のんちゃん雲に乗る

平成17年8月に還暦を迎えた記念に、ブログを始める。
私の趣味や日常を記録して、足跡としたい。

2006年秋!

2006-11-29 | Weblog
11月も終わりになり、今年の秋も終わりです。今日は自宅書道教室が5週目のためお休みです。ぽっかり空いたお休みを家でじっとしているのはもったいないと、京都へ紅葉狩りに出かけました。
西陣で、少し着物地の端布を買ってから、バスで詩仙堂(写真上)へ行きました。バス停からは数分の距離でした。詩仙堂のお座敷から、きれいに色づいたお庭を眺めて一人静かに日ごろの垢を落とそうと思って行きましたが、人人人で、静かに眺めるどころか、座る場所もありません。紅葉がきれいに見えるところは、みんながカメラに収めようとしていて、なかなか場所が空きません。お庭の散策も行列でした。絵葉書のように人一人いない状態で写真は取れませんでした。私もその人の中の一人なのですから仕方ありません。
でも、紅葉は全く裏切らず、とてもきれいでした。赤・黄・緑の葉がきれいなコントラストを見せ、柿・すすき・紅葉と秋の演出の小道具も揃っていて、紅葉を盛り上げてくれていました。
夕方友人と約束があるため、詩仙堂だけで帰ろうかと思いましたが、ここまで来て曼殊院(写真下)に行かないのは、もったいないと大急ぎで歩いて行きました。こういう時一人旅は良いです。自分の思うままに行動できます。

ここも、また人は多いでした。そして紅葉も見事でした。私は書道をしているので、どうしても国宝「古今和歌集曼殊院本」を見たかったのです。ありました!ありました!小さいけれどほんまもんです。ガラス越しでしたが、見ることができました。国宝の黄不動尊像も見ましたが、国宝2つとも案外無造作に展示されているように見えました。セキュリティーが、ちゃんとしているからでしょう。
多くの観光客に混じって良く歩き、きれいなお庭と紅葉とが見れ、リフレッシュできました。とても充実した一日となり、満足です。

正倉院展

2006-11-11 | Weblog
第58回正倉院展が、10月24日~11月12日まで開かれており、皇太子ご夫妻もご覧になりました。これに合わせて、興福寺でも国宝特別公開がされており、奈良公園は観光客で賑わっています。毎年のことですが関東地方や色んな遠いところから来られている方も多いです。私など自転車で行けるのですから行かないでは済まされぬと、拝観してきました。
まずは、興福寺の国宝展に行きました。私は興福寺の旧境内で生まれ育ちましたから、毎日五重塔を見ていました。興福寺は遊び場で、我が家の庭のような感覚です。それが、観光客に混じって、一拝観者として興福寺に行く自分が何だかしっくり行かずへんな感じでした。
前回の国宝展の折は、五重塔の内陣と菩提院などを特別拝観しましたが、今回は三重塔と北円堂が拝観できます。そのほかに前回同様、宝物館と仮中金堂も拝観できます。さすが慣れ親しんだ私でも、三重塔の内陣は見た記憶がありません。と言うより、子供の頃は三重塔辺りは人影がなく寂しいところだったので余り遊びにはいきませんでした。
北円堂(巻頭写真)も同じです。境内の北の端に位置し、薄暗くて寂しいところでした。特に春は三重塔や北円堂の裏で、鹿が小鹿を産むことが多く危険で近寄れませんでした

ところが今日はどうでしょう!入れ替わり立ち代り観光客が訪れ、やっと日の目を見たと言う感じで、何だか晴れやかに見えました。お寺の関係者が、「建物自体が国宝ですから、手を触れないようにお願いします」と言っているのを聞いて「おお~そうやったなぁ」と再確認した次第です。

次に自転車を東に走らせ、正倉院展を観るため国立博物館に行きました。案の定、入館までに行列が出来ています。でも、今日金曜は7時まで開館しているので余裕を持って見られます。正倉院展は、今年は58回と言う事ですが、私は第一回に叔母に連れられて観に行っているそうです。もちろん覚えていませんが・・・。その頃は、下駄を下駄箱に入れて、博物館のわらじに履き替えて観るのだったそうです
展示物のほとんどは何回も見たことのある物ばかりですが、今年は宝物献納から数えて1250年目の記念の年と言う事で、初めてのものもいくつかありました。やはり私は書道をしているので、写経や献納目録である『国家珍宝帳』などの、文書類に興味があります。今書いたかのような鮮やかな墨色・始終乱れぬ楷書の文字を観ていると、紙質は?筆は?墨は?といくらでも疑問がわいてきます。1300年昔の物が、こうして鮮やかに見られるのは、正倉院と言う建物の校倉作りの効果が大であろうし、何と言っても埋蔵文化財でなく唯一地上にある文化財であるからなのです。

興福寺も正倉院展もこんな素晴らしいものが、自転車で行けるところにあり、毎年気軽に観にいけるのですから、私は奈良に生まれ、育ち、今またそこに住んでいて良かったと自慢したい気持ちで帰ってきました。