映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

ハゲタカ  ROAD TO REBIRTH  会社って何さ?

2009-06-11 | 映画 は行
前々から「お買い物中毒な私」を見ようと思っていたのに・・・
今日は一日フリ~ってことで、2本見れるぞ!
ラブコメより見応えありそうな映画、大スクリーンで見た方が良い映画を見たい!!!
ってことで急遽変更

「ハゲタカ」と「スタートレック」と相成りました。
平日にもかかわらず、どちらもそこそこの入り、且つ年齢層が高い。
「スタートレック」って若い人が多いのかな?と思っていたけれど見終わって納得。
これは昔のTVシリーズファンこそ楽しめますよん 近々アップしま~す。


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     ハゲタカ     ROAD TO REBIRTH

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中尾彬氏は銀行の頭取っつうかビジネスマンって顔やないやろう?
どう見たって、その筋のNO.2(親分でもないな)って感じ。
NHKのTVでは「見忘れ」もあったので・・・毎週連続って結構見忘れて挫折しちゃうのよね。
映画はぎゅっと2時間14分


 < ストーリー >
かつてハゲタカとして名を馳せた鷲津(大森南朋)は日本を引き上げ、今は海外にいる。
そこに、大手自動車メーカー「アカマ」を劉一華(玉山鉄二)率いるファンドの買収から
救って欲しいと旧知の芝野(柴田恭兵)が訪れる。
巨額の資金を背景に、「アカマ」の再建構想を示し公開買い付けを行う劉。
鷲津はホワイトナイトの名乗りを上げ対抗するが・・・。

      
   鷲津                劉 



「アカマ自動車」って・・・N社?H社?I社?などと思わず思いを巡らしてしまいます。

でもまぁ「こんな国に誰がした?」とか「地獄だね、日本は。生ぬるい地獄だよ」とか、
厳しい言葉がポロッポロ飛び出します。

「アカマ」はもの作りを標榜する日本そのもの
それが中国資本に買い叩かれる・・・とか聞くと、愛国心煽られるわぁ。

でも・・・
モノ作りに係わってへん、ファンドマネージャーたら銀行の人間が寄ってたかって株式公開買い付け、
株価はまるでオークションで絵画が競られるように急上昇。
名画を描いた画家同様、車作ってる人間もすっかり置いてきぼりやんか。

ファンドたらいう金持ってる奴が(持ってないときはドバイの王子様とか持ってはるとこから借りてきて)
何も作らんと、作っている会社や作ってる人たちの運命を握ってるって、おかしいやろ?!

この手のニュースを聞く度に、「会社って何なんやろう?」という思いを強くします。
マクロだミクロだ、金融工学やら市場原理だ新自由主義経済だと
難しいこと言われるけれど、モノを作らんことには何にも始まらへんでぇ

資本主義を動かすのは「欲望」と「
「欲望」は新たな技術開発や生活向上をも生み出すけれど、押さえが効かへんようになって
膨らんでは弾ける
歴史はこれの繰り返し?

モノを作っているうちは労働倫理が国民精神の拠り所となって国家としても強くなるそうな。
その後、富の蓄積が起こると自分たちでものを作らず他所から買うようになる、
そしてモノを生産する実体経済から金融投資型経済へと移行すると衰退が始まり
主役は「新興国」に移るってことを繰り返しているらしい。

この流れで世界の覇権は、スペインからオランダ、イギリス、そしてアメリカへ。
地道にモノを作っていたアメリカも、「Buy American アメリカ製品を買おう運動」なんて
政府が旗を振っても、もはやアメリカ製のものなんてありゃしない。

モノ作りを止め金融帝国化したアメリカは歴史が示すように今後衰退していくのか?
そうなると次に主役に躍り出るのは・・・やっぱり赤い国
             
 
ハゲタカたちに翻弄される「アカマ」社長は「憧れや夢、そんなもんで飯が食えるか!」
と、おっしゃる。
一方「こんな時代だからこそ夢や希望を語るリーダーが必要なんだ」と説得する芝野。

そういう意味では、日本は今も、どっちに転ぶか岐路に立って揺れているのかも?
グローバル化の中で「儲ける為には何でもする」「全ては金が支配する」「儲けて何が悪い」
みたいな発想か、地道な実体の伴ったもの作りを守っていくのか。


今回の鷲津を見ていると1990年の「プリティウーマン」でリチャード・ギアが演じた実業家を思い出す。
企業買収で名を馳せ、買収してはバラバラに解体し売り飛ばして利益を得る。
ジュリア・ロバーツ扮するヴィヴィアンに
「何も造ったり建てたりしないの?車を盗んで部品を売るようなものね」と言われ
「でも法は守っているよ」と答えたものの、最後に「良心の呵責」から会社の存続と支援を申し出る。
20年前のアメリカならこういう結末でよかったかもしれないけれど、今ならこうはならんやろうなぁ。
今日本で「ハゲタカ」が作られたって事は、日本はアメリカより20年遅れているってことなの?

一方の劉は、当初金が全ての拝金主義者のように見えるけれど、
人生のスタートから嘘で固め、いつかはアカマの自動車にという夢を実現すべく這い上がってきた男。
「金を粗末にするな」という台詞がこれまでの彼の人生を物語る。
彼こそが誰よりもアカマの車を愛し、夢を託していたっていうのが何とも皮肉やねぇ。
個人の篤い思いなんて、弱肉強食のグローバルスタンダードの波に一飲みされてしまうのかなぁ。

老婆心ながら、中国の人はこの映画見たら怒らへんか?

もっと老婆心ながら、最近の若い人は自動車にあまり興味がないらしい・・・って、
折角情熱を持って作っても、もう車は売れへんの?


人生の悲劇は二つしかない。金がない悲劇と金がある悲劇
どっちに転んでも不幸やなぁ・・・
過ぎたるは及ばざるが如し。ほどほどにってことでしょうか?


大森南朋氏、保険会社のCM等、前々から注目しておりました。
どんな役でもできる落ち着いた素敵な役者さんです。
お父様(麿赤兒氏)とはあまり似てない・・・よかったね。

玉山鉄二氏は美しくってセクシー!NHK「天・地・人」でも北条家から人質として上杉に行き、
謙信に才を認められ養子になるも、家督争いに負け無念にも死ぬ役どころ。
鋭い目がいいね

派遣工役の高良健吾クン(上の写真の右端)はダルビッシュに似てないか?



先日「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」の試写会で六本木ミッドタウンに行った時、
映画について思いをめぐらしながらスターバックスでコーヒーを飲みました。
ふと、何気な~く振り返ったら、そこには・・・

ライブドアによるフジサンケイグループへのTOBで一躍有名になった
ニッポン放送の当時の社長亀淵氏がお一人でコーヒー?を飲んでおられました。
当時はまさに映画のような混乱の中、大変な日々を送っておられたのでしょうねぇ~。



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 ***** 見た 映画 *****

 6月 9日 「ハゲタカ」@TOHOシネマズ海老名

        「スタートレック」@TOHOシネマズ海老名