めるのは嬉しいです。

最近の日経は面白いコラムが終了し、どんどん薄くなっていく・・・。
中野香織氏の「モードの方程式」も終了、こちらももう文庫本で新潮社から出版済みなんですね。

東理夫氏は、音楽評論、ミステリー評論を経て
食やお酒、プレスリーやカントリー音楽、ファッションにも造詣の深い
作家、エッセイスト、翻訳家として活躍しておられます。
イーストウッド監督の「チェンジリング」を取り上げた時引用した「ブラックダリアの真実」の翻訳も東氏です。

昔からバンド活動もやっておられ、ギターやバンジョーの教則本もお書きになったそうです。
神奈川県の某大学の生涯学習講座では
「音楽で知るアメリカ」「食で知るアメリカ」「本で知るアメリカ」「ミシシッピで知るアメリカ」
「ルート66で知るアメリカ」など様々な角度からアメリカを読み解く講座を担当しておられます。


「グラスの縁から」は
  1.バーに酔う
  2.音楽に酔う
  3、銀幕に酔う
  4.ミステリーに酔う
  5.毎日酔う
の5つのパートに別れ、音楽、映画、ミステリーとお酒にからむ話を見開き2ページに一つのエッセイを、
各々に「サイド オーダー」として写真つきでエッセイにまつわる「ちょっといい話」が加筆されています。
  
独特の軽妙な語り口で、お酒や食べ物、音楽、映画にミステリーへの氏の広範な分野に亘る
豊富な知識やこだわりと愛情が感じられ、くすっと笑ったり、うんうんと頷いたり、へェ~と感心したり、
楽しい一時が過ごせること請け合いです。


中に「飲む酒で人がわかるって本当だ」の一文が。
甘いカクテルは苦手、なんたらトニックとか薬っぽくってちょっとねぇ~、
無難にソルティードッグをオーダーする私はどんな人に見られるんでしょう?
マンハッタンとかモヒート、ダイキリなんかで、カッコよく大人の女を気取りたいもんだけれど・・・

映画「カサブランカ」を取り上げた「大人の味」のタイトルの話はシャンペン・カクテルについて。
結婚式くらいでしか飲む機会のないシャンペンに何かを混ぜて飲むなんて飲み方があるとは!
黒ビールで割る「ブラック・ベルベット」をお勧めです。
そういえば「プリティ・ウーマン」ではイチゴがシャンパンを引き立てるとリチャード・ギアが言ってたけれど
イチゴを潰してシャンパンを注ぐ「ロシーニ」なんて飲み方も紹介されています。
これは是非試してみたい

「紙袋の酒」というタイトルの話には意外なお話が・・・。
東氏は「日本ほど酒が自由に飲める国はないのではないか」とアメリカを旅すると感じるそうです。
禁酒法時代ならいざ知らず、今でも禁酒のドライ・カウンティ(禁酒郡)があちこちあり、
平日は飲めても土・日はアルコール類を売ってはいけないところがあると。
飲める所でも屋外や衆目のもとでは封を切った酒類を持っているだけで罪になることがあり、
そんな時アメリカ人は酒を茶色の紙袋に入れるのだそうだ。
そういえば、昔、真昼間のサクラメントで見るからに足取りの怪しいオヤジがビンのような形の茶色い袋を手にしていたのを見た記憶がある。
映画「ハンコック」でも酔っ払いのハンコック(ウィル・スミス)が茶色い袋からお酒を飲んでいた。
こんなルールがあったんですねぇ。
多くに日本人が訪れるハワイの浜辺はどこでも禁酒ですってよ!
ハワイのビーチや道路で、日本の海の家感覚で缶ビールなんて飲んでいると警察に捕まるそうな。
ある意味、なかなか経験できない一生忘れられない旅になるかも?
驚きのアメリカの常識、これは覚えていた方がよさそうですね。

         本を手に笑顔の東理夫氏
あとがきに、
「酒は肉体や脳みそを酔わせるばかりでなく、もっと大切な部分、心をもまた酔わせるのだと気が付いた。
心を酔わせる酔い方を知る人は、心がやわらかく、感性が磨かれている。そういう人になりたい」とありました。

「心を酔わせる酔い方」・・・う~ん、こういう酔い方のできる人って大人やなぁ~、素敵やなぁ~。




にほんブログ村 映画ブログへ
  本の紹介だけれど・・・



 ***** 見た 映画 *****

 5月28日 「ライラにお手上げ  THE HEARTBREAK KID」DVD 
          ベン・スティラー、ミッシェル・モナハン主演のおバカコメディー


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。